見出し画像

マブラヴオルタ世界の京都

今回はマブラヴの世界観について、細かいなと思った点を紹介したい。テーマはオルタ世界の京都である。

オルタ世界では歴史が現実の日本と異なっており、1998年まで首都が京都のままであった。その他あらゆる歴史的背景や、世界情勢の違いが反映されているのだと思うが、トータルイクリプスに収録されている1997~98年の京都を舞台にした「帝都燃ゆ」で見られる京都の町並みは現実のものと異なる点が多い。

トップ絵の画像は帝都燃ゆで使われている97年当時の京都の様子である。戦術機の発着陸が可能な基地が町中にあるなど、時代背景をベースにした大きな違いには目が行くが、他にも細かい差が見て取れる。後述する理由により、鴨川に掛かる四条大橋であることが分かるが、京都に行ったことがあれば、現実の四条大橋とは形が違うことが分かるかも知れない。また、今では走っていない路面電車が走っていることも、画像やゲーム中の様子から伺える。

四条大橋の場面で使われる画像は以下のものである。

オルタ世界の四条大橋

実はこれ、1940年代に架け替えられる前の四条大橋そのものである(だからこそ、トップ絵が四条通りと鴨川の交点だと分かる)。現実世界では治水上の理由などから今の橋に変わっているのだが、オルタ世界ではそれ以前のままであることが分かる。また、上記の路面電車についても、現実世界では1970年代に運行終了しているが、オルタ世界ではいまだに使われていることが分かる。

このような違いはオルタ世界における京都の重要性が反映されているのだろう。オルタ世界においては伝統的な武家社会や尊皇思想が色濃く残っており、その中心として京都という街の価値は現実よりはるかに高かったと思われる。それゆえに、伝統的な部分を可能な限り変えない街づくりが行われていたし、伝統を残すことを重視してきたという現れだろう。また、これは完全に想像の範疇だが、オルタ世界においてはBETA侵攻によって中東の石油生産が減少しているという記載があるため、現実世界ほど自家用車の普及は進んでおらず路面電車の需要が高いまま残っていたという可能性も考えられる。

いずれにしても、90年代における京都の情景をこのように描写し、その背景を考えさせてくれるマブラヴという作品の奥深さはさすがである。

※画像等を使用する場合の著作権はaNCHOR二次創作ガイドラインに準拠しています。 ©Muv-Luv: The Answer

いいなと思ったら応援しよう!