キスマ
昨日の夜、先に帰ってきて晩ご飯作ってたら、残業して帰ってきた彼氏が何を作ってるのか確認しにキッチンに入ってきた。
毎日蒸し暑いから、さっぱりメニューにしたよと話したら、いいねーとニコニコしてたのに、俺を見ていきなり腕を掴まれてリビングのソファに座らされた。
俺の喉元を黙ってじーっと見て、「ここ何かした?」と指さして聞かれた。
鏡で見たら、喉の下にキスマみたいな赤い跡がついていた。
よく見たら、その前日にパーカーのファスナー上げたときに首の皮を挟んでしまった跡だった。
説明して、「これはキスマじゃない、もし浮気してこんな分かりやすいところについたらちゃんと隠すよ」と笑ったら、その場で服を脱がされて全身確認された。
最近はそれほどでもなくなったけど、以前のTはキスマつけたがりで、見えるところは禁止というルールにしていた。
それでもかなりきわどいところを攻めてくることも多かった。
結局昨日の夜は、風呂上がりに体中にキスマをつけられてしまった。
「そもそもあの跡を見た時、自分がつけたキスマだとは思わなかったのか」と聞いたら、「自分がつけたかどうかくらいわかる」と鼻で笑われた。
夏はノーネクタイで首元緩めたいからやめてほしいし、鼻で笑うのもムカつくからやめてほしいと真剣な顔で話したけど、自分のキスマの出来を眺めて、「ここがハートっぽくなってる」とスマホで撮って喜んでいた。
こういうところが理解できない。
その結果、今日は首までボタンをきっちり閉めて仕事して、みんなに「暑くないの?」と聞かれるはめになった。