今こそLinux環境を構築してみたい その2~Windows10が終わる中、取り残される初代Surface GoにLinuxを入れる(その2)~

こちらは上記の記事の続きです。

前回はArch Linux(archinstallを利用して)をインストールして、とりあえずデスクトップを起動させるところまで実施しました
今回は以下のことをやっていくことにします。ちなみにデスクトップ環境があるため、GUIを使えるところはどんどん使っていきます

  • 日本語環境を整える(システム言語を日本語にする、日本語入力)

  • AURヘルパーをインストールする

  • linux-surfaceのインストール

  • スクリーンキーボードを表示する

日本語環境を整える

最初に

実のところ、ここは平行して作業を進めていたらいつの間にかできていたため、スクショや手順などを詳細に控えておりませんでした。そのため、結構雑な説明となってしまう箇所が見受けられるかもしれませんが、ご承知ください。一応ある程度噛み砕いて文章を書くつもりではありますが、わからないのであればArch Wiki見たほうが早いです…
セクションとしては上記の通り、2つに分けて説明します

システム言語を日本語化する

まず日本語フォントが入っていない状態のためインストールします、今回はnotoを使います(noto-fonts-extraはお好みで)

sudo pacman -S noto-fonts noto-fonts-cjk noto-fonts-emoji noto-fonts-extra

ターミナルから/etc/locale.genを管理者権限(通常はsudoをつけて)で開きます。vimで開く場合は、 sudo vim /etc/locale.gen みたいな感じになります

ファイルを開いたら、 以下の行を探します

# ja_JP.UTF-8 UTF-8 

見つけたらコメントアウトして保存します
その後、管理者権限でコマンド locale-gen を実行し、成功したら一度ログアウトをして再度ログインし直します

こうするとロケールに日本が追加されている状態になるため、設定画面なり、localeファイルの編集なり、日本語の状態に設定してあげれば完了です

日本語入力環境を整える

今までの紹介記事ではfcitxを使っていたと思うのですが、現在はfcitx5を利用するのが主流のようです

sudo pacman -S fcitx5-im fcitx5-mozc

コマンドで打てばいいのは上記のものだけで良いらしく、そのまま依存関係にあるパッケージも含めてインストールしてくれます
600MBぐらいあるため、通信環境があまり良くない場合は気長に待ちましょう
また、fcitx5-mozcの代わりに後述するAURヘルパー経由でfcitx5-mozc-utパッケージをインストールすると辞書機能が強化されたものが使えます(fcitx5-mozcと競合はしますが、そこはパッケージマネージャーが自動でやってくれます)

※本当はここの段階で環境変数の設定を行うのですが、上記のシステムの日本語化の際に再起動をしたときにこちらの作業を一緒に実施していたからなのか、それとも偶然起こってしまったのかわかりませんが、再起動して戻っていたら何故かfcitx5の設定が完了していたため、別端末で行った手順を仮で記載しておきますが、今回の記事を執筆する上で環境構築した端末(Surface)で作業を実施していないことをご承知おきください。

~/.xprofile に以下のブロックの内容を入力してください

export GTK_IM_MODULE=fctix
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS="@im=fcitx"

その後、再度ログインし直すと日本語入力できるようになっていると思います(タスクバーにキーボード関連のアイコンもしくはmozcのアイコンが表示されていれば成功しています)

AURヘルパーのインストール

実は以前にここら辺のやり方は書いてあるのですが、ちょっと勘違いしている箇所などが見受けられるため改めて書きます。pacmanでyayがインストールできるのはmanjaroのリポジトリに提供されているからであって、通常のArch LinuxではAURヘルパーに関しては手動で落としてビルドする必要があります
まあ手順としては単純で、「AURヘルパーをgitでクローンして、クローンしたディレクトリに移動してmakepkgをする」だけです

必要なパッケージをインストールします

sudo pacman -S git base-devel

パッケージをインストールできたら、次にAURヘルパーをインストールします。AURヘルパーは以下のページが参考となるでしょう

入れるヘルパーを選定したらgit cloneでビルドするためのコードを落としていきます。Git Clone URLはArch Wikiのパッケージをクリックした後の画面に記載されています

