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4に誘われた人間の逆転裁判歴【逆転裁判への独り言まとめ4】

なにこれ

Discordの個人鯖でだらだら書いていた逆転裁判についての独り言をまとめたものです。
基本ソースを確認せずにダラダラ語っているのでご注意ください。
オドロキくんとみぬきちゃんに脳を焼かれています(重要)。
あと当然のようにネタバレを含みます。
今回は一部は簡潔であるもののレイ逆以外すべてに言及しているためメチャンコ長いです。
目次から気になった部分をつまんで読むのもありだと思います。


自分の逆転裁判歴について語りたい

プレイ順は「4→蘇→2→3→5→検1→検2→大1→6→大2」

逆転裁判4 ~すべての始まり、新章開廷~

始まりは中学生のころ、父からもらった逆転裁判4のソフトだった。
きっかけは、父がプレイしてるのを横から興味津々に見ていたこと。
123から逆転裁判に入った父には「合わなかった」そのDSのゲームカードは間もなく自分に譲られた。

王泥喜法介は「自分」だった

当時の中学生の情報網なんて本当に大したことがなく、
逆転裁判についてはゲームの名前と「ナルホドくん」という名前のキャラが主人公であることしか知らなかった。
つまりあのソフトをプレイし始めた時、「王泥喜法介」と自分の足並みは極めて合っていた。
スタートラインがほぼ同じなのだから。

王泥喜法介と共にあの衝撃的な1話の結末を体験し、
王泥喜法介と共にみぬきちゃんに出会い、
弁護士人生を歩んでいった
あの頃の自分にとっては王泥喜法介は自分=プレイヤーの分身であり、
特に着目するようなキャラクターではなかった。
だって自分なのだから。

一方でみぬきちゃんはみぬきちゃんなので
「もうこいつは仕方のない奴だな~」と思いながら愛でていた。

「きっかけ」を与えたのは成歩堂龍一

自分と王泥喜法介が決定的に「分離」するきっかけになったのは、
他ならぬ成歩堂龍一である。
ここ(Discord/note)では彼についてあまり語っていないが、
当然彼も自分にとってある種特別なキャラクターだ。

4話の後半、物語の視点は彼のものに切り替わり、
自分は初めて本来の姿の「ナルホド」と対面した。
(それまでマジであのギザギザ頭すら知らなかった)
当時の自分にとっての分身は王泥喜の方で、
それまでは王泥喜の視点、つまりは外部からの視点で成歩堂を見ていた。
その流れで成歩堂を操作するときは「一人のキャラクターの動きを眺める」視点へと切り替わった。一人称から三人称になったのだ。
初代逆転裁判における成歩堂はプレイヤーの分身として作り出されたそうなので、当時の想定とは逆になっていたようだが4新参の自分に初代の事情など関係なかった、知らなかったし。

それからしばらく自分は成歩堂の動向を見守ることになる。
そして、成歩堂は「王泥喜法介の素性」にたどり着いた。
その瞬間、王泥喜法介は「プレイヤーの分身」から、
「一人のキャラクター」に変貌した。

だってぇ、みぬきちゃんとあんな尊い関係にあるヤツが自分なわけないんだもん。
次の瞬間にはオド+ミヌ派になっていた
‥‥ああ罪深き逆転裁判4‥‥

「ああお母様、どうかどうかあの尊い兄妹をよろしくお願いします」
という感想で自分の初逆転裁判は締めくくられた。
自分が持っている逆転裁判は4だけだったので、
4を何度も反芻しオド+ミヌを噛みしめた。

世間と逆転裁判4

そのうち自分の情報網も強化されていき、
世での逆転裁判4の評判を知った。

まあ、気分は、
あ゛ぁ!? どこの馬の骨とも知らねえ奴らがオドロキくんを「いらない子」だの「主人公(笑)」だの言ってんじゃねえぞコラ
だった。
ついでにみぬきちゃんや牙琉検事に対する批判にもキレた。
牙琉霧人については‥‥まあ、ネタキャラ扱いでも割とよかった。

