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無題、あるいは新発売のニッカフロンティアについて
十月一日に新しく発売されたニッカの「フロンティア」のお話です。
発売日に近くの大きめな酒屋を覗くもすでに完売していて無念でしたが、二日後に別の酒屋に寄ると箱入りのものがふつうに並んでいました。その安さから話題になっていたためにしばらく品切れがつづくのかしらと危惧したものの十分な量が流通しているようでひと安心です。
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わたしはニッカ贔屓でジャパニーズなら余市が大正義とおもっているので九十周年の記念商品であるフロンティアはやはりすこし気になっていました。500mlで\2,200という価格からどんな仕上がりなのだろうかと興味津々でいましたが、予想よりもおいしかったです。
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スモークさを売りにしているだけにきちんと煙たい香りがして、余市のような甘さも感じます。一方でピートはあまり感じず、正しいかはわかりませんが余韻として牧草のような香りが残ります。意外だったのは48%という度数であってもアルコールの刺激がさほど強くなく、後味もおもったより軽いということです。価格からしてもうちょっとアルコール感が強くて飲みにくいだろうと予想していたのに無加水のストレートで無理なく飲めました。
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せっかくなので手元にあるニッカの他のブレンデッドと較べてみたところ、余市をキイモルトにする蒸留所限定の「ピュアモルトブラック」に方向性は近い気がしました。ただしあちらはピュアモルトかつ ”ジェネリック余市” と云うべき味と香りなのでそこまではっきりとした個性ではなく、そのようなニッカらしさをできるだけ安価に表現しようという意図と気概が垣間見えました。
印字の「原料原産地名」で「英国」がはじめに記載されているので輸入原酒をメインにしつつも余市のよさを引き出す絶妙なブレンドを模索した産物なのかもしれません。蒸留所でたまに視聴するブレンダーさんの映像を思い出しつつ感謝しながらおいしくいただきました。ただ一点、もうすこしよいものと較べると、ちょっと多めに飲むと頭が痛くなりそうな気配は感じます。
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酒屋で無事に入手した二時間後に最寄りのスーパーに\1,980で売られているのを目にして吃驚しました。なんにせよこれが手軽に千円台で買えるのであれば喜ばしいことなので、今後も常備しておこうとおもいます。