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非エンジニアの法務が、AI開発について学びたいときの本

AI開発契約を審査するときに、「システム開発の業務委託契約と同じ視点でいいのかな?」と悩んだことはありませんか?

実際にAI開発にはいろんな手法・目的(段階)があり、システム開発とは異なる概念・アプローチを採用することになるので、ユーザ(発注者)とベンダ(受注者)間の契約交渉は、なかなか相入れないこともあったりします。

法務にとっては「やっぱりちゃんとAI実務の基礎を学ばないとなっ!」と勉強意欲が増す場面でもありますが、文系にはチンプンカンプンの世界がパァーーーッと広がり、一気にやる気をなくすか、やればやるほど楽しくなって当初の目的からどんどん遠ざかるか(笑)、どちらかの結末が待ってます。

ー どうすれば効率よくAIの実務を把握できる?


初歩すぎず、技術的すぎず、経営視点ってほどでもない、ふつうの非エンジニアである法務担当者が読んでおくとよいのでは、と思う本をいくつかご紹介します。どれもすごくお勧めです!


「AI人材にいま一番必要なこと」

2023年7月出版と、比較的最近の本。これは営業や企画職の方がぜひ読むべき本でもあると思います。(社内で読書会とかしたい。)
特に「第2章 AIをビジネスに導入する際に陥りやすい落とし穴」が秀逸で、契約トラブル想定の助けになりました。


「図解即戦力 AIエンジニアの実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」

2021年2月出版の本。タイトルどおりAIエンジニア向けの本なので、・求人キャリアの内容など法務に関係しない箇所もあります。
それでも買う価値があると思うのは、AIエンジニアが実際にどのようなことをするのか、AIシステムの概要や開発ステップなどを、すごく簡潔にカラーの図で読めるところです。
短時間でサクッと概要をみて、後日パラパラめくるのに最適です。


「AIビジネス大全」

2022年12月出版。NECの方が書いた本です。早くからデータの使い道・将来性を考慮したDX、AIの検討をしてきているだけあって、AIシステムの開発だけでなく、どうデータを活かすかなど、ビジネス推進の現場視点で書かれているのが特徴的。大企業の法務の方なら、馴染みやすいかもしれません。

結構分厚い本ですが図解や大きめの文字で読みやすく、流れの速いこの業界で2年前に出版されながら、古めかしさを感じることはありません。


G検定の本

「ディープラーニングG検定 公式テキスト」

資格を取らなくても(とっておくことをお勧めしますが)G検定の知識は、AI会社の法務業務にも役に立っています。

正直にいうと、法務が知らなくても全く問題ない知識ばかりではありますが、AIの世界で当たり前の用語・知識やAIの仕組みなどは、今もしっかり記憶に残ってます。

合格率は70%くらいで、オンライン(自宅受験)、しかも設問の一部はセキュリティや倫理など法務が得意な(?)社会問題系なので、120分200問の試験対策をすれば合格できるかな、と思います。

https://amzn.asia/d/8rxvfGS


以上、私が買って読んだ4冊をご紹介しました。

AI開発の契約について法務向けに書かれた専門書はまだ少なく、ほとんどが生成AIに関する内容(AIとはちょっと違う)なので、鋭意探索中です。

まだ読んでない本、チェックだけしている良さそうなAI系の法務本もたくさんありますので、また別の記事でご紹介したいと思います!

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