ジャンル違い転生者の前世を引き継ぎプレイさせられてます
実に理不尽なんだが、目の前の「神」によると俺の人生は転生者にあてがわれたという。
「代わりに転生者の残り人生をお主がやってくれたらプラマイゼロなんじゃ。見た目の不都合は起こらないようにしておくぞ~」
重なり合う悲鳴。金属じみた轟音。
デコボコした箱からひどく不細工な人間が出てきて「大丈夫ですか!?」と地面に転がった俺に叫んでいる。
「ああ……はい」
俺(だった転生者)の知り合いらしい数人が「キューキューシャ!」「ヒャクトウバン!?」と声を上げながら手に持った板をつかんで指を押し当てている。
それはこの世界で事故が起こった時に発せられる言語なのだと、神が頭に詰め込んだ知識で思い当たる。
俺が今着ている服はこの世界では標準的なものらしいが、尻尾が窮屈なのはどうしたものか。
駆け寄ってくる知り合い達も耳は小さくマズルも削られたように平たい。こいつらが寡占種族なのか?
【続く】