【Patric Moji】シンプルな逸話の言葉は温かい simple simple anecdote

Patric Mojiという企画


 日々更新される文章を読んで感銘を受けています...受け取る人の個性でこんなに解釈の幅が広がるのかと思うし、それだけのボールを投げているUNISON SQUARE GARDENさん怖い、とも思います。

 参加させていただけて、とても嬉しいです。
日頃、感覚で音楽を聴いているので歌詞や曲の世界観に浸れる時間はとても幸せ。そしてみなさまの投稿で、こんな視点で曲を味わうこともできるんだ!という発見。次のアルバムを手に取るまでに視野が広がって嬉しい限りです。

 文章を書き慣れておらず、体裁であったり気になる点はあるかと思いますが、どうか内容だけ汲み取っていただければ幸いです。

 シンプルに終わって明日の101回目のプロローグにつなげるぞ〜!!


simple simple anecdoteという曲

(以下 simple)
 とてもシンプルな曲で、曲の時間もアルバム内で最も短い。

イントロも間奏もギターソロもアウトロも何もなし。

何なら歌詞もスーパーわかりやすい。難解な語句が少なくて、スッと入ってくる。

なのに「瞬間の循環に逡巡してる間に」
ハァ〜語感が良きですね...となります。ベースも回ってそうな、、田淵氏がよたよたステージを徘徊してる絵が浮かぶような(この曲では田淵さん立ち止まっていますが)感じでたまらなく素敵。

この曲何が素敵ってベースがよく聴こえるんです...おさんぽしてるみたいなベースでとっても気持ちいい...(主観)


 話を戻すと、この曲のシンプルさは101回のプロローグというパトリックベジの最高傑作を味わってもらうために短くてシンプルなのだろうと想像がつく。

そして、101回目のプロローグといえば「よろしくね はじまりだよ」という歌詞。たくさん出てくる。

「僕の言葉が死んだとき〜一つ物語が終わる」
最初の一文で終わらせて。

最後のフレーズの「僕の言葉がまた生まれる」

101回目のプロローグという物語が始まる。
きれいな繋ぎでうれしい。


ちなみにanecdoteは逸話で、「ある人に関する世間にあまり知られていない話」や「その人の隠れた面をよく表しているような話」だそう。

メンタル的な話をしてるからなるほどね、となりました。

今日は何とかなるぜモードでいいや


言いたいこととして「今日は何とかなるぜモードでいいや」

この言葉で、2つ解釈が浮かびました。

一つ目はよく言われるmix juiceのいうとおり(以下mix juice)。曲調からもanecdoteと同じように分類されるし、たかお氏もインタビューでそう言っていた。

「ちゃちな理性に挟まれて 心ぐるぐる悩むくらいなら 荷物を捨てて飛び出そう」

「12時過ぎても解けない そんな魔法があっても欲しくない 早く帰って眠らなくちゃ」


寝て忘れよって。とりあえず寝たらぐるぐるから解放されるよって。 単純だけどそんな解釈。

anecdoteでは、寝て忘れよっていう物理的に距離を置くという解決ではなく、心の中で切り替えられるような言葉たちになっている。

「泣きたいときに順番待ちもないだろう」


泣いてもいいから切り替えな。


もう一つ。

モード...といえばMMMの静謐甘美秋暮叙情(以下静謐)の
「奇跡みたいな解決なんか期待しないのがモードなムード」

「奇跡みたいな解決なんか期待しない」

mix juiceでは

「洗いざらい希望だけ配し 規模を問わずに萌芽期待して 〜それこそが贅沢な暇つぶしって思いはしないかしら」


mix juiceではまだ期待をしていて、無駄ってわかっていても(もしかしたら贅沢な暇つぶしだから意図的に、なのかもしれないが)、であったのが静謐では期待はしないんだ、となっているのが分かる。

そして静謐の「モード」はあと二種類ある。

「夢の世界で恍惚して都合良くなってモードなムード」
「涼しい風に乗ってイメージと並んでモードなムード」


静謐の一曲の中で重たい心が軽くなってanecdoteで「何とかなるぜモード」が生まれたのかしらと思ってしまった。

ざっくりだけどメンタル応援ソング(歌詞)として、🐄→🦒→🐰と考え方が変わってきているように感じました。

🐰と🦒、🐰と🐮


静謐の「タクシーのヘッドライト 斜め下を照らして 僕を笑っているの?」とanecdoteの「車のエンジンをお土産に一つ物語が終わる」
いずれも虚しそうな感じがする

けれど、
静謐の「信号の点滅に急かされるような躊躇」はanecdoteでは「信号は変わる」と前向きな印象。

さらに、

「全部嫌になったなんて簡単に言うなよ」

パンデミックサドンデスで

「全部全部意味わかんない...」

てブチ切れていたのにね。

ここでパンデミックサドンデスの言い訳ならば

「この人生は解釈が多すぎて」

anecdoteでは、

「全部が何かってことに気づいてないだけ」

考え方の変化を感じる。ちゃんと向き合えるようになってる。

「大嫌いな勲章が街になる」
そんな街で生きてるはずなのに
「ひとりぼっちかも でも不思議と誰かが
同じ光を見るなんてことはある」
それってそんな街に住んでる人間とってことだよね...??

田淵智也氏の歌詞が丸く柔らかくなってきて嬉しいです。

余談


「信号は変わる 星は生まれるから」

ユニゾンの歌詞にでてくる「星」て何だろう。
たくさんでてくるが、、101回目のプロローグでも「星たちを通過してきたよ 歯がゆいことだっていっぱいあったよ」から考えると試練とかなのかしら、、。と思う一方、こちらの「星は生まれる」は何かはあるよ、みたいなニュアンスに聞こえる。

星の意味を知りたい。とても多義語になりそう。

ライブでの立ち位置


曲調的に最初だと全体のバランスが取れるともあるけれど、(ライブは後半こそこってりしたい)。
ライブのはじめにこの曲があることで、私個人は嫌なこととか全部anecdoteで洗い流してくれて、そこから歪みまくったベースでベジの世界にヨウコソッとされる感じがたまらなくいいなとなっていました。

何と言ったって最初の歌い出しをサビから斎藤さんのギターと声だけで「全部嫌に〜」奏でられたのが鳥肌でした。初めて行った時ちょっと泣きそうになりました。mix juiceのトゲのある歌声、静謐での音程的に地声に近い歌声とはまた違う柔らかい息たっぷりな歌声...歌詞の変化ともに柔らかくなる歌声...本当に素敵。



やらかした日の帰り道におすすめの一曲です。

カレイドも円盤が出ますね。とってもたのしみ!!お読みいただきありがとうございました!



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