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#26 シベリア鉄道 後編 【ロシア横断の旅】
こんにちは。leoです。
ロシア横断の旅、前回からシベリア鉄道について投稿しておりますが、
今回もシベリア鉄道、3日目以降の様子を書いていきます。
【3日目】
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3日目の朝、2,300kmほど進んだモゴチャ駅に着きました。
このシベリア鉄道には様々な人が乗車していました。給湯器近くの廊下で車窓を眺めていたら、コップを持った赤ちゃんが私の方に向かって来ました。急に近づいてきて可愛かったので、撮ってしまいました。私の乗っていた2等車は4人1室なので家族連れの移動に向いています。
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食事以外の部屋での過ごし方ですが、ベッドで音楽を聞いたり、ダウンロードした動画を見ていました。ただずっと横になっているのも体に悪いので、下の人の様子を伺って、下段に座ったり、廊下でも携帯を充電できるので車窓を眺めたり、駅停車時には積極的に外に出ていました。ただ車内用のサンダルで長時間外にいるのはキツかったです。
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3日目の昼頃、2,500kmほど進んだチェルニシェフスク駅に着きました。
バレリー
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2日目の朝にハバロフスクから乗車してきた、バレリーという私の下の席のロシア人と話すようになりました。下段にいるので、食事をするために話しかけたのがきっかけでした。ただこの旅行で出会ったロシア人の多くが英語が苦手で、初日に共に車内食を食べた人ともGoogle翻訳を使いながらコミュニケーションをとっていました。バレリーとのやりとりもGoogle翻訳は必須でした。
3日目の朝に「доброе утро(ロシア語でおはよう)」と言ったら、笑って返事をしてくれました。バレリーは電子書籍を愛用していて、頻繁に横になっては読書をしていました。日本の漫画のBLEACHを知っているらしくて、その話で盛り上がったりもしました。私のロシア旅について話すと、「北極圏の街ムルマンスクに興味があるから、写真をインスタに上げてね」と言われました。私が持っていたブラックサンダーやどら焼きなどをあげると、サラミやツナのパテ、チョコバーなどをくれるなど、お互いの食べ物を渡して交流していました。「食事を楽しんで」と食事中に日本語で言ってくれたのですが、だいぶ前から翻訳していたみたいで、その懸命さが伝わり、バレリーの真面目な人柄が垣間見えました。
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車内にはコロナ対策の案内が貼られていました。ウラジオストクではコロナに関することを見かけなかったので忘れかけていましたが、私を含め車内の人はコロナを気にしている感じはありませんでした。
【4日目】
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4日目の朝、3,300kmほど進んだウラン・ウデ駅に着きました。
ここはモンゴルの首都ウランバートルから陸路で越境できる大きな街です。また、「シベリアの真珠」と呼ばれる「バイカル湖」の東側に位置する街でもあります。バイカル湖は世界一の透明度、水深約1,700mと世界一の深さ、約2,500万年前に形成された世界一の古い湖としても有名な世界遺産の湖です。
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朝食後、下段でコーヒーを飲んでたら、バレリーから「明日の朝に降りるからインスタを教えてくれ」と翻訳を見せられたので、アカウントを教え合いました。「ムルマンスクの写真を見たいから上げてくれよな」と改めてリマインドされました。
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4日目の夜、4,000kmほど離れたジマ駅に着きました。
ジマ駅の売店の写真を撮っていたら、私に気づいた陽気な酔っ払いが映り込んできました。親指を立てたジェスチャーで返しましたが、話しかけられることはなく、彼は3等車の入り口に戻っていきました。
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車内に戻り、ご飯を食べようとバレリーに「席座っていい?」と聞いたら、「もちろんいいよ」とそんなこと聞くなよみたいな感じで返されました。許可なんか気にせず自由に食ってくれよ、と仲良くなれた気がして嬉しかったです。
【5日目】
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5日目の朝、4,800kmほど進んだクラスノヤルスク駅に到着しました。
シベリア地域で3番目に大きな都市ということもあり、これまでの駅と比べてもかなり都会的なつくりで駅前も栄えていました。
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クラスノヤルスク到着直前、バレリーから「ムルマンスクの写真を楽しみにしてる」と何度も言われことを改めて言われ、持っていた食料を私にくれました。「ありがとう。インスタみてね。旅を楽しんでね。」と伝えると、「サンキュー」と返してくれ、グータッチして別れを告げました。
