零落る、
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零落。
ドレスコーズの志磨さんが音楽を担当しているから気になってた映画。「零落ナイト」という豪華イベントもあるので、観なければ!と思っていたが行くタイミングを見つけられないままになるところだった。
ラッキー休日が発生したので、何しようかと思いつつ寝ていて、零落を観に行きたかったことを思い出せて良かった。
想像はしていたが、暗い、というか、
創作をかじっている身としては、なんとも言い難い感情になった。
作品としてとても好き。
志摩さんだけじゃなくてコレぴょんとか永積崇とか知っている人が出ていたことも、大好きなスーパースーパーサッドが挿入されていたことも。それらの、私が好きな人達を起用してくれているあたり、「売れるだけを目的とする」商業の世界へ反発する、主人公の姿勢と一致しているとも思え、嬉しかった。
原作を読んでいないので分からないが、女性役も全体的にかなりハマっていたのだろう。とくにちふゆさんのルックスは個人的に好みすぎて、あらゆるシーンでまじまじ観てしまった。お店が用意した服と、手持ちの私服で全然雰囲気が変わってしまうのもかなり良い。お店で演じている姿も素敵だけど、普段はどちらかというと快活で、少年のように手脚を動かして歩く姿も微笑ましかった。
零落る、という感覚。
何かをつくるという世界を知ってからまだたった3年だけど、分かるような気がした。
周りの人がみんな流行りばかりを追いかけて、それを100円になった漫画や、無料の違法ダウンロードで探している世界の中で、
自分が心の底から面白いと思う感覚を信じて、それを突き詰めるという行為は
本当に孤独で、苦しいものだと思う。
そうやって思い詰めている中、優しい言葉をかけてくれる存在がいることが、どれだけ有り難いことか。
それにしても主人公は、常に自分のことしか見えておらず、その姿はあまりにも、リアルだった。上手くいかない苦しさを「売れる」ことで無かったことにした彼は、さらに横暴になった。
彼の選んだ行動は、理解もできるし、共感もできるが、それが正しかったとは言い難い。
わざわざ世の中の流れに反いて、本心に従って生きていても、良い結果に繋がることはなかなか難しい。
世の中はいつもエンターテイメントと、有益な情報ばかり求めている。ビジネスを回すには「売れる」必要がある。
それでも、大衆ウケを狙わず、本当に大事にしたいことを見つめて作品をつくり続ける人もいる。だからユーロスペースがある。文化が、芸術が続いてきた。
ユーロスペースには、初めて入った。
ミニシアターという空間。いつからか、メジャーな映画館とは別に、そういう場所があると知って、憧れていたもの。まだ、何件も行ったこともないのだけど、なんだかすごく落ち着く。
映画や文化を、深く愛する人達がいるから、この場所が続いているのだと感じる。
東京はすごいな。たくさんの文化がひしめきあって、いろいろな視点を得られる。もっと満喫しないともったいない。
近くの喫茶店に寄って、サンドイッチセットを食べた。若者ばかりだったけど、もうすぐ閉店と聞いたら、すぐに帰る人が多くて意外だった。古い喫茶店の定員さんって、意外と、若くて愛想の少ない人が働いてることが多いかもなーなんて、ふと思う。
映画の中に出てきた、線路沿いの喫茶店、あれどこだろう。行ってみたい。
写真撮りつつぶらぶらとヴィレバンや本屋に寄って帰った。ラッキー休日、満喫しすぎたぜ。
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