【初~中級者向け】ボムドラパのプレイング講座(第1回)
今回からいよいよプレイングについての議論に入りますが、今回は少し概念的な話からしていきたいと思います。
1.デッキリスト
まず、私が解説するプレイングの前提としているリストはこちらになります。
ちなみに、私がシティリーグで使用したリストは、ハイパーボールの3枚目がふしぎなアメの4枚目でしたが、アメから進化する回数も以前より少なくなったため、こちらの方が良いと思います。
スボミー環境になって何が変わったか?
・ロトムVの採用枚数の減少
・ドロンチの採用枚数の増加
・ワタルの採用
・エヴォリューションの採用
その全ての理由に共通することは、「スボミー」の登場により、ドラパルトが「ふしぎなアメ」を使用しなくても、「ドロンチ」を経由して進化する時間的猶予を獲得したことと、相手の「スボミー」に対して展開が遅れないように対策していることに起因しています。
以前の環境では、タケルライコやレジドラゴ、リザードンに対して、先攻3ターン目、後攻であれば2ターン目にファントムダイブを宣言できなければサイドレースで間に合わないことが多く、タケルライコに至っては後攻1ターン目でサイドを詰めてくるため、先攻2ターン目のファントムダイブが必要でした。その速度に合わせるために「ロトムv」や「ふしぎなアメ」が十分に積まれていました。
それが、「スボミー」の登場によって、ファントムダイブの宣言ができないときにグッズロックによって1ターンをもらったり、そもそもミライドンを除く環境デッキ全体の速度が落ちたりしています。そのため、「ドロンチ」にいかにアクセスできるかを重視した構築になっています。
この「ドロンチ」はデッキを回す上で非常に重要な役割を持っていますが、それはまた後ほど説明するとしましょう。
2. なにを目標とするのか??
2.1ゲームに勝つために必要なファントムダイブの回数とは
ボムドラパというデッキの1番の強みはやはり、「自分の好きな所にダメージを乗せられる事」でしょう。
「ドラパルトex」の持つ技ファントムダイブはもちろん、「ヨノワール」や「サマヨール」の持つ特性カースドボムに加えて、「かがやくフーディン」の持つ特性ペインスプーンも好きな所にダメージを乗せる上で非常に大きな役割を果たします。
ところで皆さんは、一度の対戦で自分が相手のポケモンに与える総ダメージ量を考えたことがあるでしょうか。
これは私がこのデッキを使ってる中で、対戦が始まった際に1番最初に考える事の1つです。
例えば
相手がたねのポケモンexやポケモンVを主軸としているデッキの場合、サイドを6枚取りきるには平均HPが200~210のポケモンを3匹倒すことになるでしょう。その場合の総ダメージ量は600~630になります。
例えば
相手が2進化のポケモンexを主軸としているデッキの場合、HP70のたねポケモン2匹と、HP300以上のポケモンex2匹を倒そうとした場合、総ダメージ量は最低でも740が必要になります。
ここで、このデッキが与えられるダメージ量を計算してみましょう。
技ファントムダイブ1回では、バトル場に200ダメージとベンチの好きな所にダメカン6個で、総ダメージ260が出ます。
サマヨールのカースドボム1回では50、ヨノワールのカースドボムでは130のダメージ。
フーディンのペインスプーンはダメカンを移すので、新たなダメージを産むことは出来ません。
これらを組み合わせると、ゲーム中に
ファントムダイブ2回とカースドボム(ヨノワール)で
260×2+130=650のダメージ
ファントムダイブ3回で
260×3=780のダメージ
が出ます。
つまり、相手がたねのポケモンexやポケモンVを主軸としているデッキの場合には、「ヨノワール」のカースドボムを絡めればファントムダイブを2回撃つだけで十分なダメージであり、反対に相手が2進化のポケモンexを主軸としたデッキの場合は少なくとも3回のファントムダイブが必要という訳です。
ということは、相手がたねのポケモンexが主軸のデッキの場合は、相手がサイドを取りきる前(カースドボムを使うので4枚までは取られても良い)に、ファントムダイブを2回宣言できるように、「ドラパルトex」を1匹、場合によっては2匹育てることが目標であり、2進化ポケモンex主体のデッキには、ファントムダイブを3回宣言できるように、「ドラパルトex」を(だいたいの場合)2匹育て、状況に応じてヨノワールを育てることが目標になります。
そしてこの目標達成期限は、「相手がサイドを取りきる前に」です。当たり前のことですが、ポケカの勝利条件は相手より先にサイドを6枚取りきることです。つまり、相手にサイドを5枚(カースドボムを絡める場合は4枚)は取られても大丈夫なのです。それまでに自分が必要な総ダメージ量を与えられるよう、自分の手札と山札をフル活用して盤面を作っていくことを心掛けてみてください。
2.2 ファントムダイブってどこに撃つの?
これまでゲームに勝つために必要な総ダメージ量の話をしてきましたが、その計算は「ダメージを過不足なく相手のポケモンに与えていること」が大前提となっています。
例えば
相手のバトル場の「イキリンコex」に対してファントムダイブを宣言した場合、ダメージは200与えられますが、「イキリンコex」のHPは160なので、その差の40のダメージが無駄になってしまいます。
相手のデッキや盤面にもよりますが、この40ダメージのロスによって勝つために必要なファントムダイブの回数が1回多くなることもあります。
そのため、相手のベンチポケモンや、相手のデッキに入っているであろう「いれかえカート」や「勇気のおまもり」、「フトゥー博士のシナリオ」等、ダメージ量をずらすカードを考えながら、どのポケモンに対してファントムダイブを宣言するかを考えながらプレイすると良いでしょう。
そんな都合よく相手のバトル場のポケモンを操作できるの??
ファントムダイブを宣言する際の相手のバトルポケモンを考えるようにと言ってきましたが、相手のバトルポケモンを選ぶのは当然相手であり、そんな都合よくファントムダイブを撃ちたいポケモンをバトル場に出してくれていることも少ないでしょう。
その場合は相手のベンチポケモンをバトル場へ呼び出す必要があります。そしてこのデッキのベンチ呼び出し手段は「ボスの指令」が1枚と「カウンターキャッチャー」が2枚です。これらを駆使して撃ちたいポケモンにファントムダイブを宣言することになります。ですが私の経験上、過不足なく相手のポケモンにダメージを与えるために必要なベンチポケモンの呼び出しは1回では足りず、複数回の呼び出しが必要になります。つまり、1枚「ボスの指令」に加えて、「カウンターキャッチャー」を1回もしくは2回使用できる状況を作っておく必要があります。(余談ですが、私は最初の山札確認の際に「ボスの指令」と「カウンターキャッチャー」の枚数を真っ先に確認しています。)
そのためには、不用意にサイドレースを先行せず、「後で倒せるポケモンは今倒さずに残しておく」プレイングを意識してみると良いでしょう。具体的にどこから倒すか等は各対面でのプレイングで触れることとしましょう。
今回は勝つために必要なファントムダイブの回数と撃ち先についてお話しましたがいかがでしたでしょうか。当たり前のことを述べている部分も多いですが、これを十分に理解してプレイングを意識することでかなり勝率は変わってきます。
次回ももう少し一般的な話が続きます。(各対面でのプレイングをお待ちの方はもう少々お待ちください。)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、デッキの回し方編でお会いしましょう。