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寒すぎる、、、そうだ読書しよう

早朝のスマホから鳴り止まないアラームを止めるために布団から手を伸ばそうとするが、また寝てしまおう、とよからぬ思惑が頭をよぎる。

時期を考えれば少し早く出してしまったかと思っていた毛布が手放せない。

まだ目に十分な光が入ってきていない状態でニットと靴下を履きリビングに足早に向かう。コーヒーを淹れるためにマシーンを触れるが、洗い物と“時間“を考えるとインスタントのコーヒーで十分だ。

お湯を沸かしてる間が寒さとの戦いとなるが、そろそろ目も覚め寒さにも慣れてくる頃だ。

「読書の秋」とこの時期になると言われるようになるが便利な言葉だなと思えてくる。外が寒いから屋内で寒さに慣れるまで読書で暇を潰そうと言っているように聞こえるからだ。

SNSで読書の秋と言って外の寒い中、公園のベンチで読書をする写真を共有する人がいるが本を読むためにそこまで頑張れる人間がいるのだなと勝手に皮肉めいたことを考えてしまう。

そんなことを考えずに本を読めればいいのに、

新書編

三田誠広『マルクスの逆襲』

人々は賃金の横ばいと物価高、社会に蔓延る問題へのストレスをどこに発散させればいいのかわからなかった。その時現れたのが「マルクス」であって正直『資本論』なんてものはどうでもよかったんだと思う。毛沢東の、造反有理、を大学生が唱えているようにとにかく有り余っているエネルギーを発散させたい。全共闘に羽田事件は人間の内にあった何かが爆発した瞬間だったんだと思う。

ジム・ロジャーズ氏著『お金の流れで読む日本と世界の未来』訳:大野和基氏

日本が金利をゼロに等しい数字まで下げ、金融国として対外資産を増やしながら膨大な紙幣を印刷し先行きの見えない延命治療をする日本。国内のインフラ整備は限界まで張り巡らされてしまったので余った資金を地方の採算の合わないインフラ整備に過剰投資する始末。
日本の未来は決して明るいと言えないし、日本国内に外国人を受け入れることに反対する人も多く、第一次産業を支える人材が不足している。

その一方で、朝鮮半島だったりアフリカの未来は確かに明るい。朝鮮半島は北朝鮮が門戸を開きオープンな市場を形成すれば世界各国から資金が流れ豊富な地下資源や安い労働力が韓国を含め世界の工場として名を馳せる可能性が十分にある。
アフリカは圧倒的な経済成長で今の先進国が20年かけて作り出した世界を数年で作っている。電話を飛ばしてスマホが普及し、紙幣を飛ばしてキャッシュレスが国を支えているケースも少なくない。

山口路子氏編『マリリン・モンローの言葉』

自分の生い立ちに劣等感を抱き、常に完璧を目指してきた人物。読書を好み、人からの愛を求め、人と関わることを人生としてきたような印象を受ける。人物像からギャラリーの手の届かぬ孤高の存在であり、常に性的な目で見られてきたマリリン・モンローはそれを逆手に取って魅力的であり続ける努力をしたんだと感じた。

ポール・クルーグマン氏著『そして日本経済が世界の希望になる』監修/解説:山形浩生 訳:大野和基

名目金利に低下余地が無いという『流動性も罠』を日本に当てはめ黒田前総裁の黒田バズーカを考察する話。勿論2024年の現在からは過去の話であり政策の結果は賛否が分かれるところ。
家庭での消費は向上せず賃金上昇や少子高齢化による市場の期待性は解決しなかったと言う失敗点。
現在はFRBの金利政策との摩擦による円安上昇を引き起こし企業の決算は過去最高、さらに目標物価上昇率は2%台を記録している。
しかし日本の市場への期待は未だ薄い。

聖教新聞 外信部[編] 『世界の名画との語らい』

トルストイ作の『アンナ・カレニーナ』の主人公のアンナはクラムスコイ作の『忘れえぬ女』と思っていたが様々な憶測があるそう。別にそれほど重要な事ではないが作品同士の繋がりから色々な憶測が飛び交うのは面白い。

世論へ:
自分の宗派,団体の有無に関わらず本というのは作者の思想が入るものだと思ってます。結局は人が書くものなのに肩書きを見て嫌厭するのは如何なものかとここに書き留めておきます。

小説編

内田康夫『幻香』

調香師が中心になっている殺人事件。
マリリン・モンローが「I wear」で言っていたように香水はアクセサリーより重要な自分の一部なのかもしれないです。

内田康夫氏作『鬼首殺人事件』

ロケ地でも知られる鬼首。本書でも観光地として紹介される鳴子温泉鬼首間歇泉。
今回の話題は普通の人間ならば到底想像し難い事件であり、夢のような話に心が躍る。
内々の事件ではなく、話題がかなり広い。

内田康夫氏作『砂冥宮』

三浦半島と金沢の内灘が中心のミステリー。60年代の安保闘争が全国で繰り広げられる中、石川県の金沢,内灘でも内灘闘争が繰り広げられていた。現代の学生の身分とは大きく違うが、当時の彼らが何を考えていたのか何となく分かる気がする。

内田康夫氏作『横浜殺人事件』

野口雨情作『赤い靴の女の子』と『青い目の人形』が同時期に作られている史実から始まり、横浜の外人墓地を巡っていく、、、
山手の外人墓地以外にも保土ヶ谷にあったとは。
横浜という土地がアジアもヨーロッパもアメリカも全ての文化があると考えると興味深い。

内田康夫氏作『天城峠殺人事件』

天城峠といえば高低差45mの「河津七滝ループ橋」。更には岩手の大船渡が出てくる日本縦断。
この話題の中心が千社札と二つの土地。
自転車で天城越えは憧れの一つ。

内田康夫氏作『志摩半島殺人事件』

今のところ内田康夫作の作品で一番良いストーリーだなと思ったのがこの『志摩半島殺人事件』。
解決するが社会的な結果はまた別の話。
終わり方に愛があるなと感じた作品。

内田康夫氏作『終幕のない殺人』

浅見光彦シリーズを一言で表すと『旅情ミステリ』だけど珍しく舞台は箱根の別荘のみ。金田一少年の事件簿だったりA knives out mysteryの『Glass onion』といった外の世界と遮断された中で探偵が自由に推理していく作品に近い。

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