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家族写真がもっと輝く!RAW撮影×Lightroom現像×Googleフォト管理のワークフロー

はじめに

僕は写真が好きだ。とはいえ、その道のプロでもないし、専門家でもない。昔、硬派な写真教室に通っていたこともあるけど、フィルムを自分で現像してみたり、表現論みたいなものを勉強してみたり……今振り返ると、けっこうディープなところまで行っていた気もする。デジタル全盛のいまや、わざわざ薬品を使ってフィルムをどうこうという機会はあまりない。それでも、あのころ学んだ写真の基礎や考え方は、いまのデジタル写真を扱う上でもすごく役立っていると思っている。

いまの僕が撮る被写体は、だいたい家族だ。子どもが生まれてからは成長記録をせっせと撮るようになったし、家族旅行でも思い出を残そうと結構大量の写真を撮る。スマホのカメラもめちゃくちゃ進化していて、「いくらでも撮れる」だけに、撮りっぱなしでストレージを圧迫して終わる、なんてことになりがちだ。

そこで今回は、僕が実践している「家族写真の撮影から、LIGHTROOMを使った現像、そしてGoogleフォトでの整理・共有まで」のワークフローを紹介しようと思う。写真をうまく撮るコツ自体は今回はあまり触れない。僕自身そこまでの腕があるわけではないし、「上手に撮りたい」なら、それこそ撮影技法に特化した本やWeb記事を見たほうが早いと思う。僕は撮った写真をどう選別し、どう現像して、どう管理するか」を中心に、僕なりの手順を共有したい。

「なんか面倒くさそう」「スマホだけで完結したい」みたいな声も聞こえてきそうだけど、後から振り返ったときに「ちゃんと整理されてる家族写真アルバム」があるのは、なかなかに良い。もし写真の放置に心当たりがあるなら、一度ぜひ試してみてほしい。


大まかな流れ

まずはざっくり、僕のやり方を列挙すると、こんな流れになる。

  1. RAWモードで写真を撮る

  2. LIGHTROOMに写真を取り込む

  3. 撮影した写真を選別し、イマイチなものは捨てる

  4. 写真を現像(最低限の補正)する

  5. Googleフォトにアルバムを作ってアップロードする

もうずっとこの手順で管理してきて、10年分以上の家族写真を一元管理できている。段階ごとにやることは増えるけど、慣れるとこれが意外とスムーズに回る。もちろん、もっと簡易的に、例えば「とにかく写真を選んで捨てる → スマホで補正 → 共有」でも十分に便利だと思うから、興味のある部分だけでも参考にしてもらえるとうれしい。

「写真を選ぶ、捨てる」の大切さ

「撮った写真は全部とっておきたい」と思う気持ちもあるかも知れない。
フィルムカメラの場合なんかは特に、一枚一枚丁寧に撮るしコストもかかるしで、失敗しても捨てづらいものがあった。いまはスマホでも一眼レフでも何百枚と撮って、後で見返すと「なんだコレ?」な写真が山ほど積みあがりがちだ。

でも、「捨てる」という行為を意識するだけで、写真の価値はぐっと上がる。目をつぶっていたり、被写体がブレてしまったり、余計なモノが映り込んでいたり。そういう写真をバッサリ除外するだけでも、残った写真をじっくり楽しめるようになる。写真のクオリティというより、“写真を見る体験”のクオリティが上がる感じ。

もし日常のスナップ写真でも100枚撮った中に「まともに見られるもの」が10枚ぐらいあったら、その10枚だけを残す。デジタルだからこそ、ガンガン撮りまくって、あとから良いやつだけ厳選するほうが結果的にいい思い出が残る。面倒だけど、とても大切なステップだと僕は思う。

STEP1:RAWで写真を撮る

僕はデジカメで写真を撮る場合は、基本的にRAW形式を使っている。RAWっていうのはカメラのセンサーが捉えた情報をそのまま保存するデータ形式だ。JPEGやHEIF(iPhoneで使われる圧縮形式)よりもファイル容量は大きいけど、撮影時に露出(明るさ)をミスった写真や、ホワイトバランスがちょっとずれた写真でも、後から現像ソフトで大幅に修正できる。