逆転検事 
逆転検事2 ~発売当時の心境~

時は流れ、逆転検事が発売された。
ゲームソフトを自分で買う資金などそうそうなかった自分は、これには手を出さなかった。

123もプレイできていないのだから当然である。
逆転検事とは、4のみをプレイしたプレイヤーにとっては「知らないゲームの知らないキャラが活躍するスピンオフ作品」だったのだ。

逆転検事2も発売された。
この頃になると資金面に余裕も出て来たのだが、相も変わらず自分は検事シリーズには手を出さなかった。

当時の自分の心境は、
な~んかオドロキくんのことほったらかしにして知らん過去作のキャラのスピンオフばっかりだしとるな~
みたいな感じだった。

逆転裁判5 ~愛も憎も入り混じった続編~
(~123の感想も添えて~)

そしてついに、逆転裁判5の制作が発表された。

5の発売前情報について

最初に発表されたのは「主人公」の成歩堂龍一と、
見たこともない新規ヒロイン。(後に希月心音と判明)

王泥喜法介は影も形もなかった。
王泥喜法介がいないなら、当然みぬきちゃんもいるわけがない。
成歩堂なんでも事務所がどうなったのかもわからない。

堂々とアピールされていたのは、「成歩堂龍一の復活」だけ。

正直に言おう、キレた。

成歩堂龍一は3作に渡って主人公やったのに?????????
王泥喜法介はたった1作品で主人公降ろされるの???????
しかも交代先は既に3作主人公やってた成歩堂?????????????
なんで???????????
評判がよろしくないから??????????(それは多分そう)

まあ正直裏切られた気分だった。
4のファンと123のファンを天秤にかけられて、後者を優先された。
そんな気分だった。

まあ、でも、万が一、
王泥喜とみぬきちゃんが出て来るなんてことがあったら大変なので、
情報は追い続けることにした。

そしてついに、「情報」が来た。王泥喜法介のだ。

正直に言おう、感想は「何があった???????」だったと。

公式も「彼に何があったのだろうか?」って感じだったし、
この感想を抱くのは間違いではなかろう。

自分が目にした「待ちに待った逆転裁判5の王泥喜法介」は、
表情が険しくて、
知らんジャケットを肩に羽織ってて、
包帯ぐるぐる巻きで、
眼帯付けてて、
弁護士バッジをつけているのが確認できない、
本当に何があったと言わざるを得ない姿だった。

正直、王泥喜がメイン主人公を降ろされたのは滅茶苦茶に不服だったし、
今もその気持ちは残っている(その上で5が好き)のだが、
このビジュアルを見て、「スタッフは王泥喜法介を物語の中で扱う覚悟は一応あるようだな」と認識した。

後に見慣れた姿の王泥喜法介やみぬきちゃんも発表され、
これはこちらも覚悟を固める必要があるなと思った。

同時期にやってた逆転裁判123の超簡単な感想と4への思い

確か同じくらいの時期に、自分は逆転裁判123をプレイしていた。
auのスマホのサービスで無料配信されていたので、
やっと遊ぶことができたのだ。
ゲーム自体は大変満足のいくものだったし、各最終話は最高に燃えた。

プレイした感想は、
「確かにこのゲームをやった後での4は不満に思うことがあるかもしれないな‥‥」
というものだった。

だが自分にとってそういった事情と、
そういう作品のキャラを無下にしていいかどうかというのは別問題だ。

4の成歩堂龍一や茜さんが既にそうされたという意見もあるだろうが、
同じことを王泥喜法介やみぬきちゃんにしていいわけではない。
あれが過ちであるとするなら、尚更一度で留めるべきなのだ。

