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#沖縄 #アマオケ #コンマス #救命医 × コロナ禍 で対談してみた 〜パート1〜


左上から時計回りで﨑谷、筒井、林、和田(敬称略)

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この対談の参加者

﨑谷 直人  #神奈川フィル #コンマス #プロオケ #ヴァイオリニスト #音楽家 #LEOパートナー  
和田 一樹  #指揮者 #音楽家 #LEOパートナー
林 峰栄  #沖縄交響楽団 #アマオケ #コンマス #ヴァイオリニスト #救命医
(聞き手:筒井 #アマオケ #LEO

ごあいさつ

和田:LEOチャンネルをご覧の皆さん、こんにちは。LEOミュージックパートナー和田一樹です。本日は再びLEOのアンサンブルパートナーであり、神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロコンサートマスターの﨑谷直人さんとともに対談を行っていきたいと思います。そして本日のスペシャルゲストですが…それでは﨑谷さんの方からご紹介していただきたいと思います。おねがいします。
﨑谷:みなさんこんにちは。﨑谷です。前回の対談、ご覧いただいてありがとうございました。本日は、私が大変お世話になっております、沖縄交響楽団でコンサートマスターをされていて、本職は、救命医さん、お医者さんでいらっしゃる、林さんに、今回ゲストでお越しいただきました
林:よろしくおねがいします。
﨑谷:いやー、本当に今まさにはじめましてなんですよね。僕はもうLEOの和田くんと筒井くんは何度も何度もご一緒してて、林さんとも沖縄交響楽団で多々お世話になって仲良くしていただいているんですけども、林さんと、LEOのお二人は画面上ではじめましてです。いやー、すごいですね。こうやってインターネット上ではじめましてをする時代ですね。
筒井:林さんは今沖縄から参加されていますか?
林:はい。僕は沖縄ですよ。もう梅雨が明けましたからね、今日からすごい暑いですね。明けるとすごく暑くなっちゃうので。

沖縄交響楽団について

林:皆さんはじめまして。沖縄交響楽団でコンサートマスターをしています林です。僕は元々は岡山の人間で、今救急の医者をしておりますが、25年くらい前に沖縄の病院で研修を受けて、また一回岡山に戻ってから2005年からまた沖縄に戻ってきて、それからずっとこっちにいます。
2008年から沖縄交響楽団のコンサートマスターになって。もう13年目になりますね。2014年からはフリーランスの救急医として県内のいろいろな病院の救急外来で活動しています。よろしくおねがいします。
和田:沖縄交響楽団は長いオーケストラなんですか?
林:はい。沖縄交響楽団は今年創立64年です。全国的に見ても長い歴史のあるオーケストラだと思います
﨑谷:神奈川フィルがことし50周年。神奈川フィルよりも長いってのはすごいね。
林:もともとは米軍基地の関係者から始まったみたいです。私が2005年に沖縄に来て、翌年が50周年だった。マーラーの2番「復活」をして、沖縄でこれだけの演奏ができるオーケストラがあるんだと思って。非常にありがたかったですね。

