Jリーグ経由せずにヨーロッパ行ってみたら
チェイス・アンリが高校卒業後Jリーグを経由せず、ドイツのシュツットガルトに移籍することが2022年4月7日に発表されました。それだけ実力が認められているということですが、過去にもJリーグを経由せずにヨーロッパのクラブに移籍した選手たちがいました。彼らのその後をまとめてみました。
平山 相太
国見高校→ヘラクレス(オランダ)→FC東京→ベガルタ仙台→引退
国見高校在籍時、高校選手権で2大会連続得点王という偉業をやってのけ、高校卒業後Jリーグ入りはせずに筑波大学へ進学。大学在学中にオランダのヘラクレスへ移籍し、その後大学は自主退学しました。ヘラクレスでは1年目は活躍したものの、2年目は構想外となり退団、帰国してFC東京に入団しました。
その後10年に渡りFC東京でプレーしましたが、高校時代に期待されたような活躍はできず2017年にはベガルタ仙台へ移籍します。移籍後のシーズン当初に怪我をしてしまい、そのシーズンは出場0に終わります。シーズン終了後現役引退しました。
未来の日本代表として期待された大型FWでしたが、海外、Jリーグを通して結局最後までその才能がプロの世界で花開くことはありませんでした。現在は筑波大学蹴球部でコーチをしています。
伊藤 翔
中京大中京高校→グルノーブル(フランス)→清水エスパルス→横浜Fマリノス→鹿島アントラーズ→横浜FC
中京大中京高校時代にイングランドのアーセナルの練習に参加し、高い評価を受けました。高校選手権では結果を残せなかったものの、高卒でフランス2部のグルノーブルへ入団。しかし、4シーズンの在籍中ほとんど出場機会は与えられず、帰国して清水エスパルスに入団しました。
その後、横浜Fマリノス、鹿島アントラーズ、横浜FCと渡り歩いていますが、得点数が2桁に届くシーズンは無く期待されたような活躍はできていません。松本山雅FCへのレンタルを経て2022年現在も横浜FCでJ2リーグでプレーしています。
こちらも高卒即欧州移籍したことで、かなり期待されましたが、海外では芽が出ず帰国しています。Jリーグはそれなりの結果を出していますが、日本代表に呼ばれるような活躍はできていません。
宮市 亮
中京大中京高校→アーセナル(イングランド)→ザンクトパウリ(ドイツ)→横浜Fマリノス
中京大中京高校時代にイングランドのアーセナルの練習に参加し、高い評価を受けます。高卒でアーセナルに入団しますが、すぐにオランダのフェイエノールトへレンタル移籍します。
その後もアーセナルから他クラブへのレンタル移籍を繰り返しますが、度重なる怪我のため思ったような活躍はできず、2015年にドイツのザンクトパウリに完全移籍します。ここでも怪我が多く活躍はできずに、2021年に帰国して横浜Fマリノスに入団。現在もマリノスでプレーしています。
宮市は平山、伊藤と違ってヨーロッパで10年近くプレーしました。能力(スピード、突破力)に疑いの余地はありませんが、度重なる怪我のため1シーズン通して満足な活躍を見せることができていません。
チェイス・アンリ
尚志高校→シュツットガルト(ドイツ)
中学から本格的にサッカーを始め、尚志高校に進学。CBとして急成長を遂げ高校在学時にU-17やU-20、U-22の日本代表に選出されました。また海外クラブチームの練習にも参加していました。高校卒業後の進路が注目されていましたが、国内クラブには入らずシュツットガルトに入団することが発表されました。
高卒即海外組となったチェイス・アンリですが、まずはドイツ4部に所属するシュツットガルトのセカンドチームでプレーすることになるようです。ちなみにシュツットガルトには遠藤航や伊藤洋輝も所属しており、日本人にとっては馴染みやすい環境でもあるようです。
身長187cmという大型のCBとして将来の日本代表入りが期待されますが、技術的な部分はまだまだ改善の余地があり、これからどこまで伸びるのか注目されます。まずはセカンドチームで活躍して早くトップチームでの出場機会を得ることが目標になります。
Jリーグを経由した方が良い?
チェイス・アンリはこれからとして、平山、伊藤、宮市については決して海外で成功したとは言えません。日本代表招集歴はあっても代表の中心選手として活躍はできていません。また、日本に戻った後で顕著な活躍を見せているわけではありません。
現時点ではJリーグを経由してから海外移籍したほうが成功するケースが多いようです。言語や食べ物、文化に違いが無い環境でプロの世界に慣れることができるのはやはりメリットだと思います。久保や中井のように10代前半で海外にわたるケースは別として、高卒ですぐ海外移籍するメリットは意外と少ないのかもしれません。
ただ、だからといってJリーグを経由せず海外クラブに入団することが悪いとも言い切れません。そもそも高卒時点で海外からオファーがある選手が稀なので、サンプル数が少なすぎます。彼らは先駆者であり、現時点でこのような進路を選ぶ選手に対しての評価を下すのは早いと思います。
先駆者たちがいればこそチェイス・アンリがシュツットガルトのトップチームや日本代表で活躍する可能性があるとも言えますし、それに続く選手はこれからも現れるでしょう。
とりあえずチェイス・アンリがんばれ!
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