嫌な作品があったとしても、
何の罪もないキャラクターを貶めてすっきりしてしまうのは、
もうそれは理不尽なアンチの思考なのである。

いざ逆転裁判5へ

123をプレイし終えた自分は、
いよいよ逆転裁判5をプレイする準備が整った。

事前に王泥喜法介のメイン主人公降格という事実から、
ハードルを下げまくっていたこともあり、
正直自分の5への評価はかなり甘めになっていたことを先に記しておく

肝心の評価は、
みぬきちゃんの扱い以外は合格!!!!好き!!!!
というものだった。

分析 ~5における王泥喜法介の扱い~

逆転裁判5は王泥喜法介をメインの主人公からは降ろしつつも、
(特別編以外)全話を通して彼の影が薄くならないように配慮して作られた作品だった。
扱いとしては、3の千尋さんあたりが近いだろうか。

いい機会なので、
5本編における王泥喜法介の扱いを振り返ってみようと思う。

第1話「逆転のカウントダウン」

この作品では本編で唯一、王泥喜法介が法廷に立たない話である。
ここは、どの話よりも丁寧に「いかに王泥喜法介が存在感を放っているか」を語らねばならぬだろう。

王泥喜はまず物語の冒頭にあの見慣れぬ姿で登場し、
包帯の理由はある種「逆転裁判5の象徴」とも言える法廷爆破事件で負った怪我であると説明された。
王泥喜は怪我のダメージで一度倒れてしまい、
その上で依頼人を守るべく無理を押そうとするも心音に制されて控室に残ることになる。
正直その無理が目に見える包帯も相まって痛々しく、
少しショッキングなシーンだった。

そして法廷パート。
爆破での怪我は正確には依頼人の森澄しのぶを落下する瓦礫から庇って負ったものであることと、
そのしのぶちゃんからアカラサマな「好意」を寄せられていることが明かされる。
しかも、プレイヤーの注目を集める新システムのチュートリアルで‥‥
(ちなみにこの部分は体験版では別の人物に差し替えられており、
 しのぶちゃんの高速マフラー編みモーションもなかった)

王泥喜法介のことを、これでもかと魅力的に語るしのぶちゃん
ほれ見ろオドロキくんは素敵な人物じゃないか!

そして法廷パートが終わり、控室へ行くとそこに王泥喜法介はいなかった。
彼はしのぶちゃんのために現場で探し物をしており、
そこで何かに気づいたようだったという。
王泥喜を呼びに第4法廷に向かい、ここでアニメパート。
そこには血の付いた凶器と、倒れて動かない王泥喜法介が!!
それを目の当たりにして響き渡る希月心音の悲鳴!!

大変ショッキングである、
ショッキングだった、
幸い死んではいなかったが。

そして1話としては異例な2日目の法廷では、
「王泥喜弁護士襲撃事件」についても審理することに。
主人公(経験)キャラが審理する事件の被害者になるなど前代未聞である。
被害者なので当然事件の中心人物として扱われる王泥喜法介、
相も変わらずこれでもかと王泥喜のことを魅力的に語るしのぶちゃん。
うーんいないのに存在感。

なんやかんやあって無事裁判に勝訴した成歩堂たち。
これからもこの3人で力を合わせれば‥‥と独白で語る成歩堂。
そしてそんな思いをアニメパートで打ち砕く王泥喜法介!!!
事務所から離反!!!!

この男、1話からショッキングな展開を生み出しすぎである、
3回目ーーーー!!!

そんな展開に「どうして」と涙ぐみ、
王泥喜と出会った時のことを回想する心音、それが第2話の話だ。
(みぬきちゃんもしっかり悲しそうな顔をしてたのは見逃さなかったからな)

成歩堂の独白からの展開だけを切り取れば、
大変身勝手なことをしている王泥喜。
しかし彼はこの1話でこれでもかと「良いヤツ」であることがアピールされている。
初見の人でも「あんないい人が何故‥‥?」となる展開だ。
発売前の段階から「王泥喜法介に一体何があったのか?」というのは、
物語の大きなフックになっていた。