沖縄交響楽団と﨑谷さんの関わり

和田:﨑谷さんは沖縄交響楽団との関係を持たれていると思うんですけど、いつ頃からですか?
﨑谷:はじめて行ったのは…いつだ?去年かな?
林:実はまだ﨑谷さんと知り合って2年にもならない。信じられないけど、まだそれだけなんだなって思います。2019年の3月にトヨタのコミュニティコンサートで、小曽根真さんのソロで指揮を川瀬賢太郎さんで、オールアメリカンプログラムのコンサートを3月にやったんですけれども、そのときに川瀬さんが﨑谷さんを連れてきてくださったのが最初ですね。
﨑谷:最初ゲストコンマスで川瀬くんに呼んでもらって、一緒に乗らない?って。それでその本番の前にリハーサルで一度オーケストラの指導をさせていただいたときがはじめてでしたね。
林:そのときに僕が那覇空港に迎えに行ったんですけど、全然﨑谷さんのこと知らなくて…ネットで調べたらキーワードは"イケメン"だったんですよ。日本のイケメンバイオリニスト4人のうちの1人とかって書いてあって。
筒井:(うーん…)
﨑谷:筒井、いまのうーんじゃないよ!(笑)
和田:その通り、みたいな顔するんだよ!
林:載ってた写真がすごい美少年的だったんですよね。いまみたいにこんなむさ苦しくなくて(笑)
﨑谷:こうなったのは沖縄行ってからだから(笑)
林:だからお会いしたことないけど、空港ではまずは美少年を探せば良いんだろうねって思って。あとは、仮に分からなくても楽器抱えてるから絶対大丈夫だろうと思って。でも結局全然見つからなくて…全然楽器抱えてる人もいないし美少年もいないし…と思って現れた﨑谷さんがでかいじゃないですか。僕、美少年だからすごい小柄な感じをイメージしていたわけですよね。でもまず目線が合わなかったんですよね。しかも楽器は背中に隠れて全然見えなかったんですよ。なので最初の出会いは結構衝撃的でしたね。ぜんぜんイメージと違うと思って(笑)
和田:そこからのきっかけで﨑谷さんと出会ったと。その後の演奏会でも共演されてますよね。
﨑谷:そう、3月はオールアメリカンプログラムを川瀬くんと小曽根さんと一緒にやって。そこで林さんはじめ、団員の方々と仲良くなって。本当に良くしてもらった。でもその打ち上げにしっかり出れなかったんですよね、僕。先に帰らないといけなくて。ちょっと寂しい感じのまま終わってしまって。それが3月でしたよね。で、そのあとに共演した
林:3月の打ち上げのときに、ぜひまた呼んでくれと。美味しいものを食べさせてくれたらギャラはいらないから呼んでくれって(笑)それで、
﨑谷:帰りの車でね、空港まで送ってもらったんですよ。
林:送ってる車の中で、﨑谷さんさっきそんなこと(呼んでくれって)言ってましたけど、うちの定期演奏会に乗ってくれますか?って話をしたら、﨑谷さんがスケジュール帳出して「ああいけそうだ」とかいうわけですよね。もし来てくださるっていうんだったらせっかくだったらコンチェルト弾いてくださいよって言って、「じゃあチャイコなら良いよ」っておっしゃり…その場でチャイコのコンチェルト弾いてくださることに急遽決まってしまったんですね。
﨑谷:とにかくみなさんと一緒に弾きたくて。だから帰りにね。車の中で林さんと別れるのが名残惜しくてもう次会う日程をその場で決めてしまった(笑)
林:それで、結局来られたのは3月に終わって4月でしたね。
﨑谷:そう、4月にたまたま休みが取れたからプライベートで旅行いってそこでお会いした。
和田:ひめゆりの塔とか行かれたりとかって伺いましたけど
﨑谷:3月の沖響のみなさんと演奏したときが初の沖縄だったんで、せっかくこれから沖縄と深くみなさんと関わっていく中で、いろいろ激戦地だったり沖縄戦跡だったり、もともと一度は行ってみたいなと思っていたんですけど。そんなタイミングでプライベートで時間が取れたんで、林さんに連絡したらお休みの日一日中付き合ってくださった。色んなとこ車で回ってもらってね。
