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映画備忘録7 『パディントン』

【あらすじ】
ペルーの山奥に暮らすクマは震災に見舞われる。彼はロンドンに向かい、ある一家に拾われて、パディントンと名づけられる。しかしある日、事件に巻き込まれてしまい......

「二足歩行で歩き、人間の言葉を話すクマ」

......そのような珍獣が街中をうろついているならば、即座に通報されるに違いない。しかし、この作品の場合は、通報を受けて、人体実験を施され、剥製となり、「THE END」の文字が出て......という結末にいたることはなく、住民たちは何ら違和感を覚えないままに、彼の横を通り過ぎていく。


......どこをどう見れば、「物売り」に見えるのだろうか? 我々の世界の感覚とは少し違うままに、物語は進んでいく。


やがてある一家に拾われるものの、そこで破壊の限りを尽くすクマである。家を水浸しにし、風呂を壊し、トイレをぶっ壊し、リビングに火をつけ......と、迷惑以外の何ものでもない。割と序盤から、「.......あ、コイツぜんぜん可愛くないぞ」と思わざるをえないような演出が続いていく。

そして極めつけは歯ブラシのくだりで、使い方を知らない彼が、それを耳に突っ込み、べっとりとした耳垢を取り出すというシーンは、悶絶するほどにドン引きした。


このようにファンタジーなのにも関わらず、“リアルクマ”ぶりは徹底される。一家の長女にも「キモい」と言われるほど、全くもって可愛らしさがない。原作絵のままならば、まだ許せたのかも知れない。が......


ちなみに『パディントン2』は高評価らしい。自分の好きな映画評論家の柳下毅一郎さんが、2018年公開作品のベスト3に入れているほどなので、今後の鑑賞を楽しみにしている。

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