第2話「逆転の百鬼夜行」 
第3話「逆転学園」

第2話では操作キャラとして存在感を放ち、
第3話では相棒キャラとして希月心音に頼もしい先輩としての面を見せ、
さらにはしのぶちゃんを決定的に惚れさせた言葉も放った。

度々王泥喜法介の「親友」について語られ、
第3話のラストで王泥喜と親友の間を引き裂く事件があったことが示唆される。
さらにその上で、心音は王泥喜が離反したときのセリフを回想する‥‥
彼女は王泥喜の声から感情の不協和音であるノイズを聞き取っていた。

第4話「星になった逆転」

色々な意味で異色すぎる第4話。

この話は法廷1日目から始まり、
その時の操作キャラクターは王泥喜法介である。

被害者は王泥喜の大親友・葵大地、
依頼人は王泥喜と葵の憧れの人物・星成太陽。
この裁判が彼にとって特別なものであることは、
この情報だけで察せるだろう。

法廷パートに入ってまず目にするのは、
普段の格好の上に眼帯をつけた異様な姿の王泥喜法介である。

眼帯と腕の包帯は別々のタイミングでつけられたものであったことがここで判明するのだ。

眼帯をつけている理由を頑なに語らない王泥喜法介。
「親友が死に、憧れの人が被告人になった」、
彼にとってはそれだけではない「何か」がこの事件にある。

その法廷で爆弾が爆発し、
第1話(の回想)が挟まれて王泥喜は入院状態に。
以降、ゲームの最後まで操作キャラクターは成歩堂になる。

探偵パートの終盤、王泥喜は予定よりも早く退院し事務所に戻って来る。
また無理してるよコイツ。
4-1であんな目に遭ったのにも関わらず王泥喜が弁護士を続けられた理由、
4の頃からの口癖である「大丈夫」の背景、
羽織っているジャケットの正体、
そして「離反」のシーンの詳細が明らかになる。
王泥喜は何かに対して疑念を抱いていた。
その疑念の正体は、この話ではまだ明らかにならない。

そして法廷2日目。
この話は依頼人の無実は証明されたが、
新たに容疑のかかったヒロイン・希月心音が緊急逮捕されるという異例の結末を迎えた。

第5話「未来への逆転」

探偵パート。
みぬきちゃんかわいいね!
‥‥コホン。
成歩堂とは別行動で情報を集めている様子の王泥喜法介。
その目的は「親友の命を奪った者に罪を償わせる」ということ以外全くの不明だ。

そして法廷パート。
立てこもり犯となった夕神かぐや(人質にされたみぬきちゃんメンタル激つよですごいね!)により強制的に開廷された裁判で7年前のUR-1号事件が審理され、
ライバル検事である夕神迅や希月心音の無実を証明することに成功した成歩堂。
無罪判決によりこれにて閉廷‥‥といったところに待ったをかける声が。

現れたのは王泥喜法介、未だ本作において謎を残す男である。
彼は葵大地殺害事件において希月心音が無実でない可能性を指摘し、
夕神かぐやに裁判の続行を要請する。
そして自身の推理を述べ希月心音を告発する王泥喜。
まさかのヒロインの無罪を巡り、成歩堂と対決することになるとは‥‥
それも敵側で。

疑いのきっかけは、
4のプレイヤーにとってはあまりにも説得力のある「腕輪の反応」である
心音が事件について触れるたび、
隠し事の緊張によるクセに反応して腕を絞める腕輪‥‥
それが、第4話でカットされた王泥喜の探偵パートの真相。
疑念から夜も眠れなくなり、
裁判に集中するために片目を塞いだというのが眼帯の理由だ。
調査をすれど出て来るのは希月心音の犯行を裏付ける証拠ばかり。
そしてとうとう、彼は重い覚悟を持って後輩を告発しに来た。