「美味しいカスタードだよ!」と勧められた、苺と牛乳の絵が描かれた袋をお湯で溶いて飲んでみたら、オートミールの様な味であまり美味しくなく、ホットミルクで飲むものなのかなと思った。
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バレリーと別れて以降、母娘の親子と親族のおばさんの3人と同部屋になりました。下の席に来なよと促されて座っていましたが、当然ロシア語で話しているので、会話に入るわけでもなく、ただ景色を見ているだけでした。
【6日目】
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6日目の朝、6,900kmほど進んだチェメニ駅に到着しました。
停車時間が20分ほどあり、インスタント麺にも飽きてきたので、駅の売店にピロシキを買いに行きました。ピロシキはパン生地に具材を包んで油で揚げるか焼いたロシアの伝統的な家庭料理です。売店の人に「ピロシキ」と伝えると「3種類あるよ」って言われ、見た目で選んだら、200R(322円)とやや高めのピロシキでした。温めてくれたピロシキを受け取ったら結構重量感があり、食べてみると中には野菜や鶏肉が入っていて、ボリュームもあり美味しかったので妥当な値段でした。ただ、「これはハンバーガーもしくはサンドウィッチではないか?」と疑問が湧きました。
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6日目の昼頃、7,200kmほど進んだエカテリンブルク駅に到着しました。ここはロシア4大都市の一つともいわれる街で、駅も大きかったです。
食堂車
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シベリア鉄道乗車の記念に、「一度は食堂車に行こう」と思っていたので、降車前日に行ってみました。食堂車の席は多くありましたが、利用者は2組しかいませんでした。久しぶりにお酒を飲もうと思い、メニューにあった一番安かったビール(200R:322円)とビーフストロガノフ(780R:1,255円)を頼みました。ビーフストロガノフは牛肉と玉ねぎやマッシュルームを炒めてスープで煮込み、サワークリームを加えたロシアの伝統料理です。事前に「食堂車は値段は高めで提供の時間もかかる」という情報を得ていて、その通りだったのですが、付け合わせの細切りのポテトとピクルスを含め、味付けはとても美味しかったです。
食堂車で同い年の日本人学生と出会いました。イルクーツクからモスクワまで3等車に乗車していて、ロシア旅行のきっかけや身の上話などで盛り上がりました。食堂車は混むことがないので2時間近くいた気がします。
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最後の夜にもなると地図上でもかなり近づいていて、モスクワ到着が現実的になっていました。最後の夜には持参したペヤングを食べましたが、日本のインスタント麺のレベルの高さに改めて気づきました。
【最終日】
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最終日の朝、コーヒーを飲もうと給湯器の前に行ったら、乗務員さんが「ようやくモスクワ到着よ!」と明るく話しかけてくれました。
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13時過ぎ、車内最後の食事と身支度を終え、廊下で景色を眺めていました。ロシアの首都であるモスクワといえども、その郊外はだいぶ荒れていて、豊かな印象はありませんでした。
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14時頃、終点であるモスクワのヤロスラブスキー駅に着きました。
ずっと愛想の良かった乗務員さんから、降車時に「до свидания(ロシア語でさようなら)」と言われ、名残惜しくも気持ちよく電車から離れることができました。
以上がシベリア鉄道の思い出になります。
今後、1泊2日の短距離乗車や1等車への乗車には挑戦してみたいですが、ウラジオストクからモスクワまでフルでシベリア鉄道を乗ることはないと思います。そんな心持ちですが、今回の経験を私の中でとても大事にしています。現在、ロシアに旅行することは難しいです。仮に旅行できたとしても、貴重な連休のほとんどを移動日に費やすということは中々できないことです。簡単に経験できることではないからこそ、シベリア鉄道旅の7泊8日は貴重な思い出になりました。
同時に世界情勢は変わりやすく、行きたい国にいつ旅行できなくなるかわからないので、行ける時に行っておくべきです。コロナの渡航制限直前でロシアに行けましたが、コロナが落ち着いた今でも、ウクライナ侵攻問題でロシアへの渡航は難しく、いつ安全に旅行できるかわかりません。行きたい(行ける)時がベストタイミングだと気づかせてくれたロシア旅は、私の価値観を変え、私が仕事を辞めてまで海外生活を志すきっかけにもなりました。
次回は、電車で8日かけて訪れた首都、モスクワについて投稿します。
今回の支出
ピロシキ:200R(322円)
ビール&ビーフストロガノフ:980R(1,585円)
合計 1,180R(1,907円) ※レート 1R = 1.61円
ロシアでの合計 23,211R(38,973円)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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