林:﨑谷さんがすごいなと思うのが一番最初に3月のコンサートのときに本番前にちょっとだけ時間があったんで、どっか行きたいとこありますかって言ったら、そこで「ひめゆりの塔に行きたい」っておっしゃって。いや、すごいなあと思って。"音楽バカ"じゃないなっていう。そこはすごいなって思いましたね。なかなかそういう人いないので。でもその時はひめゆりの塔に行くには時間がなかったので、かわりに普天間基地を見下ろせる高台にお連れした。だから、4月のプライベートで来たときには、南部の戦跡を一緒に回って。逆に、僕もちゃんと行ってなかったとこもあったりして、﨑谷さんのおかげで行くことができてよかったです。歴史にも真摯に向き合うっていうそこが本当素晴らしいなって思いますね。
﨑谷:音楽する上で、自分の中で「歴史」って大事にしていて。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン…昔の歴史とかその背景ってもちろんなんですけど、自分たちの今の生活に直結している歴史も同時に大事にしたい。普天間基地を上から見させていただいたときも、いわばニュースの世界の話。でも、現地に住んでる方じゃないとわからないことってたくさんあって。実際にその生活に関わっている人とお話するのが一番早いし、自分の中で考えるキーワードにするには一番いい手段ですよね。だから、そんなことをしているうちに林さんともどんどん仲良くなった。
林:なかなかいないですよね、本番前に戦跡巡りしたいっていう人は。すごい人だなって思いましたね。
﨑谷:前のLEOの対談でも少し話したけど、僕とか和田くんとかは常に回に音楽家がいる。だから普段の関わりだと音楽家としかコミュニケーション取れなかったりする中で、LEOのみんなも、沖響のみんなも、いろいろな仕事・能力とか、考えを持った人と出会うことって、もしかしたら音楽家と出会うよりも重要なことかもしれないなって感じますよね。
和田:そういう素晴らしい出会いが昨年あったんですね。
﨑谷:なので、こうやってLEOの筒井くんと沖響の林さんとが並んでいる絵って、僕からしたら芸能人2人並んでるみたいな感覚なんだけどさ(笑)
でもこういう形で、なかなかアマオケ同士で交流ってないと思うけど、どうですか?筒井くん
筒井:僕は今日すごく楽しみにしていて、もちろん都内で活動しているアマオケの人たちと話す機会ってちょこちょこあるんですけど、でも同じような環境の中で活動しているので、どちらかというと、普段の活動の中で困っていることとか、そういう話をするくらい。まして、沖縄のアマオケ事情とか全く知らないですし、東京以外でアマオケを聴きに行ったことがそもそもないので、どういう環境で皆さん活動されているのか、とかすごく気になりますし、そういう話ができるってすごい面白いなって思って今日は楽しみにしていました。
和田:筒井さん個人的には沖縄には行ったことあるんですか?
筒井:修学旅行で1回だけ、ですね。
和田:実は僕は3年前くらいなんですけど、東京ニューシティ管弦楽団と、古謝美佐子さん(歌手)と一緒に演奏会をやったんですよ。そのあとに、あんた一回沖縄来なさいって言われて、いうんでじゃあぜひっていうんでそれこそ4月に、﨑谷さんのさらに1年前だと思うんですけど、やっぱり色んなところ連れて行ってもらって、やっぱりその普天間基地のところで、いろいろ思いを聞かせてもらって。それから僕はすごく沖縄が好きになっちゃって、去年は月1回くらいは行ってたんじゃないかな。残念ながら﨑谷さんとは行き違いで。確かにそのときから﨑谷さん沖縄感は増してますよね。
﨑谷:そう、寄って寄って、ワイルドになって。
林:沖縄感なんですか、そんなんじゃ暑くて多分だめじゃないですか(笑)
﨑谷:こうやって和田くんにもいつか沖響行ってもらいたいし、絶対楽しいと思うし。あとLEOのみんなと合同でいつか何かできるかもしれないよね。

