社会学の授業を4つ同時に取って良かったこと
※2018年の記事です
先々週と先週は怒涛のmidterm weekでした。やはり2日連続で3つのmidtermを受けるのはなかなか厳しいものです。今学期は社会学を4クラス取っているので、その感想を書きます。
結論から言うと、科目選択をしてた時の私、よくやった!
正直、学期の初めは「社会学4科目って辛くない?もしかしてやらかした?」と思っていたんです。というのも、私は1年目の1学期に5科目全て暗記科目にしてしまい、同じテスト形式の科目を何個も取ってはいけないという教訓を得たんです。
同じテスト形式のもの(特に暗記もの)ばかり取ると、全ての科目で同じように脳を使うので疲れる上、暗記の作業に飽きてしまうんです。
ですが今回のテストは、4科目中2科目は同じ形式でしたが、それ以外はそれぞれ違う形式だったので、この「全科目テスト形式同じ地獄」は回避できたんですね。ですが、これだけでは別に「よくやった!」とはなりません。
むしろ成功したと思った理由は、別々のクラスでも、取り扱われる内容に重なりがあり、それぞれのクラスで学びきれないことが他のクラスで同時にカバーされているからです。まず、私がとっている社会学、4科目がそれぞれどのような内容なのかを説明します。
1つ目は "Social Inequality and Stratification"と呼ばれるクラス。このクラスでは、社会の中の格差と階級がどのように構築されているのかを、様々な社会学的目線から学びます。
2つ目は "Introductory Sociology of Globalization"。このクラスは、社会に潜在する矛盾やグローバルな問題がどのように資本主義社会のグローバル化によって生じているかについて。
3つ目は"Racism and Decolonization"。このクラスでは、人種差別の歴史的変遷、そしてどのように様々な種類の差別(人種差別、性差別)が折り重なって特定のグループに属する人々を迫害しているかについて学びます。
4つ目は"Introduction to Social Methodology"。このクラスは、社会学で使う統計のリサーチ方法について学ぶのですが、ここでは関係ないので省略します。
この最初の3クラスの内容がどのように重複しているか、性差別問題を例に挙げてみます。
"Social Inequality and Stratification"では、フェミニストの社会学者にも様々なタイプがあり、それぞれ違う論点を持っている為、あるフェミニストの社会学者が問題視する問題を、他のフェミニストの社会学者は問題視しないことなどについて学びます。つまり、ある特定の問題に対して、いくつかの異なる社会学的視点があるので、それらを比較するのが主です。
一方で "Sociology of Globalization"では、1つ目のクラスで触れられなかった、より具体的な例について話します。例えば、マレーシアやメキシコで、女性が「女性」というアイデンティティーと「Person of color (白人ではない)」というアイデンティティーを持っている為に、不当な給料で働かされている事実については、このクラスでのみ触れられました。
そしてこのような複数のアイデンティティーが差別を生み出しているという状態を、"Interlocking System of Oppression"と呼びます。"Interlocking System of Oppression"は、性差別や人種差別は個々で独立した純粋なものではなく、それぞれがお互いに重なり合って特定のグループの人を差別することを指します。これは"Racism and Decolonization"のクラスでのみ触れた内容です。
このように、1つのクラスでは触れられなかった内容が、他のクラスで更に、その例や定義と共に説明され、内容の理解が深まる、ということが沢山ありました。なので、それぞれの社会学のクラスを1学期ずつ取るという選択肢もありましたが、今回はこの選択で良かったなと思います。
大学1年目や高校時代は、様々な科目を満遍なく学習する為、このような体験は初めてで、大学らしくて面白いと思いました。まさに今学期は「大学は自分が学びたいことを学べる場所だ」という中学生頃から周囲の人から聞いていた言葉を、初めて実体験しています。想像は出来ていたけれど、やはり実際に経験すると、これまで「知りたい」と思っていたことが次々と学べるので、とても楽しいです。