真実

是枝監督、カトリーヌ・ドヌーブ主演「真実」を観てきました。

こんにちは。上級心理カウンセラー&マインドフルネススペシャリスト、マインドフルネスカウンセラーのKIYOです。

昨日、ハロウィン警戒中の渋谷で是枝裕和監督、カトリーヌ・ドヌーブ主演、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク出演、カンヌ映画祭オープニング作品の「真実」を観てきました。

色々な新聞やNHKなどでも取り上げられていた話題作だったので、さぞかし映画館は満員かと思いきや...ガラガラでした。

映画を観てみると分かるのですが、実はすごく難しい映画なんです。

それはなぜか。「真実」というのは、辞書によれば「嘘偽りのないこと」と書いてはありますが、人間における「真実」というのは、本人が思う事と、相手が思う事と異なることも多いからです。

例えば、気を見て森を見ず、ではないですが、一つの真実があったとしても、その他の事が真実ではないと、受ける印象も感じ方も違いますよね。

明かな真実はあります。「信号が赤だから止まった」これは簡単な真実で事実です。「彼女は髪の毛が黒だからアジア系だ」これはどうでしょう?欧米の人でもアフリカの人でも、世界中に黒髪の人はいるわけで、正しい解釈にはならないですよね。

そんな感じの映画なんです。それぞれの登場人物の発言、行為、全てが「真実」であるのか、最後まで、それぞれの登場人物も判断出来ているのかは、分からないですし、観ている観客にも判断するのが難しい作品なのです。

そうした難しさに、是枝監督は「真実」というタイトルをつけ、丁寧に脚本を作り上げていったようにも感じます。ある意味、他の作品のように、観終わった後に、なんだか心が温かくなる、自然と涙が出る、あーこういう家族もありなんだなぁ、といったメッセージを受け取りやすいものとは、異なっている様に感じます。

また、舞台がフランスということもあり、フランス映画のようにも見えますが、是枝作品の独特の日本の雰囲気、音楽があって、シーンごとに印象が異なっていて、それがあえてなのか、そうでないのかも分かりません。

例えていうなら、ドレッシングのような作品で、振ると油と液体が混ざり合って乳化した状態になりますが、少し置いておくと、油の層と液体の層に分離していて、分離すると、また振って乳化した状態にする。そんな雰囲気の映画なので、カット、シーン、音楽、カメラ回し、からも私は困惑されてしまいました。

あえて、作品の内容については書きませんが、日本よりも、フランスでの評価が高くなる映画なのかな?と思いましたし、もしかしたら多くの人に観られる映画ではないのかもしれません。

これが、監督の意図で挑戦状なのか、そうでないのかは知る由はありませんが、興味のある方は、是非、映画館へ足をお運びください。

KIYO

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