例えば僕が使っているSONY α7ciiの場合は、設定画面から
(撮影)→ [画質/記録] → [ファイル形式] → [RAW]
と選ぶことでRAW撮影が可能になる。また圧縮方式も選べるけど、僕は非圧縮を選択。1枚あたりのデータはかなり大きくなるけど、残せる情報はできるだけ残しておきたい。

ちなみに、iPhoneでも「Apple ProRAW」というRAW撮影ができるようになっているけど、僕はあまり使っていない。とはいえ、「iPhoneだからRAW撮影は関係ないや」と思わず、興味があるならぜひ設定して試してみてほしい。

STEP2:LIGHTROOMに写真を取り込む

RAWで撮った写真は、カメラ内のSDカードに記録されていく。僕は撮影の頻度にもよるけど、週末や月末など、ある程度まとめてPCに取り込んでいる。ソフトはAdobeのLightroom Classicを使っていて、もうかれこれ10年ぐらいの付き合いだ。

Lightroomを立ち上げて[ 読み込み… ]ボタンを押し、カードリーダーからRAWファイルをPCに読み込む。自動的に撮影日ごとのフォルダ分けをする設定にしているので、写真が整理された形でディレクトリに収まっていく。

僕の場合はNAS(ネットワークストレージ)に10Gbpsイーサネットで接続するというオーバースペックな環境を自宅に構築しているため、編集時のレスポンスを気にせずNASの中ににRAWデータを放り込んでいる。ここまでやる必要はないけど、写真データは容量が膨大になりがちなので、SSDの増強や外付けHDDなど、余裕のある場所を用意すると安心かもしれない。

Lightroomは慣れると本当に操作が気持ちいい。Gキー(グリッド表示)とDキー(現像モジュール表示)を行ったり来たりしながら、ホイールで拡大縮小しつつショートカットでサクサク選別したり。僕にとっては慣れ親しんだ相棒ソフト。

STEP3:撮影した写真を選別する

Lightroomで写真を読み込んだら、まずは選別だ。選別こそ命。一眼レフの連写にまかせて撮った山ほどの写真のうち、「これはダメだろ……」という露出不足で黒つぶれした写真とか、表情が悪かったり、目線が外れている、目をつぶっている、などの不出来な写真を除外していく。

具体的には、Lightroomのライブラリで一枚ずつ写真を確認しながら、数字のキーを押して星マークをつけていく。僕は「2(捨てる)」3(残す)」を基準としていて、たまに「これはいいぞ!」と思ったときだけ「4(これは良い!)」に格上げしている。とりあえず直感的に振り分けるのがコツで、悩みすぎると終わらない。後でまた再調整するくらいの気持ちでサクサクと星をつける。

LIGHTROOMでの写真の選別

全体を見終わったら、フィルター機能で「星3以上」だけに絞って表示し、残すと決めた写真だけを次のステップに進める。星2以下になった写真は、僕は完全削除とまではいかず、とりあえずHDD上に放置しているけど、ほんとに使わない写真はストレージ圧迫の元なので、こまめに物理削除したほうがいいだろうな……と思っている。

STEP4:写真を現像する

次はいわゆる「現像」工程。RAWデータを「どういう仕上がりにするか」を調整する作業だ。家族写真の場合、作品レベルで一枚一枚こだわりぬくというよりは、「全体の露出を整える」「ホワイトバランスを直す」など、最低限の補正をちゃっちゃとやってしまうことが多い。

僕はだいたいこんな流れで調整している:

トリミング・水平補正
構図的に余計なものが目立ったり、カメラを傾けて撮ってしまったときは、この段階でサクッと直してしまう。
ホワイトバランスの調整
白い部分を指定して自動バランス実行、色かぶりが強い写真は手動で修正。
ハイライトやシャドーを補正
とりあえず±0にして全体を確認。
露光量を調整
3の影響も受けるので、仕上げたい明るさになるようにヒストグラムを見ながらちょうどよくなるように調節。
コントラストはトーンカーブでざっくり
トーンカーブを見ながら、コントラストをつける。基本は、ライト・ダークを20/-20くらいにしてから、引き締める程度を決める。
明瞭度(Clarity)や粒子、シャープなど
フィルムっぽくするかどうか、など好みがあるけど、僕はClarityを20前後、シャープは25〜50くらいを目安に設定している。

