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絵本と、詩と、音楽と、

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今日は楽しみにしてたライブだってのに、それを忘れそうなくらい毎日制作のことを考えている。

文学フリマまでに用意したいものが多すぎて、間に合うか本当に不安だけど、きっと火事場の馬鹿力なかんじで、なんとか間に合わせるしかないんだろう。平日に少しでも作業が進むといいな。

ライブに行くので、唯一持っているそのバンドのグッズ、丈長めのトレーナーを着ていきたい。でもこのトレーナー、何度か着ようとしたことがあるけど、サイズ感というか着心地というか形が体に合わなくて、いつも諦めてしまう。今日は気候もちょうど良さそうなのでできれば着たい、と思いつつ合わせを考えながら裾を2回内側に折り込んだら、初めてしっくりきた。少しダボついているけど、下に緩めのスカートを履いてしまえばバレなさそう。スカートのライブ行くからスカート履いたわけじゃないよ?グッズのトレーナーに合わせたらそうなっただけ。

昨日はめずらしく子どもみたいな時間に眠くなって、爆睡して朝早く起きたので、午前中に製本しようかと思っていたのに、パソコンのデータと写真を整理していたら昼になってしまった。

起き抜けに、Little Wise Wolfという絵本を読んだ。オランダの作家さんの絵本で、英語に訳されたもの。近所にある英語教室で、海外のすてきな絵本を取り扱うオンライン本屋さんがたまたま出張販売していたのを見つけて立ち寄り、数冊迷って選んだ一冊。絵の雰囲気でしか選んでなかったのだけど、今朝、本棚に並べている表紙を眺めた時に、小さな賢いオオカミか…と思って、ふとどんなお話か気になり、時間も気分もゆったり読めそうだったので読むことにした。

ネタバレですけどあらすじ。
(※注意:なんちゃって意訳です。)

山に住む小さなオオカミは、毎日、本ばっかり読んでいて何でも知っているから、小さな賢いオオカミと呼ばれていた。クマやウサギなどが彼を頼って訪ねてきては、質問やお願いをするのだけど、オオカミは「読まなきゃいけない本がたくさんあって忙しいから、君たちの質問には答えられない!」とずっと扉を閉ざしていた。
ある日、王様から「わたしは病気だ。賢いあなたの力が必要だ」という手紙を受け取って、悩んだ末、王様の所へ行くことにした。山あり谷ありな道に、自分の無力さや無能さを感じるオオカミ。途中で、クマたちの助けに救われ、無事、王様の元へたどり着く。元気になった王様から「かかりつけの医者になってくれないか。」という提案をがあったが、クマたちにもっと教えてもらうことがあると言って山に戻り、訪れる動物の質問に答えたり教えたりしながら、なぜか前よりたくさん本を読んで星を見ることができている。

というようなお話だった。

読み終わって、自分もついつい、余裕がないからと断ってしまうことがあるけれど、人に助けてもらうならば、自分も人を助けるべきだし、そういう関わりが、大切な繋がりになっていくのだよなぁ、と当然のことを、改めて実感して身の振りを省みようと思った。

Little Wise Wolfは子ども向けの絵本で、読んでみたら、難しすぎず簡単すぎず、今のわたしの英語力にとてもぴったりだった。そうか、外国の絵本を読むというのが、もしかしたら英語や、あわよくば絵についても、無理なく生活に取り入れられるのかもしれない、なんてことを考えて新しい発見をした気持ちになる。

英訳もしくはバイリンガルで書かれている本を少しずつ集めてみたら、自分で読んだり、バイリンガルな本を作るために参考になるかもしれない。先日手に入れた詩集もそうだし。

「絵本はあなどれないですから。」
そんなわけで行くことにした国立の本祭りで、絵本を手に取ろうとした時に、言われた言葉。いや、本当にその通りだなぁと、まさに今のわたしが感じていることを言葉にしてもらったかのような気分になった。

本祭りで本を眺めていて、ふと、ヤングアダルトくらいの?小中学生に向けた本の装丁やデザインが気になり始めた。そういえば自分が本を好きになったのは、小中学生の時に読んでいた本達のおかげだし、わたしにとって本とは、本の佇まいやデザインとは、このような本のことを指すのだよなぁ。もし商業の本をデザインするならば、小中学生向けの本をデザインするのがわたしにはいちばん楽しいのかもしれない?