その真意は「信じたくても、盲目的に信じるだけでは駄目」という信念。
そして成歩堂にこの推理を、疑惑を、打ち破ってほしいという願いだった。

それにしても、
「親友の死」に「憧れの人の逮捕」に「後輩への疑念」にと、ちょっと5の開発スタッフはオドロキくんに色々と背負わせ過ぎじゃないですかね!!??(※ついでみたいに入院レベルの怪我まで負う)

「オレは弁護士失格なのかもしれない」とまで言ったぞコイツ!!!!
思いつめさせ過ぎだって!!!!!!!
さらに実は、
「疑うことによる心が痛みはその人を思う気持ちの強さでもある」
というようなことを第3話で王泥喜自身が語って(しのぶちゃんを惚れさせて)いるのである。
これはそのまま第5話の王泥喜にも当てはまる‥‥このゲーム怖いよ‥‥。

成歩堂は主人公として、
そして正真正銘王泥喜法介の頼れる上司として(4ではそんなんじゃなかったし)
王泥喜の疑念を打ち破って見せた。
そして真犯人が浮かび上がり、法廷は休憩時間に入る。

休憩時間、再び団結する成歩堂なんでも事務所の弁護士たち。
王泥喜自身は当然心音に対して罪悪感を感じて殴ってくれとまで言ったが、
心音はそんな王泥喜を(平手打ちで)黙らせて自身のことを真剣に考えてくれて嬉しかったと語る。
成歩堂もオドロキくんがいないと戦力不足だからという方便で離反した王泥喜の復帰を許した。

そして最終的には3人で弁護席に立ち、真犯人を追い詰めエンディングへ‥‥。

つまり逆転裁判5って?

まあ、つまるところ、
逆転裁判5は王泥喜法介主人公ではないけどめっちゃ活躍するしめっちゃ重要な話なのである。

ちなみに成歩堂龍一のみが主人公とされていたのは当時の話で、
今では公式もトリプル主人公の物語として扱うことが多い。

逆転裁判5が王泥喜法介に与えたもの

逆転裁判5、自分にとっては良くも悪くも大変罪深いゲームである。
王泥喜・みぬき・牙琉をメインでなくした反面、
「メイン主人公から降ろした王泥喜法介にいかにプレイヤーの心を掴ませるか」という点に大変苦心した作品であることは滅茶苦茶に伝わってくる。
それはしっかり結果として出ており、
5直後の(逆転裁判シリーズ全体の)公式人気投票において王泥喜法介は1位という記録を残している。
確か2位が御剣怜侍で、3位が成歩堂龍一である。
逆転裁判の顔であり5ではメイン主人公になり堂々とアピールされ復活を果たした成歩堂龍一を超えているのである。
あの逆転裁判4の王泥喜法介が。

5は4ではあまり描写されなかった「王泥喜法介の人格」がしっかり描写されており、
これを掴んだ上で再度4をプレイすることで今までになかった味が出てくる。
王泥喜法介の内面を想像することがより簡単になったということだ。
毒舌なところもあるが根はどこまでもまっすぐな男、それが王泥喜法介である。

そしてその丁寧な内面描写によりプレイヤーの心を刺して来るのも5だ。

世界一の大親友の死というあまりにも重い出来事をきっかけとして無茶を通そうとするようになったところを見せたり、

2話3話と丁寧に希月心音との信頼関係構築を描いておいてから5話で心音への疑念に苦しむ様子を見せたり、

中学生時代の王泥喜に「みんなお母さんがいるのに、なんでオレだけ‥‥っていつも思う」と言わせて4で開示された実親不在で育ったことに対して思うところがあったことを突きつけたり、

「オレのデビューも散々でしたしね」と発言させることで4の「逆転の切り札」は王泥喜にとって辛い出来事であったと再認識させたり、

それを乗り越えられたのは死んでしまった大親友のおかげだったり‥‥

でもまあ、こうして傷を負いながらも進み続ける王泥喜の姿がプレイヤーに刺さるのも事実であり、恐らく6がああなったのは5の反響があったからだろう。

逆転検事 
逆転検事2 ~5と同じ開発陣が手掛けた外伝~

さて、プレイ歴の話に戻ろう。

5をプレイした自分は「5を開発したのは検事シリーズのスタッフだ」という情報を得た。
自分は5の開発陣に一定の信頼を置くようになっていた。
王泥喜法介というキャラクターと成歩堂なんでも事務所という舞台を拾い上げてくれたからである。

