マスク

実家から封筒が届いた。ポストから取り出し、びりっと開けると中からはジップロックに入ったマスクが15枚。昨今の状況を鑑みた暖かい仕送りだと思い、母親に感謝の言葉をラインで送る。ここまで違和感は全くなく家に入った。

改めて思い返すと違和感を覚えなかったことに違和感を覚える。未だかつて、マスクだけを親が送ってくることなんてあっただろうか。そしてそれを当たり前のように受け取ってしまうことなんて、数年前の自分にできただろうか。いかにここ最近が、過去と比べて不思議な状況の中にあるのか、そしてその状況に自分がだんだんと慣れてしまっているのを、自身の行動を持って思い知らされた。

国のトップダウンでのマスク転売規制もあり、そのうちマスク強盗とかレターパックでマスクは送れませんとかでてくるのだろうか。下手したらマスクが通貨になる時代が来てもおかしくないのかもしれない。もしかしたら、社会構造がマスクによって抜本的に変わる大転換期にさしかかっているのだろうか。

話が膨らみすぎた。しかし、届いたマスクはなかなか手に入りにくくなっているであろうことには変わりはない。優しさや心配がこもっている立派な贈り物だ。マスクに親心を知らされる日が来るとは思わなかった。大事に使おう。

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