リセット

連休は、真っ白な世界のグランピング旅行に感動した。
スノボで雪山に行くけど、賑やかで派手めな音楽が溢れるゲレンデとは違って、何組か限定の静かな山の中で休日を過ごした。

お風呂に入っている時、「何をずっと悩んでいるのか」と聞かれた。
旅行が終わってから話すつもりだったけど、一人でいる間ぐるぐる考えていたことと今の気持ちを話した。

レオの悩みの8割はたぶん悩まなくてもいいこと、1割は悩むこと、1割は俺には話せないこと。
8割をなるべく減らして、1割は一人で膨らませないで話したくなったら話せばいい、残りの1割は自分で抱えるしかないから頑張れ。

彼氏は全部わかっていたような口調だった。
今回は8割のやつだからもう終わりにしろ、と久しぶりに肺が潰れるほど強く抱きしめられた時、喉の奥に引っかかっていたトゲトゲしたものがコロンと出てきたような気がした。

付き合っていくなかで、変わっていく自分や生活や周囲との距離感に戸惑い、成長して解決して早く前に進まなければいけないような気持ちに追い立てられていた。
だけどそれについていけず、自分だけが取り残されていく焦燥感と混乱に飲み込まれてしまった。

その後、彼氏にも出張中いろんな気持ちがあったことを話してくれた。

今までで一番行きたくない出張だった。
引っ越しがあったしレオは元気ないし、離れているのが不安だった。
週末に帰ってきてもゆっくり話ができなくて、出張先に戻る新幹線はいつも気が重かった。
もうあんな気持ちで新幹線に乗らなくていいと思うとホッとしている。

彼氏は部屋の片付けのために帰ってきているのだと思っていたけど、半分は俺のために帰ってきてくれていた。

翌朝、早起きして建物の外に出て大きく深呼吸したら、体中に冷たくて清々しい空気が入ってきて、自分をリセットしてまた一からはじめられそうな気がした。
自分たちしかいない敷地内を手をつないで散歩して、たくさん写真を撮った。

雪だるまは2人ともうまく作れなかった

家に帰ってきてから、教室で作った名刺入れをバレンタインのプレゼントとして渡した。
「何もなかったから忘れられたんだと思ってた、頑張って作ってくれたから遅くなったのかー」と喜んでくれたけど、実はクリスマスプレゼントにと考えていたのがここまでかかったとは言えず、苦笑いでごまかした。

来年の冬もまたグランピング旅行したい。


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