そして今はもう1235をプレイ済み、
自分は「御剣怜侍」というキャラクターを知っている。
じゃあやるしかないだろう、逆転検事と逆転検事2を。

逆転検事 ~ほのかに香る4の香り~

まず逆転検事。
これはとにかくファンサービス旺盛な作品だと感じた。
過去作の小ネタとキャラクターがこれでもかと出て来る。
20歳の御剣怜侍とか「わー懐かしい!」となったし、
同時に出た13歳の狩魔冥に関しては「それ出していいの!?」となった。

そして特筆すべきは4のネタである。
ボルジニア人!ボルジニア語!ガリューウエーブ!或真敷一座!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
4は検事の7年後の話、だがその時点で確実に存在していたものに関しては小ネタを入れてくれたのだ。

4を脇に置いて開発されたと思っていた逆転検事、
しかし開発スタッフは4をなかったことにはしなかったのである。
すみませんでした!

ちなみにゲームとしてはまあまあ楽しめたという感想である
プレイ前は「御剣には既にイトノコという相棒がいるのにヒロインの美雲ちゃんまで追加してバランス崩れないか?」という疑問も抱いていたが、イトノコと美雲ちゃんがかなり仲良しでありトリオとしてバランスがとれていたので大丈夫だった。
というか美雲ちゃんの登場が遅い方が気になった。

逆転検事2 ~「それはずるいって」集~

次に逆転検事2。
結論から言うと、逆転裁判シリーズ最高傑作群の1角を担うと思っている。(他は3、6、大逆転2。いっぱいあるじゃねえかとか言わない
3話から毎回最終回みたいなことしやがって‥‥
正直御剣が「検事」として活躍している場面の方が少ない本作だが、
それは「検事としての道を歩み続けるか否か」という人生の大きな分岐点を描いた作品だからである。
悩みながらも進み続ける主人公は素敵である、うむ。

残念ながら4のネタはひのまるコロシアムと本編からではなく特別法廷からちらっとというだけになっていたが、
自分は前作の時点で検事シリーズの世界観にある程度心を掴まれていた。
だから、1話の時点で美雲ちゃんが合流してくれただけで正直テンションが上がった。
今作は前作の出来事も活かした上で一条美雲のヒロイン描写に気合が入っており、「この子逆転裁判の方にも出てきてくれないかなあ」とまで思うようになった。

検事2の新規キャラ達にも注目だ。
印象に残りやすいのは一柳弓彦だろう。
逆転検事2の影の主人公とも言えるキャラであり、劇中で成長と覚悟がしっかりと描かれている。
しかし自分が一番心を掴まれたのは、信楽さんこと信楽盾之である。
ずるいってあの御剣法律事務所の設定は、ずるいってあの写真は。

もちろん本作で新たにキャラクター付けがなされた御剣信も魅力的だ。
だから3話でやることじゃないったら。
割と後の方で気づいたことだが、彼のテーマ曲のフレーズが本作の追究BGMのイントロに使われているのも熱い。

で、検事シリーズのことはどう思ったの?