製本作業を優先するか迷ったけども今日一日しかないし、ということで訪れた本祭り、想定していたよりも色々な方と出会えて、お話できて、とっても実のある時間になった。行ってよかった。

つくろうと思いついてから完成を見るまでは1〜2年かかる話や、何年先を見ながら活動しているか、という話。勝手に親近感を感じたり、参考にさせていただきながら自分のことを考えられたりと興味深かった。

物書きさんと話して、その人がどうしてその手段で表現しているのか、書く時に何を考えたり、どういう段階があるのか、という話を聞くのが面白くて、出会う人出会う人に聞いて回ってしまう。自分との違いを知ったり、普段は馴染みのないジャンルに興味を持てたりして、とっても楽しい。今日も大きな収穫があった。

詩は、文字を扱う表現の中でも、制限もない、文法もない、どんな形でも詩としては成立する、という話を聞いて、すごく面白そうだと思った。自分が理解できるかは分からないけど、もう少し詩のことを知ったり、つくることを体験したりしてみたいと思った。

その後にライブを観ていて思ったけど、もし詩が書けるようになったら、音を載せるための言葉も書けてしまうのかもしれないな、と思ったら、俄然、興味が湧いた。楽しそう。やってみたい。そのうちに。

楽しみにしていたライブ、行けてよかった、本当によかった。

ラッキーオールドサンとスカートの2マン。好きなバンドと好きなバンド。最高。

ラッキーオールドサンは、ドレスコーズの志磨さんがおすすめしたCDをずっと気に入ってリピートして聴いていて、生で聴くのは初めてだった。CDで聴いていて想像はしていたのだけど、その予想を上回る、透明感というか、穏やかなようにみえて、静かな熱があるような。声がきれいなのはもちろん、全身を楽器のようにして歌う姿と、聴き心地の良いギターと、ゆるいMC。特にマイク1本を中央に置いて、2人でそのマイクに近づいたり離れたりしながら歌うのが印象的で、目に焼き付いている。CDだけで聴いていても分からなかったことがたくさん、ライブにはあった。彼らをライブで観られたことの嬉しさに、何度か涙が込み上げそうになった。

スカートはバンド編成だと思ってたら違って、弾き語りだった。CDではバンド音源ばかり聴いていて、弾き語りはお店でやっていたライブなどの動画でしか観たことがなかったので、ギター1本で弾き語る澤部さんを生で観るのは初めてで、なんだか新鮮だった。
バンド編成のあのキラキラした音たちを聴くのが好きなのだけど、弾き語りのしかもライブハウスでの演奏も、やっぱり良かった。あんなに熱を込めてジャカジャカと、ギターの弦が切れてしまうのではと思うほどに激しく、感情を込めて弾く姿を初めて観た。弾き語りなりのアレンジがきっと多めに入っている気がしたけど、バンド音源が浮かんでくるくらいメロディアスで、ギターやフレーズの使い方も幅広い。歌声もいつもより奥深く聴こえ、伝わってくる澤部さんの想いが、聴こえてくる音を増幅していた。

「本を読もうよ」という曲、全く知らない曲だったけど、しばらく本のことばかり考えているわたしには嬉しい選曲だった。きっとCDを買いたい。

澤部さんが実家の猫が亡くなりそうになるという連絡をもらって、高速道路を急いでたけど結局間に合わなかった時に、すみれ白書という漫画のシーンを思い出した話があって、そこで描かれている夜間飛行という本の話と、そういうものを混ぜ合わせた曲について、話して、歌っていた。
タイトルを聞き逃したので、帰宅して曲を探したら、「それぞれの悪路」という曲だった。何度か聞いたことある曲だったけど、そのような由来があったことを知ってから曲を聴くと違う意味を感じられる気がするし、CDで聴き慣れたはずのアウトロをすごく熱を込めて弾く姿に、これを書いた時の澤部さんの気持ちが伝わってくるようで、じんわりとした気持ちになった。


漫画があって、本があって、音楽があって、詩があって、言語があって、絵があって、表現があって、生活があって、経済があって。

全部繋がっているのだな、と思った。

表現の分類はあれど、境目は無いような気がした。あらゆるものを分けずに、繋げて、扱えたらきっと楽しそう。

いちにちでこれだけの物事を考えて、繋がったのは、なかなかない体験だった。
行きたい店とやってみたいことがどんどん増えていく。自分なりのペースでひとつずつね。


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外国の絵本屋さん:Read Leaf Books
ウェブサイトでは店長ねずみくんの1日の様子が見られます。動いてます!

インスタで扱っている絵本を一覧で見られます。全部すてき。
▶︎  readleafbooks


Little Wise Wolf

Read Leaf Booksさんのインスタ紹介のページも素敵なのでぜひ。
▶︎ https://www.instagram.com/p/CKctCigjRDy/?utm_source=ig_web_copy_link


旧国立駅舎の本祭り


ラッキーオールドサン


スカート


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