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#12 クレジットカード番号の体系とBIN


はじめに

これまでクレジットカードの仕様や仕組みについて説明してきましたが、今回はカード番号の体系について触れておこうと思います。カード業界に関わるのであれば最低限知っておきたい点と、知っていると語れる雑学になるかなと思います。

ちなみにカード(板)の仕様はこちら↓

決済の仕組みはこちら↓

クレジットカード番号の体系

クレジットカード番号というと「4桁-4桁-4桁-4桁」の16桁を思い浮かべる人が多いと思いますがこの体系は以下のイメージでISO(ISO/IEC 7812)で定められています。

クレジットカード番号の体系

MII(主要産業識別子)

1桁目は「MII(主要産業識別子)」というもので、VisaやMastercardなどの国際ブランド付のクレジットカード(デビットカード、プリペイドカード含む)は3〜5が使われています。(0は未使用、1・2は航空業界用、みたいになってます)

3〜5は国際ブランド別に以下のように割り当てられているので、ここだけで概ね国際ブランドが見分けられます。

3:JCB、AMEX、Diners
4:Visa
5:Mastercard

持っているカードを確認してみてください。Visaであれば必ず「4」から始まります。

BIN(銀行識別番号)

この1〜8桁目がカード発行会社に割り当てられる番号となります。これは国際ブランドがカード発行会社(ISS)に割り当てるもので、BINの単位にプロダクト(クレジットなのかデビットなのかプリペイドなのか)も決められます。

カード会社や加盟店ではカードの取引に際に、BINで自社のカードの取引なのか、他社のカードの取引なのか等を判定することが非常に多いです。加盟店によってはBINを判定して特定のカード会社の場合に割引を入れる、みたいなこともしています。

実はつい最近までBINは6桁で割り当てられてたので、実際は現状も6桁を見ればそのカードの発行会社はほぼ判断できます。カード番号は長い間枯渇するという問題を抱えていてISOによりBINを8桁化する対応が取られ、国際ブランドがより細分化した管理ができるようになりました。BINの8桁化については加盟店側のシステムにもインパクトがあるのでカード会社なども案内を出して啓蒙しています。

Squareさんの説明がわかりやすのでご参考でリンクを貼っておきます。

チェックデジット

最終桁はCD(チェックデジット)になっています。これは入力されたカード番号が、そもそもカード番号として有効なものなのかを確認するために用いられれます。クレジットカード番号を扱うシステムでは必ずチェックデジットをチェックすることで有効なカード番号なのかをチェックしています。

例えばインターネットショッピングの際に適当な番号を入れてもまずはここで弾かれることになります。

チェックデジットの算出にはLuhnというアルゴリズム(=モジュラス10)が使われています。1桁目からCDの手前の桁までの数値でCDが決まります。イメージは以下の通りでこの場合のCDは「1」となります。

チェックデジットのイメージ

チェックデジットは割と一般的に使われているもので、運送業界の伝票番号(追跡番号)なんかにも使われてます。適当な追跡番号を入れたら無効な番号ですとなるのはチェックデジットがあるからとなります。

まとめ

クレジットカード番号には決まった体型があり、これを扱うシステムはこの体系に沿って様々なチェックをしています。

現在カード発行会社(ISS)が新しく国際ブランドから割り当てられる番号帯は頭8桁のBIN単位で割り当てられます。そのため実際にISSが自由に採番できる範囲はCDを除く9桁〜15桁となります。ISSもより厳格な管理が求められています(無駄打ちはできるだけしないように)。


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