このあたりの操作は慣れが必要だけど、Lightroomでは一枚写真を仕上げたら、その設定をコピーしてほかの写真に一括ペーストできる。だから同じ場所で連続撮影した複数枚は、最初の1枚をしっかり仕上げたら、そのパラメータを一気に流用してしまえばいい。面倒そうに思える現像作業も、これでかなり時短できる。

LIGHTROOMの現像画面

どうしても部分的に暗いところだけ明るくしたいとか、逆にハイライトだけ抑えたいとかは、マスク機能を使って「覆い焼き」や「焼き込み」処理をかけている。フィルムカメラで写真の現像をやったことがないと、この「覆い焼き」「焼き込み」メニュー名の意味って感覚的に分かりずらいと思うけど、僕は昔通っていた写真教室で実際にアナログに実践していたので、デジタルで同じことができるのはおもしろいと感じる。

STEP5:Googleフォトでアルバムを作りアップロードする

最後に現像が完了したら、仕上がった写真をJPEG形式で書き出す。僕は基本、最高画質(画質100%)で、ファイルサイズの制限もかけずにエクスポートする。出力したファイルをとりあえずPCやNASの中にアルバム名単位でフォルダを作って置く。そこまでやったら次のゴールはGoogleフォトだ。

Googleフォトを使っている人は多いと思うし、説明不要かもしれないけど、僕は昔「Picasa」と呼ばれていた時代からずっと使っている。ときどき仕様が変わって戸惑うこともあるけど、最近は安定してきている印象だ。

  • アルバムを作成して写真をまとめる

  • 家族や友人と共有して楽しむ

これができるだけでも、やっぱり便利。スマホやタブレットからいつでも見られるし、デジタルフォトフレームのようにしてリビングで写真を再生するのも楽しい。アルバムを通して思い出を共有すると、家族同士で「あの旅行楽しかったね」なんて会話が増えるから最高だ。
また、Googleフォトのおせっかい機能として、定期的に格納された写真からコラージュを生成してくれたり、「10年前の今日」みたいな企画向けのコレクションを提案してくれるのだけど、それもちゃんと選んだお気に入りの写真だけを使ってくれるので、クオリティが高くなる。

Googleフォトのアルバム

まとめ

以上が、僕の「RAWで撮って、Lightroomで現像し、Googleフォトで管理」という家族写真ワークフローだ。書き出してみるとそこそこ工程はあるけど、一つひとつはやってみるとそんなに大変でもない。もちろん、RAWで撮って現像するなんてめんどくさいし、そもそもスマホで十分という人は多いと思う。そんな場合は、「写真をちゃんと選んでアルバムを作る」だけでもずいぶん違うから、ぜひそこだけでもやってみてほしい。

僕はこのやり方をかれこれ十数年続けてきて、家族の思い出を振り返るたびに「おお、ちゃんと撮っておいてよかったな」と思える瞬間が多い。クラウドにしっかり上げておけば、万一PCや外付けHDDが壊れてもバックアップになるし、いいことづくめだ。

ただ、テクノロジーの進化は目覚ましく、いまはAIで自動補正してくれるサービスなんかもある。Lightroom自体にもプリセットが豊富にあって、「自分でいろいろ数値をいじるのは無理!」って人でもボタン一発でそれなりの仕上がりになったりする。そういう新しい潮流も面白いし、僕も最近少しずつ試している。

次回は、そんな「AIまかせ」の新しい現像スタイルなんかを取り上げられたらいいなと思っている。というわけで、僕の「家族写真をどう整理しているか」ワークフローの紹介はこれにて終了。気が向いたら、ぜひ何かヒントを拾ってもらえたらうれしい。

(2025年2月23日)


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