沖縄と東京のアマオケ事情の違い

﨑谷:林さんはもともと大学のオーケストラでコンマスされてたんですよね?
林:私は岡山出身なんですけど、10歳くらいから岡山市のジュニアオーケストラに居て、結構オーケストラ活動長いんですよ。それこそ40年以上になりますからね。そのあと岡山大学の交響楽団に入って…逆に東京のことは全然わからないですね。
﨑谷:学生オケやってたのと、沖縄でいま活動されているのと、感覚的に違うこととかありますか?
林:学生オケと社会人オケはぜんぜん違いますね。岡山大学のオーケストラ結構体育会系だったんですよ。部員は百人以上いましたけど、幽霊部員は全然いないような部でした。岡大オケがすごい良かったのは、指導してくださった指揮者の方が保科洋先生という吹奏楽の方で有名な人で、もう就任55周年とかやるくらい、ずっと岡大オケを教えてくれている。時々OBオケがありますけども、年が全然違っても、同じ文法で会話が成り立つ、そういう意味で非常に稀有な影響させてもらっていました。
社会人オケは学生オケと違うものと思わないといけないなと思うのは、仕事と家庭とをきちんととやって、それが優先された上でオケがある、っていう風にしないといけないんじゃないかなって思っているんです。僕はコンサートマスターなんで、どちらかというとみんなを引っ張っていく立場ですけど、それをみんなに同じように押し付けるわけにはいかない。例えばなかなか練習に来れない人もいるし、練習毎回遅れてくる人もいるし、様々ですけれども、それも仕事や家庭があってなので。そこは逆に無理せずやっていかないといけないのかなって思います。
逆にLEOのことを全然知らないんですけども、簡単にどんなオーケストラなんですか?
筒井:東京にはたくさんアマオケがあって、すごく伝統ある、それこそ40~50年やってるようなアマオケもあれば、どんどん新しいオケが立ち上がっているっていう状況もあって、LEOはその中では後者オケの中のひとつです。我々は立教大学で和田先生と出会って、そこで一緒に音楽をやっていた仲間を中心に、社会人になってもやりたいねっていう形で集まって出来上がったオケなんですけど、いまは立ち上がって6年くらい経っていて、立教とは関係ないメンバーもたくさん参加しています。特徴としては、年齢層は若い…かな、20代後半から30代前半くらいのメンバーが一番多くて、学生もちょこちょこ参加しています。
林:6年目でまだまだ始まったばかりで、もう和田さんとか﨑谷さんとかをちゃんと捕まえて、これは凄いですね。そりゃあ魅力的なオケなんだろうなと思います、羨ましいですよね。
﨑谷:LEOと沖響両方関わらさせていただいて、ぜんぜんやっぱ違うよね。僕自身はこういう感じだからなんにも変わらないんだけど、接し方も。でもLEOのみんなは若いエネルギーがすごくて、僕より年下のメンバーもたくさんいるし。すごく明るくて。僕は音楽を職にしているから、音楽でいわゆる友達とワイワイしたり…そういう経験があんまりないんですよ。だから年齢も離れていないみんなとやらせてもらうって、自分の中でバンド活動とか、青春時代にするような、そういう感覚でやらせてもらってるかな。和田ちゃんも近い世代だし、そういう面白さがあるかな、LEOは。
逆に沖響の魅力っていうのは本当に色んな方がいらっしゃる。沖縄出身の方もいれば、林さんはじめ県外からお仕事のご都合だったり、自分で沖縄に住むって決めた方もいたり、外国の方もたくさんいるし、すごくドラマがあるんですよね、人に。だから、すごく広い社会だなあと思って、それがすごく楽しいですね。沖縄は。だから全然違う魅力がある
和田:林さん、沖縄の中ではオーケストラは結構多いんですか?沖縄交響楽団が一番伝統あるようなイメージありますけど、他にもアマチュアオーケストラってありますか?
林:元々は沖縄交響楽団しかなかったんですよね。そのあと20年前に琉球交響楽団っていうプロができて、最近は琉球大学のOBで作ってるオーケストラがひとつありますね。ただ定期的にずっと練習をやってるような市民オケっていうと、沖響になっちゃうのかなと思います。
