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病院漬けの日々

※婦人科系の話なので大丈夫な人のみどうぞ


排卵出血

 内痔核切除の手術後、お腹の不調や食欲不振、術創の腫れに悩みながらも、なんとか時間をかけてでも乗り切ろう! と思っていたら。

 突然の出血。

 ああ〜これは先月もあったわ。急に始まったけど、排卵出血というらしい。
 生理だけでも大変なのに、生理と生理の間にも出血するようになってしまって、これが毎回なら面倒だな〜、ぐらいに思っていた。

 そうしたら。

 ドッ、と血が出る感触。
 え。待って、この量やばくない?
 ド、ド、ドドドドド……!!

 待っ…痛っ…苦し…!!

 それは生理2日目以上の出血だった。

病院へ

 日曜日だったのでその日は耐えて、翌日1/6(月)。本来は復職予定だった日。今はとてもじゃないけどそんなことは言ってられない。

 幸い、病院は空いていた。すぐに呼ばれ、診察へ。でも私には問題があった。

 婦人科の内診の器具。「クスコ」というんですけどね。
 あれが、入らないんです!

 何度やっても途中で痛くてギブアップしてしまう。
 他の人に聞いても「あれは痛くて嫌だよね」と言ってもらえるけど、でも…他の人はどんなに嫌でもちゃんと検査ができている。私は恥ずかしさなんてゼロだし、婦人科系でも患部は患部だから診てくれればそれでいいと思ってるのに、ちゃんと検査ができない。

 だから普段は、お尻から器具を入れるのだけど…今回は無理。術後少なくとも1か月は経たないとダメだ。

 ということで、止血剤だけもらって終了。

急な無力感

 もらった止血剤。
 先生や薬剤師さんに何度も安全性を確かめたけど、副作用「下痢」「食欲不振」「血栓」があまりにも怖い。

 え、だって私、この数日間必死でそれを治すために足掻いてきたんだよ。
 ようやく今朝は肉まんが半分食べられたし、家族が作ってくれるうどんやお蕎麦もおいしいと思えるようになった。
 術創の腫れは、血栓…かどうかはわからないけど、膿瘍だったら怖すぎるからせめて血栓で、溶けたらオッケーであってほしい。

 それが急な服薬で悪化したら…
 そう思ったら怖くて怖くて、出された薬…飲めなかった。

 私、何やってるんだろう。
 病院まで行って、何ひとつわからなくて、薬も飲めなくて、不安なままで、何やってるんだろう。

 ちゃんと自分で勇気を出して、先に進まなきゃいけないんじゃない?

 そう思ったら、疲れきっているのに寝ていられなくなってしまった。

再び病院へ

 器具を入れてもらおう。
 そう決意して病院に電話し、再び向かった。
 どんなに痛くても、叫ぶことになっても、検査なんだから出来ないはずはない。
 たくさん苦しいことに耐えてきた私が、これしきのことが出来ないなんて、そんなのは覚悟が足りないからだ!

 そう思って再び臨んだ病院。推し人形を持って、待合室では一切スマホを見ずに、ただ真っ直ぐ前を見据えて。

 すぐに名前が呼ばれ、診察室へ。

 なんとしても内診にトライしたいことを告げ、台に乗らせてもらいました。カーテンの向こうから先生がゼリーを塗ってくれます。

先生「大丈夫ですかー?」
私「大丈夫です」

 器具が入ってくる。

先生「大丈夫ですかー?」

 ちょっと痛いけど、痛いと思ったら「大丈夫」と答えると決めていた。

私「大丈夫です…」

 その直後、器具が行き止まりにぶつかった。
 えっ。何この感じ。
 いや、いつもそうだった。トライするたびに、この行き止まりに阻まれた。
 いつも、この行き止まりで我慢できなくて、痛いと言ってしまっていた。

 これ。そう、これ。
 ねえ、なんで行き止まりがあるの?
 人間の内臓って、管だよね??

 黙っていると、先生が「少し診察しますね」と。
 何かが入ってきて、行き止まりを探る。痛い。とても痛い。

先生「この部分が、私の小指とギリギリ同じぐらいの太さなんです。器具はもっと太いので、どうしてもここが突破できないんですよ」
私「え…」
先生「お腹の上からエコーにしますか?」
私「はい…」

 あっ!!
 しまった!!
 また逃げてしまった!!!

 気づいた時には遅く、私は台から降りていて。
 もう、大泣きしてしまった。

 
 どうして。何度やっても私だけできない。なんで、なんで、なんで、悔しい。
 一生検査できないの?
 子宮や卵巣に不安があっても、私は一生検査できないの?
 なんで!

先生からの説明

 性体験を重ねれば少しずつ広くなるから、と言われ、私はセクシャル・アイデンティティが理由でそれができないことを伝えた。


 気休めかもしれないけど、お腹にゼリーを塗ってエコーを。
 先生と一緒に画面を見ながら、卵巣にも子宮にも血がたくさん溜まったりはしていなさそうなことを確認。

 あとはお尻の治療が終わったら、腸側から器具を入れて診てみよう、ということになりました。

 それほど血が溜まっていないなら、この出血もそのうち止まるのかな。
 だとしたら、やっぱり止血剤は飲まなくてもいいかな。

 副作用が怖いのもあるけど、私はすでに薬漬けだ。
 メンタルクリニックで10年以上もらっている薬に加え、今は術後のロキソニンをいつ飲むか考えるので精一杯。そのうちお腹を下した反動で便秘になんてなったりしたら、酸化マグネシウムという、これまた調整の難しい薬を飲まなければならない。

 できる限り飲みたくないな、止血剤。
 そんなことを考えて、家に帰った。

情けないけど

 病院代、高いのに…何もできなかった。
 思い通りにならない体が情けなくて、温かい家の中に入っていくことさえ少し抵抗があった。

 どうしてこんなにだめなんだろう。
 役立たずで病気ばかりで。
 こんな私、いらない!

 そんな気持ちもまだある。どうやって生きていけばいいのかわからない不安もいっぱい。

 でも、内診ができないのは仕方ないのかもしれないと、半分くらい自分を許せました。
 器具のほうが太かったら、私の内臓を削らないと入らないってことだよね。それは確かに、できなくても仕方ないというか…私のせいじゃなくない?
 あのまま入れてたら内臓が削れてたんでしょ?(そうは言ってない)

 そんなこんなで今は、早く出血が止まらないかな〜と思いながら、術後の回復に努めるモードに戻っています。

 なんか病気って、SiユーザーがSiを使って生きようとするたびにそれを挫いてくるのよね。
 なんとか理解して自分のルーティンに組み込んでも、また未知の不調が出てくる。

 だけど、確実に治るものもあると信じてる。

 不安ばかりで記事も暗いものばかりになってしまって申し訳ない…! けれど、こんな体験も「1日1行小説」でなんとか笑い話に変えようと試行錯誤していたり、病院に行く時も推し香水をつけていたり、私らしいところもまだまだ生きているので…! 私はきっと、良くも悪くも変わらないんじゃないかと思います。

追記

 1日1行小説の主人公は男性なので、私と同じ不正出血は使えない…ということで、鼻血が止まらない設定で書いています。鼻血が止まらないのに、鼻を取り外すペンチに対して鼻の強度が低くて取り外せず、検査ができなくて落ち込んでるところをさっきメモ帳に書いてました(どういう報告!?)



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