社会1ミリグラム

去年の4月に、会社員として社会に飛び込んだ。
学生という、保護されて生きている状態がもどかしくて、一刻も早く社会に出たかった。

会社員として働き始めて10ヶ月、今月でその社会から脱出する訳だけれども、別の社会で思い出したらラッキー、なことがあるかもしれないし、
もしかしたらいつか、戻ってくることがあるかもしれないし、

まあいつかの自分に向けて、
働いてみた所感と、少しの会社員tipsみたいなものを書き残しておこうと思う。




怒られても落ち込むな〜

大人になると誰かに指摘される機会はぐんと減る。
宿題やったの?なんて怒ってくれる親もいないし、
ちゃんと練習しなさい!って叱ってくれるピアノの先生もいない。
中高大と、3〜4年単位で生きてきたらリーダーとか誰かをまとめる立場になることも多かれど、社会人という箱に入ると急に、30〜40年単位の下っ端になる。そりゃあ、色々と指摘されることも増えるわけで。
久々ここがダメだ、これもできてない、立て続けにミスが続いたりなんかすると、ちょーっとヘコんでしまうことだってある。
でも言えることは、仕事について指摘されたとき、指摘されているのは社員としての私であるということ。
大学時代色んな会社でインターンしてそれなりに仕事経験はあるだなんて思っていたけど、そりゃあその道何十年の上司からしたらただのペーペー。
思い込みだけのプライドを持っていた私は最初こそ仕事出来ないと思われるのが悔しくて凹みそうになっていたけど、仕事について指摘される=人格否定されている訳では無い、と思えば、
私自身は出来るはずのやつ、
出来るやつは指摘されたことを淡々と直せるやつ、
と思えば多少の叱りも受け入れられるようになった。

もちろん!パワハラはよくないよ!
でも、指摘されるより、期待されず無視される方が辛いので。

伸び代しかないわ〜!のメンタルで行くべし。


企業という鳥籠

会社は、意外と社員を守ってくれる。

まず、雇用している以上、最低限生活できるだけの給料が保証されている。
正社員は相当理由がないと解雇できないはずだから、それなりに真面目に仕事していれば、生活が脅かされることは今のところない。(数十年後の日本がどうなっているかは別だけども)

会社員として働く環境もある程度保証されているなと感じた。
何かあったときの代わりを用意してくれている。勤務日でも休みたいと思えば「有給」が取れるし、どうしても上司との反りが合わなければ、別部署に異動することもできるかもしれない。
社員が「働き続ける」ことを最優先に、まあまあ動いてくれる。

週40時間の拘束と引き換えに、生活は守られている、鳥籠みたいなもんだなと思った。

これはマイナスな意味ではなくて、法外なことがあれば通報ができるし、何かあったときに相談できる第三者が社内に沢山いる、ミスをしてもフォローしてくれる人がいる、いい環境。


給料を上げたい!

各会社には「評価制度」がある。評価制度の内容によって、各社員の給料が決まる。

その会社が何たるか、は評価制度で決まると言っても過言ではない。評価制度は会社が何を重要視していて、何にお金を出すか、という定義書のようなものだから。

だから、給料上げる方法は、評価制度に沿って成果を出すこと。スキルがあること、気持ちいいコミュニケーションを生み出せること、もちろん働く上ではとっても大事なのだけど、給料を上げるという一点に関しては、会社の評価制度と自分の能力のベクトルがどれだけ一致しているか、に尽きる。

会社員の立場から見ると、評価制度を見ることでその会社がどんな方向を目指しているのか測る基準にもなる。あまりにも自分自身の目指す方向性と違うと思えば、それはその会社を去る時かもしれないし、もしくは、もっとこうして欲しい、と声を上げるチャンスかもしれない。

もうひとつ、給料あげる方法、それは長く続けること。

これは終身雇用万歳!ということが言いたいのでは決してなくて、
蓄積された知識と経験が何よりの財産であるということ。
1年目には2時間かかっていた仕事を3年目には1時間でできるようになったとしたら、それは時給が倍になるだけの価値がある。
出てくるアウトプットは同じでも、継続して慣れることで、時間単価をあげることができる。

ほうれん草

ほうれん草、ほうれんそう、報連相。
もう何十万回聞いたこの言葉。

ちなみに私は何回指摘されてもこれが完璧にできない。難しい。
「報告」「連絡」「相談」って単純なことなんだけど超難しい。

同じ企業名を名乗ってチームとして動いている以上、「それ知らなかった」は全てのトラブルの原因。あっ言うの忘れてた、そのちょっとした落ち度が火種になりかねない。

短い会社員期間の中で私が学んだ対策は、
「やろうとしていること」「やっていること」「やったこと」を全て共有すること。
そして共有する場を意識して作ること。

それから、マインドとして「隠そうとしない」こと。

ちょっと後ろめたいことがあって隠そうとしたら大体事故る。
あっやらかしたかも、って段階ですぐ言う。ごめんなさいで許される間に言っちゃうこと。

って思ってても私はいまだにミスする。
この次に書こうと思うけど、気をつけてもミスしちゃうことは、次からは気をつけるように落ち込み反省するより、気をつけなくてもいいように仕組みを変えた方がいい。