和田:アマチュアでクラシック音楽をやっている人たちが集まる、中心的なところが沖縄交響楽団、ということですね
林:沖縄県民って実は140万人いるんですよ。意外に多くて。そこでアマチュアオケが1個しかなかったってことを考えると、まぁまぁな数が集まって、先ほどお話にも会ったとおり転勤とかでどうしても入れ替わるんですけども、来た人たちにとっては良い受け皿になってるんじゃないかなって思います。大体団員は60〜70名を行ったり来たりで、でもそれだけの数が集まっているので、すごいなと思いますね。
あと指導者については、どうしても沖縄なのでなかなか来てもらうわけにもいかなくて。交通費もかかっちゃいますし、気軽になかなか呼べない。うちは普段はもう全部自分たちでやってて、例えば弦楽器の分奏とかは全部僕が見てますし、合奏は団内にいる社会人の指揮者、彼は琉大で教授をやってますけど、彼が振っています。
﨑谷:すごいよね、琉球大学で、何の先生でしたっけ?
林:農学部の教授ですね。だからある意味偉いなとは思います。仕事でもないし、義務でもないのに、毎週水曜日の夜に集まって自分たちで練習してるってすごいな、って思いますけど、でも自分たちだけだと、やっぱり限界が出てくるわけです。それを引き上げてもらう存在が欲しいと毎回思うわけです。だから指揮者はいつも東京からプロの指揮者を呼んで来てもらって、定期演奏会秋に向けて、3〜4回沖縄に来ていただいて、引き上げてもらうって感じでやってます。あとは時々トレーナーにも来ていただいたり。そういう意味では、都内のオーケストラはアクセスもいいので、指導いただく機会に恵まれているのがとても羨ましいですよね。
﨑谷:いやだからね、もう1個沖縄に行く楽しさって、飢えてるのよ、みんなが。今の林さんのお話の通りで、チャイコンをこの前弾かせていただいたときも、「チャイコフスキーのコンチェルトずっと聞きたかったんだけどはじめて生で聴きました」っていうアンケートの声もあったし、それがすごい自分にとってはフレッシュなの。首都圏で活動してると、いくらでも海外のオケとか、一流のソリストってお金出せば聴けるし、プロのオケもたくさんある。聴く側も弾く側も、あって当たり前状態、ちょっと飽和状態っていうくらい選択肢があって。沖縄はそうじゃなくて、これを聴き逃したらいけない、っていう聴衆の思いもだし、団員さんとリハとかから関わってても、僕が何かアクションを起こしたり発したりっていうことに対してすごく敏感で、それはすごく楽しいですね。
和田:筒井さん行きたい?
筒井:行きたいです。今話を聞いてて思ったのは、僕らは普段から﨑谷さん、和田さん、東京で活躍されている先生方の薫陶を受けて活動できていて、それはそれですごく価値があるものだと思うんですけど、一方"飽和状態"みたいなことは本当にあるなと思っているし、ごくごく当たり前にそういう音楽活動があるがゆえに、逆にそのハングリーさみたいなところとかはたぶん全然違うんだと思います。
﨑谷:そう。それは教えててそう思う。全然違うよ。行ってみてほしいな。すごく違う。
筒井:そうですよね。だから僕、﨑谷さんがおっしゃっていたLEOと沖響が仮にコラボするっていったときに、そういう影響の仕合いってすごく面白いんじゃないかなって思いました。
﨑谷:やりたいよね、機会があれば。沖縄公演。
和田:今大体沖響は人数的には何人くらいいらっしゃいますか
林:いまだいたい65前後だと思います
和田:LEOはちなみに何人くらいいらっしゃいますか
筒井:規模としては同じくらいだと思います。
﨑谷:ショスタコの大きいのとかでもやる?
和田:ちなみにLEOは旅好きですよね。何回に1回かは軽井沢で演奏会とかしたりするので、ぜひ沖縄に行って演奏会を一度、どうですかLEOさん?
筒井:是非是非って感じですね。沖縄にも行きたいし。沖縄からもぜひ来ていただきたいです。