5が出た後に検事シリーズをプレイした自分の感想は、
5が出るまでバトンをつないでくれてありがとおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
だった。

物凄い掌返しである。

大逆転裁判 ~4を手掛けた二人の帰還~

そして時は流れ、4を生み出した巧舟氏と塗氏が逆転裁判シリーズに帰還。
(ちなみに塗氏は一応王泥喜法介のDLC衣装の考案という形で5に関わってはいる)
大逆転裁判が発売される。

ここまでの流れですっかり逆転裁判シリーズのファンになっていた自分は、
もちろんこれを購入した。

プレイした感想は‥‥
正直に言おう、「はよ続編出せや」だったと。
これは本作に満足しているプレイヤーも、
満足していないプレイヤーも思ったことだろう。
物凄い伏線が終盤に投げ込まれ、
そのまま回収されることなく終わってしまったのである。
4とはまた違った形の続編前程作品であった。

一方で本作の世界観については非常に引き込まれた。
風景、音楽、3DSの作品としてはかなり美麗なキャラグラフィック、
そしてどこかで見たような関係性のホームズの事務所の面々‥‥。
あと共同推理も楽しかった。

ちなみに一番好きになったキャラクターは細長刑事である。
2話でお別れになるのが正直辛かった‥‥

逆転裁判6 ~「オドロキ」の内容と結末~

一方で、検事シリーズの山崎氏が主導する開発チームは、
逆転裁判5の続編である逆転裁判6を開発していた。

6の発売前情報について

今作はかなり初期の段階で「主人公は成歩堂龍一と王泥喜法介である」と
発表されており、自分はそれを見て安心した。
ああ5の反響を受けて、王泥喜法介は主人公に返り咲けたんだなと。

だが不安があったのも事実である。
本作の目玉はクライン王国の霊媒裁判、
そしてクライン王国で活躍するのは成歩堂だと発表された

王泥喜が活動するのは日本である。
さらに、123のヒロインである綾里真宵の再登場が大きくアピールされた。
目玉になる要素が成歩堂側に偏っていたのである。

さらにロゴに使用されているシルエットも5に引き続き成歩堂のもの。
「これは、王泥喜法介の方は5より少し出番が増えた程度になるかもしれないぞ」と自分は思った。

一方で、王泥喜サイドにも気になる情報はあった。

本作のライバル検事「ナユタ・サードマディ」のシルエットに対して、
「たとえアイツが相手だったとしても」と王泥喜が何か知ってそうな発言をするムービー。

王泥喜を操作キャラ側として、王泥喜と成歩堂が対峙するムービー。

そしてみぬきちゃんメインとおぼしき話!!!!
しかもポスターの文字が或真敷関連っぽい!!!!!!
あるまじきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!


‥‥ということで(どういうことだ)、
やはり今作も自分は購入したわけである。
みぬきちゃんの扱い5よりでかそうだし

で、逆転裁判6はどうだったのか

結論から言おう。
逆転裁判6は王泥喜法介の物語である。
もっとも1話では影も形もないし、4話は姿も出てこない
(あれはかなりの希月心音&夕神迅ファンへのサービス回だったな‥‥)

しかしだ。

2話はもう2話にしてオドロキくんとみぬきちゃんの関係の一つの終着点、
これだけでも熱いのに4プレイヤーなら分かる或真敷の血筋による真犯人とって皮肉な真相もあり、
さらにはなんか王泥喜がナユタに対して、1の時の御剣に対する成歩堂みたいなこと言い出す。


3話はメインは成歩堂と真宵ちゃんの話だが王泥喜法介の衝撃的な過去も開示される

5話は並の最終話ではない物凄い長さで王泥喜法介の過去から一人立ちまでを描いている。

そしてエピローグでは「ママ」が出て来るし、
スタッフロールのBGMは4と同様「新章開廷」のアレンジなのである。

ロゴは成歩堂なのにどうしてこうなった!?
5話の成歩堂操作パートかなり短いぞ!?

