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朝野
2024年6月23日 22:14
全て我が手中に冷えた空気が朝の雪山に浸透する。昇ったばかりの朝日が白雪の肌を仄かに温めていく。そして薄橙の光の帯が青白い地面を横断していく。その様は毎日見ても飽きることなどなく、時を忘れたかのように見つめてしまう。「……綺麗だろ」「お、起こしたか」「いや」背を隠す金糸のような髪をさらりと片側の肩に束ねて避けると、晒された肩に手をつきハーゲルも洞の外を見つめる。「全ての時が止まっ