和田:沖縄行きたいのがすごい上回ってる感じしますけどね。
筒井:沖縄には行きたいです。単純に。なんかもう本当に全然よく知らないので、沖縄のコンサートホール事情とか本当に気になりますね。
林:沖縄はまずそんなにホールを選べないので。ひとつは浦添市っていうところにある「てだこホール」ってところがあるんですけど。太陽に子供って書いて「てだこ」なんですけどね。キャパは1,001だけなんですけど、逆に我々アマチュアには丁度いいかなという感じで。﨑谷さんとやったのは沖縄市の市民会館で、そこはキャパが1,545ですね。てだこホールが施設的にも良いんですけが、取りにくいんですよね。とても抽選が難しい。
和田:結構ホール利用が盛んなんですか?土日は取るのが大変ってことですけど。
林:そうですね、沖縄、芸能の島なので。いっぱい芸能あります。
﨑谷:本当にそのホールを取る作業から含め、みんなフレッシュなんだよね、それが魅力。
林:LEOさんは本拠地はどのあたりになるんですか?
筒井:ホールは演奏会ごとに色んな所を使っています。東京ってコンサートホール自体はたくさんありますけど、それ以上にアマオケとかオーケストラの数も多いんで、すごく取りにくいんですよ。だから運良く取れたときにそこでやるって感じです。
林:練習は定期的にやってるんですか?
筒井:練習は不定期です。コンサートの数ヶ月前くらいから始めて、和田さんとか他の先生方と調整して日程決めてます。週に1回とか2週間に1回くらい。それもだいたい都内の公民館とか練習場を借りてやっています。
林:じゃあ、特にどこか決まった練習場所がある、というわけではないんですね。
筒井:遊牧民ですね。でもそういうオーケストラがすごく多いと思います。東京には。中には区民オケとかで、固定的な練習場所持ってるとこもありますけど、本当少ないですよねそういうところは。
和田:東京だと23区ごと区が持っているようなオーケストラがまずあって、でもそれだけでは、大学のオケで頑張ってた、特に管楽器のメンバーがアマチュアオケでやりたいっていうときに席がなかなか空かない。そうするとじゃあ僕らで作る?っていうかたちで、そこから本拠地を持たないオーケストラが広がっていくっていう感じですね。
﨑谷:全然場所によってアマチュア事情も違ってくるけど、でも両方行くと面白いよね。全然雰囲気違うから。
林:逆に指揮者の立場として、多分学生オケと社会人オケって違うんじゃないかなと思うんですけどそこらへんの違いとかありますか?
和田:僕も岡山大学、実はそこの出身の子に定期演奏会のビデオ見させていただいて、すごく一生懸命練習されていた印象があります。僕も大学オケ何個か指導行くんですけど、すごいんですよね、気迫が。テンションが熱いというか。社会人オケになると、LEOはそんなことないんですけど、やっぱりそれぞれのお仕事と家庭を両立してるし、その中でできる時間でみんなでやろうねっていうところがあるんですけどね。
﨑谷:たしかにそうだね。学生のオーケストラの子だと、時代によっても違うかもね。
和田:僕が面白いなって思うのは、勉強はもちろんしてるんだけど、時間ある分、かけてる思いが強い。特に幹部学年になるとその思いがすごいんですよね。
﨑谷:そうだね、だから部活でいうインターハイでさ、野球でもサッカーでもあるけどそういうひと夏にかける、ひとつの演奏会に掛ける思いってすごく強いよね。
和田:だからそれだけに、今回の延期中止の件が、それはすごく悔しいだろうなって、いつか同じメンバーでっていうのも、難しいでしょうし。
﨑谷:でも逆に言うと、社会人になってみんなが何かしらのプロフェッショナルになって、またそうやって違う社会の人と一緒に音楽を共有するようになると、学生でこれしかないんだって思う頃とまた違った見え方してくるんじゃないかな。ちょうど教えに行ってた学生オケとか何個かあって、キャンセルになっちゃって本当に可哀想だし、なんて言葉かけていいかわからないくらいなんだけど、でもこういう経験したことでまた逆に大人になって音楽をもう一回やるって言ったときに、違う感情ってあるんじゃないかなとか思う。
