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めぞん桔梗の思い出

ことぶきの藤岡が今月末に引っ越してしまうので、藤岡の住んでいためぞん桔梗について書きます。

はじめてめぞん桔梗に行ったのは、9月。
下北沢トリウッドで山本政志の映画2本見た日でした。
帰り際に誘われて、嬉しくて二つ返事で「行く」と言いました。

吉祥寺駅からうきうきしながら井の頭公園を通りました。
まあまあ歩いた時、藤岡が「あと何分くらいやと思う?」と聞いてきて、「あと5分とか?」と答えると、「こっから20分なのよ ほんとごめんね」と言いました。
内心「遠っ」と思ったけど、泊めてもらうしな、と我慢の一歩を踏んだ瞬間、「ここです」と真横の小さなアパートを指差しました。
アパート名は「めぞん桔梗」。
藤岡の下げて上げるユーモアと、情緒あるアパート名に完全に心をつかまれました。

靴でぎちぎちの玄関の先には、大量の本、マンガ、服、レコード、DVD!
ぼくは実家から出たことが無いし、産まれてから自分の部屋というものが無かったので、こんな好きなものに囲まれて暮らしてる様に感動と憧れを覚えて興奮しました。
同時に、頻繁に行く臼井の部屋の色の無さに改めてげんなりもしました。

その日は煙草を吸いながら、音楽をかけて躍りました。
藤岡はぼくの好きな音楽を9割くらい知っていて、自分以外聞いていないだろ、と思っていた曲も平然と「カッコいいよね」と言っていて、digの深さに驚きました。

その後は、2週か3週に1回とかのペースで泊まりに行くようになりました。
上地わらと近所の公園で花火をしたり、最寄とかとロシア紅茶を飲んでUNOをしたり、部屋暗くしてヨネダ2000さんの単独の配信を一緒に観たり、「寂しいから」ってLINEが来たから10時間やったNSCのアシスタント終わりに行って鍋をしたり、リュック3個分溜まった洗濯物を一緒に運んで洗濯と乾燥が終わるまで一緒にコインランドリーでネタを書いたり、と、3ヶ月という短い期間だったけど思い出が濃いです。
藤岡のケツ毛くらい濃いです。


シャワーを使った後の濡れて萎びたトイレットペーパーも、「この世にない臭いの香水」の香りも、朝目覚めた時のヤニ臭さも、「ふじおか ネタ」と汚い字で表紙に書かれた沢山の大学ノートも、松屋から大量にパクった紅生姜を入れたうまかっちゃんの味も、自衛隊時代の同僚から送ってもらった差し入れに喜んでる顔も、その差し入れの中にあったホタテの缶詰を持って帰ろうと手に取ったけど「それくそ不味いけ」と言われたからこっそり置いてきたことも、銭湯から出たら雨が降っていてせっかく暖めた体を冷ましながら歩いた道も、全部思い出です。
アツくて厚い思い出です。
藤岡が振るケツ肉くらいぶ厚いです。


いつかそのケツが光って蛍になってブンブン言いながら近づいて来たら、ぼくはパンッ!とは潰さず、愛でたいと思います。
そして一緒に飛んで行きます。

Maison Kikyo Love Forever

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