腺筋症をMEA+TCMAMで治療した症例のMRIによる経過観察
前回の見出し図には、前壁の子宮底部に存在する腺筋症組織へ穿刺する方向を模式図で示しました。後壁内の場合も同様に病変の大きさと形に応じて、いくつかの方向に穿刺し、マイクロ波を複数個所で照射する必要があります。見出しのスペースに入りきらなかったのでこの記事に全体像を再度載せておきます。
経腹超音波プローブと経頸管的穿刺システムを使用して、適切な方向に穿刺し、病巣の大きさに応じた照射時間で、背側にある病巣から順番にマイクロ波を照射していきます。3方向のMRI画像から、子宮全体の形状と腺筋症病巣の状態を3次元的に把握し、経腹超音波画像と常に比較しながら照射を進めていきます。マイクロ波照射の最中は超音波画像から目を離さず、マイクロ波加熱によって組織に発生する超音波画像の輝度の変化や、組織の脈管内を移動する、バブルの様子を観察し、マイクロ波照射による変化が、正常筋層にほぼ達した時点で、当初計画で予定した照射時間に達していなくても照射を終了することも必要です。
MEA+TCMAMで治療した腺筋症の経過をMRIで示します。いずれも、子宮が腺筋症によりかなり大きくなっており、過多月経が主症状でした。
症例2は子宮が大きすぎて、治療当時のマイクロ波アプリケーターでは子宮底部の病巣に十分届かなかったため、底部に腺筋症が再燃しましたが、無事閉経まで経過観察可能でした。
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