蓋を開けてみれば「絶対に王泥喜法介の物語を描く」という強い意志を感じる作品であった。
その場に牙琉検事がいなかったことは心残りだが‥‥
それでもできるだけ4の設定を拾っていたように感じた、
拾ってからどれだけ物語に使うかは設定によるが。

そしてまあ、なんというか、5では傷を負いながらも進み続ける、そんな王泥喜法介が大ウケしたわけで、
一方で、縁の深い人物を死なせたのにその人物が登場時点で死んでいて回想くらいしか描写がないせいで感情移入がしにくいという意見があったのも事実。

その反省を生かしたのだろう。

「今回も王泥喜法介の大事な人を死なせるけど、ちゃんとプレイヤーの手で交流もさせておくね!」
「乗り越えるべき絶望を深くするためにその人は会った時点で死んでる設定にして、それをオドロキくん=プレイヤーの手で解き明かして貰うね!」

5よりさらにつらくしてどうする!!!!!!
刺さったけど!!!!!!!!!(おい)

そんなんだから456は
「オドロキくんが何をしたっていうんだセレクション」とか
「オドロキくん人生ズタボロセット」とか言われるんやぞ!!!!!!

ちなみに王泥喜法介と浅からぬ仲であることが判明したナユタ・サードマディだが、
関係を「家族」にすることで「王泥喜法介の世界一の大親友は葵大地である」という設定をブレさせなかったのは秀逸だと思った。
まあ親友だと成歩堂と御剣の二番煎じ感が増してしまうしね。

あと今後やってほしいのは「牙琉」関連と実母の話だが、
過去作のネタバレを極力しない今の方針のままでは厳しいだろうか‥‥

大逆転裁判2 ~あのさこれ実質4じゃない?~

4というか王泥喜法介中心で語っているため6が最後だと綺麗なのだが、
6の後に出た作品があるからそれについても書かねばなるまい。
というか、そもそも自分はその作品を待ち望んでいた者の一人である。

大逆転裁判2、成歩堂龍ノ介の物語に決着をつける作品だ。

正直に言おう、成歩堂龍太郎が刺さったと。
前代未聞の男装女子の操作キャラ、
テーマ曲がいいのもあって個人的にはもうちょっと動かしていたかったが仕方あるまい。

なんというかまあ、いい意味でいろんなものをひっくり返してくれた作品だと思った。
ホームズの「相棒」の正体とか!!!!!!!!!確定するまで分からなかったよ畜生!!!!!
本当にすべての伏線が回収された、素晴らしい作品だった‥‥

自分の視点だと、大逆転裁判シリーズは「逆転裁判4のリベンジをした作品」に見えた。

前述したように、ホームズの事務所のメンバーの関係性は「どこか」で見たことがある。
それは言うまでもなく逆転裁判4における「成歩堂なんでも事務所」だ。

頭は切れるが掴みどころがない主、
それに養育されつつも世話も焼く少女、
そこに転がり込む新人弁護士の主人公‥‥
と言った組み合わせだ。(大逆転だと寿沙都さんも追加されるが)

そして大逆転2ではこの「4のリベンジ説」が補強される。

法だけでは裁けず悪事について自ら話す最後の犯人。
実は生中継されていた最後の法廷。
結末を決めるのは中継を見ていた人物。
それによって犯人はブレイクし、今後の法曹界も変わっていく。


さて、これは逆転裁判4と大逆転裁判2‥‥どちらの話だろうか?
まあ、どっちもである。

そして、4に関して話さなければならないことがもう一つある。

このゲームには逆転裁判4の小ネタが存在するのである!

「成歩堂なんでも相談所」に!!!!!!!

「目の前の相手がウソをついたらシメつけて教えてくれる《腕章》」(しかも左腕につけるのを前提に話している)!!!!!!!!!


これはどう考えても「成歩堂なんでも事務所」と王泥喜法介の「腕輪」だ!!!!!!!!!!

そう、巧舟氏は逆転裁判4のことを忘れていなかったのである。
それが本当にうれしかった。
彼が逆転裁判4のネタを扱ってくれたことが本当にうれしかった‥‥

おわり

一応、これで自分の逆転裁判歴はここで終わりとなる。
何しろ、コラボ作品を除けばもう作品が残っていない。

現在は発売から数か月おいて購入した「王泥喜セレクション」によって、
王泥喜法介とみぬきちゃんに滅茶苦茶に脳を焼かれている最中である‥‥

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