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坐禅の先にあるもの
坐禅を今回は「本場」お寺でやってみたかったのだ。
家でもやれるが、違った環境で「さあ、やるぞ」と少し気持ちを変えたかったのもある。
なにより、あのお寺でしか味わえない感覚が好きなのだ。
お寺に入った瞬間のあの凛とした空気は何なんだろうか。畳の上に座った途端、「これは…もはや坐るだけで心が正されるのでは?」とすら思える。
で、座り始めてみると、「今日はどんな気分になるんだろうなあ」とか、ふわふわ期待したりする。
お坊さんがなんか話してくれるのもありがたい。言葉が綺麗で耳も喜ぶ。
いざ坐禅が始まると、家で坐禅してるときとは違う静寂があり、かえっていろんな音が耳に入ってくる。車の音や学校からの帰り道であろう子ども達の声。
途中、何度か意識を手放し夢の世界に行きつ戻りつ。
お坊さんに木の板(警策きょうさく・けいさく)で途中叩いてもらうと、「体の力を抜いて」と言われ、ここ最近体が知らずのうちに緊張していたことに気づく。
坐禅の時間が終わった後、なんとも言えないすっきり感が押し寄せてきた。普段、頭の中が一瞬たりとも休んでいないことを思い知らされる。家での坐禅もいいけど、こういう“よそ行き”の環境に来ることで、また気づきは増えると思う。
私は今回、この「お寺での坐禅」を、自分の生活のリセットボタンにしたいと思った。毎月時間をとって、体と心をしっかり整える場所にしようと。
忙しいって思ってる人こそ、ぜひお寺で坐禅を体験してほしい。黙ってじっとしてるだけでも、頭の中は絶えずおしゃべりしっぱなしなのがよくわかるだろう。心の声を聞けるような「静かになる時間」ってのが、どれだけ貴重かがわかるはずだ。
そして、きっとその時間はあなたの生活に新しい風を入れてくれる。