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独書思想史

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僕の読んだ本のメモと一部にイシューを見つけ出し答えを求めようとすることを試みるマガジンです.
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#社会

21世紀に赤い繭は否定できるのか

21世紀に赤い繭は否定できるのか

1950年の大作、安部公房の『赤い繭』は今でも多くの人に読まれている作品の一つだ.

この話のキッカケは今年が安部公房の生誕100周年ということで書店に特集コーナーが設置されていたところから始まる.

安部公房といえば第二次戦後派の大岡昇平『俘虜記』や堀田善衛『広場の孤独』などと一緒に知られる文学会のスーパースターである.

最近では国語の教科書に掲載されていることもあり、名前だけでも聞き覚えがあ

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2024年のマエストロに思うこと

2024年のマエストロに思うこと

「年老いた者が賢いとは限らず、
年長者が正しいことを悟るとは限らない。」
『旧約聖書ヨブ記』

旧約聖書の一部として編纂されたある男の人生日記.

神がある男の信仰心を試すために試練を課す物語なのだが、その課題は男を苦難の道に導き、人の死や自分の不幸を味わう事になる.そんな男の苦難の物語の一説である.

僕はこの文章を見て勝手に今の日本と重ね合わせてしまった.

接客が気に食わないと文句をいう老人

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『仕事選びのアートとサイエンス』

『仕事選びのアートとサイエンス』

本屋に行くと大抵置いてある転職関連のビジネス書.

でも学生の僕には全く関係のない事だ.まだ悠々と高校生活を楽しんでいるし仕事は自分の好きな事をっていう漠然なイメージしか持っていない.

でも社会では転職が正義かのように促す風潮が強い.
スマホを開けば転職の広告,テレビを見れば転職の広告.なんだか大人になったら転職するのが正しいかのように思えてくる.

それに転職は当然の事ながら歳をとるにつれて難

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