レイヤー歴30年目で殺される女のモノローグ
※この文章には過剰な人体破壊・暴力表現が含まれます。
知らない、こんな女知らない。ベージュのエンジニアブーツが腹を何度も踏みつける。やめてよドレスが汚れる。
「顔面をバイオ整形してスタイルはサイバネ補正なんだって? SF小説だけのことかと思ったらホントにあるんだ。未来だねえ~」
IRC端末とこっちの顔を交互に見ながら、ストーカーじみたことしやがって。
誰こいつ誰こいつ誰こいつなんなのなんなのなんなのゴボッ。吐いた、血のにおい。
「まあ死ねや」
こわいこわいこわいこわいこわいたすけてたs
「あーもう」
埋まっていないもう片方の足で太ももを踏みつけて、足を引き抜いた。赤色の生臭い泥めいたものがブーツにべったりと付いている。
「水で落ちるかなこれ」
べたり、べたりとコンクリートの床に。片足だけの真っ赤なスタンプを残しながら。
キーパンチャーは身勝手な復讐を終えた。
[了]
ちょっとした文章ストレッチです。お目汚しすまんの。