毎日、毎日、音や響きを感じてくらす。
北鎌倉は、春から夏にかけて蛙の鳴き声が、そして鶯も。夏は忙しく多くの鳥の囀りが。そして夏の終わりには秋の虫たちが。一年を通して竹の笹が風で揺れる音が。私の心に届きます。
そうしていると、音階や音色という概念から解き放たれて、ただ、こうして時間が過ぎていく事への清々しさであったり、ただ陽だまりを感じられる幸福であったり。
そういえば、私がまだ北海道に住んでいる頃、冬が楽しみで仕方がありませんでした。ストーブの心地よさと匂いや音であったり、雪が降れば、降り注ぐ音であったり、サクサクと積もった雪を踏んでみたり。
空を見上げれば、冬の空は夏の空よりよく見えて、よくオリオン座を眺めていたものです。チラチラ光とチラチラが音となって密かに響いているのを感じました。
私たちの、この世界はきっと、そうした音の奇跡で出来ているのだと思います。