ソニーα7C IIを1年使った感想—自転車撮影で感じたメリット・デメリット
こんにちは、自転車の写真をメインに撮っている万鈞です。基本的にはアテンダントの傍らで撮影するカメラ素人ですが、ソニーのコンパクトフルサイズミラーレス一眼「α7C II」を使い始めて1年が経ったので、レビューを書いてみたいと思います。
α7C II購入の決め手
これまでニコンのAPS-Cミラーレス一眼「Z50」を使用していましたが、α7C IIが私にとって初めてのフルサイズ機となります。
購入の動機は、より良い写真を撮るため。具体的には、画質の向上とオートフォーカスの精度を重視しました。当初はZ50と同じニコンでの買い替えを検討していましたが、ちょうどα7C IIが発売されたタイミングだったため、調べていくうちにこちらの方が自分に適していると判断し、購入に至りました。
α7C IIを選んだポイントは以下の通りです。
比較的手の出しやすい価格
最新の画像処理エンジンを搭載し、画質やオートフォーカスの性能が優れている
3300万画素と、多すぎない適度な画素数のセンサー
購入は公式ストアで行いました。理由は、保証が手厚い(延長保証あり)ことと、クーポンなどを活用すると価格コムの最安値とほぼ同額になったためです。一度不具合が発生して修理に出しましたが、購入から1年未満だったため保証が適用され、スムーズに対応してもらえました。
また、レンズキットではなく、以下のレンズをボディと同時に購入しました。
FE 20-70mm F4 G(SEL2070G):普段使い用。サイズ・価格・焦点距離のバランスが良い。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(SEL70200GM2):自転車レース撮影向け。F2.8通しの明るい望遠ズームで同クラスとしては軽量。
開封・初期印象
開封すると、APS-C機かと思うほどのコンパクトさに驚きました。SEL2070Gを装着するとバランスがよく、取り回しがしやすい印象です。
一方で、大きくて重いレンズを装着するとボディの小ささがマイナスに作用することも。特に、しっかりとグリップを握ろうとすると、意図せずボタンを押してしまうことが続いたため、ボタンの割り当てを変更して対策しました。
撮影レビュー
何度か練習したあと、2024年3月の宇都宮清原クリテリウムで本格的にレース撮影に投入しました。
このレースは短い周回コースを何度も回るため、撮影チャンスは多いものの、選手のスピードが速く人数も多くてオートフォーカスや連写速度が重要です。
撮影してみると、メーカーが異なることで多少の慣れは必要だったものの、それ以上にオートフォーカスの性能が優秀で、技術の未熟さをカバーしてくれました。
HEIFフォーマット
α7C IIはHEIFフォーマットでの撮影が可能で、JPEGよりも高画質でありながらファイルサイズが小さいため、連写時のバッファ詰まりにも強いというメリットがあります。
しかし、HEIFはAndroidスマホでは機種によっては閲覧できず、私のスマホでは対応していませんでした。これでは現地で速報写真をアップできないため、試行錯誤の末、中古のiPhone SEを購入し解決しました。
追加の出費にはなりましたが、これによりHEIFでも撮影後数分以内にSNSへ写真をアップできるようになりました。
JBCF弥彦ロードレースではE1でTRYCLEのE1/2でワンツーフィニッシュがありましたが、ゴールシーンを直後にツイッターへアップしたところフォロワー二桁のアカウントとは思えないPVがありました。写真の鮮度は大事ですね。
背負って自転車で坂を登るには重い
ゴールデンウィークには帰省に合わせて「俺たちの新潟ヒルクライム」が行われたのでα7C II+SEL70200GM2をバックパックに入れて背負い自走で山頂ゴール地点まで撮影に行ったりもしました。この際、普段よりかなり時間をかけて登ったのですが、帰宅後にバックパックを測ったら4キログラムもあり、登坂に苦労した理由がわかりました😇
1045グラムと同クラスの望遠レンズとしては軽量な部類ですが、背負って自転車で登るのには不向きでした。
機材レンタル
単焦点レンズやアップコンバータをレンタルしたこともあります。FE 300mm F2.8 GM OSS(SEL300F28GM)と2xテレコンバーター (SEL20TC)をレンタルした際のことを記事にしていますが、天候に恵まれず性能を十分に引き出せませんでした。特にSEL300F28GMはレンタル費用もなかなかの物だったので残念でした。
バッテリー運用
α7C IIは撮影しながらのUSB給電に対応しているので、当初は付属のバッテリー1個に必要なときはモバイルバッテリーから給電する運用をしていましたが、レース撮影をするとそこそこバッテリーの減りが速いのとケーブルのせいで取り回しが悪くなること、端子のカバーを開けることで水や埃の心配があったので予備バッテリーを買い増しています。
相互バッテリーは安価なものの、信頼性が不明なのでこれも公式サイトから購入しました。
メカトラブル
機材のトラブルは2件ありました。
1件目はボタンを押していないにも関わらず常時シャッター半押し状態になってしまいました。ネットで調べてみると、ソニーの別の機種で似たトラブルの報告があったのでメーカーへ修理を依頼、公式サイトでの購入かつ保証期間内だったことでスムーズに修理に出すことができ、持ち出しもありませんでした。
もう1件は撮影中にエラーが出てシャッターが切れなくなったケースでした。撮影中に土砂降りにあった際に起きたので、おそらくどこかでショートしたのだと思われます。持っていたタオルでカメラを拭いたり電源オンオフを繰り返していたら程なく復帰しましたが、残念ながら数分間撮影機会を逃してしまいました。帰宅後にカメラとレンズを清掃し、その後の再発はしていませんが防水は少々弱いのかなぁと感じています。
まとめ
1年間α7C IIを使用してみて、総じて満足度の高いカメラでした。特にオートフォーカスの性能は素晴らしく、動きの速い自転車レースの撮影で私の拙さを補ってくれました。また、HEIFフォーマットは少し使いづらい面はありますが、画質と連写性能を両立できる点も大きなメリットでした。
一方で、コンパクトなボディゆえに大きなレンズを装着した際のバランスの悪さや、グリップの小ささによる誤操作など、気になる点もありました。また、防塵・防滴性能には多少の不安を感じる場面もありました。
総合的に見て、軽量コンパクトながらもフルサイズセンサーの高画質と優れたAF性能を兼ね備えたα7C IIは、私の撮影スタイルに合った非常に優秀なカメラでした。これからもレース撮影や日常の記録に活用し、さらなる使いこなしを目指していきたいと思います。