Git Clone URLが以下のコマンドで使うURLです
git clone <ヘルパーのGit Clone URL>

クローンが完了したらできたばかりのディレクトリに入って(yayをクローンしたのであれば yay というディレクトリが出来上がっているはずです)、その中で makepkg -si を入力するとパッケージのビルドが開始します。
必要に応じて依存パッケージをインストールする処理などは走りますが、それらの工程が全て完了すると、ヘルパーがインストールされた状態となります。おつかれさまでした

linux-surfaceのインストール

※おそらくインストールしているデスクトップ環境のBudgieがGNOMEベースであるため、正直これをインストールしなくても使えてしまっているのが現状です。一応備忘録として手順は残します

こちらの記事を参考に、Surface関連のカーネルのlinux-surfaceをインポートします

署名のインポート

curl -s https://raw.githubusercontent.com/linux-surface/linux-surface/master/pkg/keys/surface.asc  |  sudo pacman-key --add  -

鍵を取得し、取得した鍵をpacmanに登録します
別途鍵を別ファイルに保存してそのファイルを読み込ませるなどでも大丈夫です

sudo pacman-key --finger 56C464BAAC421453
sudo pacman-key --lsign-key 56C464BAAC421453

linux-surfaceをインストール

まずリポジトリにlinux-surfaceを追加します。
/etc/pacman.confを管理者権限で開き、以下の内容を追記します

[linux-surface]
Server = https://pkg.surfacelinux.com/arch/

追加したら更新します

sudo pacman -Syu

普段更新時に取得しているリポジトリの中にlinux-surfaceが追加されていると思います。ここまでの設定が上手くいっているとエラーにならず、無事更新完了です
そしていよいよlinux-surfaceをインストールします

sudo pacman -S linux-surface

これにて完了です

スクリーンキーボードを表示する

onboardをインストールすれば大丈夫です。便利

sudo pacman -S onboard

onboardをインストールしたら設定をしていきましょう
せっかくGUIで設定できるのでアプリケーション一覧から「onboardの設定」を開いて設定します
正直ここは個人の設定次第だとは思うため、私が設定したものを提示してこのセクションは終わります

全般の項目
ウインドウ
レイアウト

これでタブレットとしてある程度使いやすくなったかなと思います

後記(というの名の言い訳)

実はLinux固有というよりX11においてのデスクトップ環境の問題点として、タッチスクリーン上では右クリックおよびスクリーンがデフォルトでできないという現象が発生しており、これに関してはどうにかできないか色々調べてみたのですがピンポイントに直せる方法がヒットしなかったため、今回はなくなく見送ることにします…

次回(その3)は以下の内容からどれかを引っ張ってくる予定です。おそらくかなり時間がかかるとは思うため、気長にお待ちいただければ…

  • HP Envy x360を両刀使い(ノートPCおよびタブレット)運用する

    • セットアップも終わっているし、何なら今回の記事の半分はこのPCで書いているのですが、如何せん一度1年以上前に実施した作業などもあり、解説をするために情報をまた収集しないといけない感じですね。これが一番時間かかるかも(KDEを選んでいるので今回のように自動でやってくれる!というのが無い)

  • Core i5-7200U搭載のせいでWindows11アップデート対象外のDell Latitude 5490にArch Linuxを適当にセットアップする(要はarchinstallを利用しないバージョンの備忘録)

    • ある程度のセットアップは完了していますがスクショとか何も撮っていないため、備忘録がノースクショみたいな感じになりかねない

  • ASUS Vivobook 13 Slate OLEDにLinux(何を入れるかは未定)を入れる

    • 買ったけど有機ELきれいで終わっている

端末はそれなりにあるのでまだまだ続けようと思います

余談

上記の端末である程度察せると思いますが、流石にここまで来るとよほどグラフィカルなものを選ばなければ基本的なLinuxディストリビューションは動かせてしまうとは思います。なので今後で選ぶLinuxディストリビューションはそこまで動作が軽いことというのは重視していないです(そもそも中古市場も全国区で名が知れ渡っているショップはもう流石にWindows11を公式でサポートしていない第7世代以前のWindows機をそこまで見ないですしね)

なのでQ4OSとかSparky Linuxとかの「軽量」をウリにしているディストリビューションは採用しないかなと思います

あとはDell Latitude 5490を入れる際に試しにSliTazとか入れてみようと思ったのですが、USBブート環境時点のデフォルト状態でタッチパッドが反応しないという問題が発生しており、インストールに成功しても保守が面倒だなと思ったためちょっと見送ることにしました
TinyCore Linuxはまだインストールとかはできていないため、ちょっと試してみたい感じはありますが…おそらくやらないかなぁ…

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