Notionで自分だけの漫画データベースを作る
別記事でも少し触れたけど、昨年末から年始にかけて、わりと余裕のある時間を過ごせたので、暇に任せてNotionというメモ管理のWebサービスを本格的に触ってみることにした。
もともとEvernoteユーザーだったし、Notionの黎明期のUIがあまり好みじゃなかったこともあって敬遠気味だった。でも最近、Evernoteが停滞気味だとか、ネット上でNotionの名前をよく見るようになったこともあり、再度調べてみた所、「なんかすごい進化してないか…?」と思い、導入に至った。
中でも、いちばん興味を惹かれたのはNotionのデータベース機能だ。
NotionのDB機能のすごさ
一応、若かりし頃はSI業界でリレーショナルデータベースを使った多階層アプリケーション開発に関わっていたこともある。その視点から見ると、「ページを起点としたメモ管理と、リレーショナルデータベースの仕様をUX上とても上手く統合していて、直感的で作りやすい!」と、とても感動してしまった。かつてもFileMakerとかPower Builderとか、GUIでデータベースと入力フォームをGUIベースで開発できるソフトはいろいろあったけど、洗練具合が格段に上がっていると感じた。
「マンガDB」を作ろうと思った話
Notionを触るついでに何か“パーソナルデータベース”を作ろうかと思い、ちょうどAI読書をトライしていたので、まずは読書記録のデータベースを作った。そこから派生して「これまで読んだマンガのランキングDBを作ろう」と思い立った。
子どもの頃からマンガは好きだった。小学生の頃は週刊少年ジャンプで『キン肉マン』や『北斗の拳』が連載していた時代。「マンガは子どもの読むもの」という偏見(?)がまだ大きかった時代だったけど、大人になってからも読み続けているし、iPadを手に入れてからはKindleで買いまくっている。
ただ、読んだ冊数が多すぎて、飲みの席で「最近イチオシのマンガは?」と聞かれると、うまく最適なタイトルを引っ張り出せないことが多い。
それがもどかしくて、「いつか読んだマンガをカテゴリ分けして評価も付けて、体系的に整理したいなぁ」と考えていた。
Notionテンプレート探しで挫折 → イチから作ることに
Notionにはテンプレートを自由に共有できる仕組みがあって、「マンガ管理テンプレートなんてきっと充実してるだろう」と思ったけど、じっくり探してみてもイマイチしっくりくるものが見つからなかった。必要最低限しか揃っていない、シンプルなものはあるんだけど、僕が欲しい機能や項目が不足していることが多かった。
初心者の僕が中途半端なひな形を改造するより、イチから作ったほうがNotionの勉強にもなるし、中身の構造を把握しやすい。それならいっそ一から組み立ててみよう…という発想で、マンガDB構築をスタートした。
僕が作ったマンガDBはこんな感じ
数日試行錯誤して作ったのは、こんな感じ。シンプルだけど、自分的には必要にして十分なものができたと思う。
とりあえず、以下のようなビューを用意してみた。
登録全件リスト(自己評価スコア順)
自己評価の高い作品を上にして眺められるので、誰かにおすすめを聞かれたときに便利。
新着ビュー
最近登録した(買った)マンガがさっと確認できる。未読(読みたいリスト)ビュー
まだ読んでないけど買ってある、あるいは気になっている作品をまとめて管理。完結&高評価ビュー
「すでに完結している」「かつ評価が高い」作品だけを抽出して、完結済みの名作を一気にチェックできる。ジャンル別ビュー
自分で定義したジャンル別に、ランキング表示。カンバン形式でジャンルを色分けして、ランキング別に縦に並べている。
チャートビュー
まだ簡単なグラフだけだけど、ジャンル別の作品数などを表示。
スプレッドシート風メンテナンスビュー
いわゆる編集しやすいテーブルで、大量の項目を一括管理したり、カバー画像や評価をまとめて変更したりするのに使う。
個人的にこだわったのは、カバー画像を初巻と最新巻の2種分登録可能したり、ジャンルとは別にマンガの区分をつけるマルチタグを配置したこと、完結/続刊の区分を入れたことなど。これらをDBにまとめておくと、あらためて「この作品はどういう系統だっけ?」と確認するときに便利だし、人に進める上でも役に立つ。
実際に構築してわかったこと
Chrome拡張のSave-to-Notionがめちゃくちゃ便利。ブラウザでマンガの情報を調べているときにボタンひとつ押せば、タイトルや出版社、あらすじなんかをDBに自動登録してくれる。あとからメンテナンスビューで手直しすればいいから、最初の手間がすごく減って「これはイケる!」とテンションが上がった。
データをためてからいろいろ気づいたこともある。たとえば「ジャンル横断で順位を決めるのはかなりムズイ・・」。スポーツマンガの熱さとSFマンガの衝撃度、日常系の雰囲気を同じ土俵で比べるのは至難。。。
あと「異世界モノ買いすぎ」と改めて再発見した。テンプレっぽい作品が多いけど、頭を使わず読めるから半身浴のお供についつい買っている自分の実態を改めて認識できた。さらにDBを眺めていて「意外に自分、スポーツ系やダンス系が多いんだな」と、まったく自覚してなかった嗜好が浮き彫りになるのも楽しいポイントだ。
それでも登録は終わらない
ただ、僕のKindleライブラリにはどうやら4,000冊くらいマンガがあるらしく、シリーズ単位でやったとしても、全部登録するには相当な時間がかかりそうだ。でも、これはこれで「データベースを育てる」感覚があって悪くない。
少しずつマンガを追加しては評価をつけて、今後もタグを見直したりジャンル分けを練り直したりして、どんどん完成度を高めていきたい。大事なのは無理をしないことだと思う。気が向いたときにちょっとずつやれば、そのうち自分だけの「最強マンガ辞書」が仕上がるはずだ。
まとめ
いつか整理しようと思っていたマンガDB構築を年初に達成できたのは、なかなか意義深かったw
Notionの直感的なDB機能は本当に楽しいし、ちょっと研究すればサクサク実装できる。テンプレが物足りなければイチから作っちゃえばいいし、拡張が簡単だから追加したい要素が出てきても柔軟に対応できるのがいいところだ。
僕もまだまだ初心者だから、本格的なDBの使い方とは違うかもしれない。でも趣味の範囲で遊ぶなら十分すぎるし、なにより「自分の好きをぎゅっと詰め込める」よろこびは大きい。4000冊の登録が終わる頃には、マンガ談義の引き出しが今よりもっと増えていると信じている。
この記事を読んでくれる方が増えて、希望を頂けるようになったらテンプレート公開も検討したい。
(2025年1月30日)
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