和田:あとは、社会人になると新しい出会いと新しい環境でやっているオーケストラに所属するので、そのときに仲間を認め合う、いろいろな事情の中で一生懸命やっていこうっていう形に変わりますよね。
﨑谷:そうね、でもこの前、高ワグ(高校のワグネル)っていうのをはじめて教えに行ったんだけど、その演奏会はなくなっちゃったんですけど。もうね、みんな上手なのよ。それなりに整ってるし。どこをどうしようかなって思って、こっちも楽しいの。学生相手だと、「今何考えてた?」って問いかけてみる。それって、毎日のようにリハやってると、粗探しが始まるのよね。例えば”ズレる”っていう現象一つに対して、自分のせいでズレているかもしれないっていう思う子もいれば、ズレる原因を他に探す子もいるし、色んな原因が散りばめられていくわけ。で、この子たち一人ひとり見て、「いま君何考えて、今なんでそのタイミングで入った?」みたいな話とかすると、レスポンスが面白いんだよね、若い子って。だから音楽ってタイミングとか音程とかフレージングとか専門的なことあるんだけど、その前にコミュニケーション能力だと思っているんですよ。それを学生さんに教えるのはすごく楽しい。「もし自分が正しいと思ったなら、それをどうやったら相手に伝えられるか?」とか、そういう指導になるよね。それはもう若い子の特徴かな。LEOも沖響も社会人オケだから、普段会社でのコミュニケーションとか職場でのコミュニケーションとかっていうのもあるでしょうし、ある一定それをみんな分かっているな、っていうのは感じる。だから何か問題起きても、粗探しをするのではなく、どうしたらより良い方向にいくかっていう術をある程度みんなが把握した上でやってるから、もう直で具体的に音楽をする上でどうしたら良いかっていうアドバイスに入る。でも学生オケの場合は、それ以前にしないといけないところがあるなっていうのをすごく感じます。これたぶんスポーツとかでもそうだと思うな。かといって、教える側が”絶対こうだろ”って押し付けても今の子ってたぶん聞いてくれない。スパルタ的にここでこういうパスだせ、とかを感情的にいっても、たぶん伝わらない。だからすごく頭使うんだよね、こっちも。それは面白いです。
筒井:たしかに僕も社会人になってから明確に変わったなって思ったのは、練習量も少ないし、つまり合わせの数が絶対的に少ないから、より頭を使って演奏してるって感覚はありますね。技術的には追いついていないこともたくさんあるかもしれないけど、より周りの音を聞くようになった気がする感覚は、社会人になってから違いとして感じましたね。
﨑谷:プロの自分でもそうだもん。神奈川フィル入りたての頃なんて、やっぱり自分の中で理想があるから、それをぶつけちゃうんですよ、仲間に。でも、それってやっぱ相手にリスペクトなかったなって思うことたくさんあって。団員のみんなにも経験だったり自負っていうものがあって、でも自分の中にだってそれはあるしっていうぶつかり合い。でもそれがいいこともあれば、悪い循環になってしまうこともあるから、それができるだけいい方向にいくようにしないといけないというのは、神奈川フィルで学びましたね。あとやっぱり、林さんと沖縄いろいろ回ったりとか、林さんのお仕事の話とか聞く中で、他人のパーソナリティが見えてくることってたくさんあって、それが音楽をする上での信頼感とかにもつながって行くと思うから、結局人に対して興味を持って接する事ができるかどうかっていうのは大きく出ますよね、アンサンブルにも。

パート2はこちら
https://note.com/leorch_tokyo/n/nec878980f2ee

収録日:2020年6月14日



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