外国人枠のお話(Jリーグ、ACL)
JリーグとACLの外国人枠についてまとめました。
外国人枠は国や大会によって異なります。
Jリーグの場合
2022年現在、Jリーグの外国人枠は「5」です。(J2・J3は「4」)
上記は外国籍選手が試合に出場できる上限人数です。チームに登録する人数については制限はありません。
また以下のような例外があります。
Jリーグ提携国枠
タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの8カ国の国籍の選手は外国人枠に含まれません。日本人と同じように何人でも出場できます。
外国籍扱いしない選手(在日枠)
「日本で生まれ」かつ「日本で義務教育中であるか日本の義務教育を終了したか日本の高校・大学を卒業した」選手は外国人枠に含まれず、チームに1名のみ登録できます。
ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の場合
2022年現在、ACLの外国人枠は「3+1」です。
外国籍選手が3人とアジアサッカー連盟(AFC)登録国籍選手が1人出場することができます。チームに登録する人数については制限はありません。
ただし、2023年から緩和されて「5+1」になる予定です。
外国人枠の違いによる弊害
現状JリーグとACLで外国人枠に違いがあるため、Jリーグで出場している外国人がACLでは同時出場させられないという弊害が生じています。
例えば2020年のACLに出場した横浜F・マリノスには以下の7人の外国籍選手が所属していました。
Jリーグでは主にパクイルギュ、ティーラトン、マルコス、チアゴ、エリキ、ジュニオール・サントスの6人が出場していました。
(外国枠5+提携国枠1)
ただ、2020年のACLでは大会登録も「3+1」だったので、結局ティーラトン、マルコス、チアゴ、エリキが登録され、パクイルギュ、エジガル、ジュニオール・サントスの3人は登録を外れました。
問題となったのはアジア枠で、ティーラトンについてはJリーグでは提携国枠で外国人枠に含まれなかったにもかかわらず、ACLではアジア枠として扱われます。そのため、アジア枠をティーラトンとパクイルギュどちらかにしか使えなくなりました。結局、これに外れたパクイルギュがACLに出場できませんでした。
この結果、パクイルギュはシーズン終了1か月前という異例の時期にサガン鳥栖に期限付き移籍し、シーズン終了後に完全移籍しました。
エジガル・ジュニオもV・ファーレン長崎に期限付き移籍し、シーズン終了後に完全移籍しました。また、ジュニオール・サントスは期限付き移籍加入だったので期間満了で退団となりました。
結果的にACLに出場した4選手は次のシーズンも引き続きマリノスでプレーし、登録を外れた3選手は退団しました。もし、この3選手が大会登録できていれば退団しなかったのではないかと思ってしまいます。
では2022年のACLは
2022年のACLは前述したとおり「3+1」ですが、大会登録に制限はありません。そのため、大会にはチームに所属する外国籍選手全員を登録して、試合ごとに出場する3人+1人を選択することができます。
ただ、今回の大会では外国人枠とは別の問題が1つあります。それは決勝が2023年2月に開催されるということです。つまり、準決勝までは2022シーズンに行われ、決勝だけが2023シーズンに行われるということです。これはACL自体が秋春制に移行することを意味しています。
Jリーグなど春秋制のリーグにとってはシーズンを跨ぐため選手の契約問題が出てきます。準決勝までに出場していた選手が移籍、退団により出場できない可能性が出てきてしまうのです。せっかく決勝まで勝ち上がっても決勝戦に出れない可能性があるというは、選手たちのモチベーション的に少し微妙ですよね。
2023シーズンからACLの外国人枠も「5+1」になることで、外国人枠問題は解決されそうですが、秋春制という別の問題が浮上しています。この辺りについてはJリーグの秋春制への移行というテーマで別に記事を書いてみたいと思います。
それではこの辺で失礼します。
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