ちなみに、報連相ができることとコミュ力は全く別物。

別物だからこそ、コミュ力がある人は報連相の漏れをある程度カバーできちゃったりする。それもひとつの能力なのか?どうなのか


人のせいじゃない

人間はミスする。どーーーしたってミスる。

ミスした…やらかした…どうしよう…って落ち込んでどんだけ反省したってどうせまた1ヶ月後にミスする。

何とかしようと思ったら、ミスし得ないように仕組みの方を何とかするしかない。

ダブルチェックを通すフローを作るなり、
何か便利なツールを使うなり、
方法はいっぱいある。
それが現代における知恵であると思うし、
そのあたりを手助けしてくれるのがテクノロジー、だと思う。

まあ、ちょっとやそっとミスするくらいでもおもろいやん、とは思うけどね。

ビジネスの世界だとおもろいやん、なんかで昇華したらまずいのでそういう訳にはいかない。残念ながら。


やりたい仕事は降ってこない

正社員として採用されて、実際に部署に配属、仕事を割り振られるまでの流れにはいろんなパターンがある。

就活時点では部署は決められず、入社して、研修期間を経て、各部署への配属が決まるパターン、
就活時点で部署と業務内容が決まっていて、入社と同時に特定の部署に配属されるパターン、
入社前からインターンシップとしてすでにプロジェクトに入って働き始めるパターン、などなど。
部署配属は、就活や研修の様子で勝手に決められる場合もあれば、希望の部署を自分で決められる場合もある。

まあ、どんな場合にせよ、自分の希望は強く主張し続けた方がいい。
それは、こんな仕事がしたい!という強い意志のあるものであればもちろんいいし、逆に、こういう働き方は嫌、こういう仕事はどうしても避けたい、そういう願望みたいなものでもいい。
こうしたい、がないと、気づけば都合のいいところにポンと置かれる。
やりたい仕事は勝手に降ってきてはくれない。

希望が通るのは入社してすぐの場合もあれば、数年後かもしれない。
どうせ週何十時間もその会社で過ごすなら、ちょっとでも自分がいいなと思える場所にいた方がいいに決まってる。もしその立場を得るために努力が必要ならするべきだし、会社に求めるものが別のところにあるなら、最低限の力でやり過ごすのもありだと思う。

どの会社でも、想定されるキャリアパスみたいなものがあることが多い。
例えばIT業界だったら、プログラマーとしてゴリゴリコードを書く技術者になるのか、チームを率いるプロジェクトマネージャーになるのか、とか。あなたはどんなキャリアを進みたいですか?は就活の時はもちろん、入社してもずっと聞かれるし、多分岐路に立つ度に突きつけられる。
個人的にはどっちもやってみて決めるのが、後々迷わなくていいなと思った。自分の経験より根拠になるものはないから。ちなみにどっちかを選べって大体言われるけど、どっちもって欲張るのもありだと思う。私はどっちも選びたいって思っちゃう。

外面と内部

大体、みんな白鳥。

どんな現場も、すました顔しながら水面下でジッタバタ暴れて結構ギリギリで頑張っていたりする。

これはスキルが上がれば解消されるものでも、環境が変われば解消されるものでもないと思う。最適化、みたいなものが働いて、まあなんとかかんとかみっちりで仕事が回るようにできている気がする。

ただもちろん対お客さんに対して、報酬をもらっている以上きちんとプロの仕事をしなきゃいけなくて。
外に見せるもの、内部で対処することは多少分けなきゃいけない。

例えば締切。
期限があるものに対して、お客さんには19時までにお渡ししますっていう、内部では10時を締切に設定する。そういう外と内の使い分けが必要。

規模拡大とルール厳格化

ルールというものの意義をよく考えていたのだけど、価値観を見える形にしたものがルールだと思う。

価値観は人の数だけあって、人数が多くなるほど向く方向もバラバラになる。
よく、規模が大きくなるとルールが厳しくなって窮屈になることがあるけれど、大人数を同じ方向に向かわせるには、決まりごとを作ってしまうしかない。

ルールを作る側にとっては運営が楽になるメリットがあって
ルールを守る側にとっては縛られるデメリットがある、
と二極化してしまいそうになるけれど

基本的には自治であるべきだと思う

髪型のしょうもない校則はなくしても良くない?、っていうのと同じように
ルールを守らされる側にも
不合理だと思えば声をあげる権利はある

逆に言うと、声が上がらない限り、変わらない

ルールにただ従うんじゃなく、
決まり事作った方がみんな楽できるよね?じゃあこういう決まり作っていこうよ、そういう向き合い方がいいなと思う

今までよりもっと大きなことをしたい、人数を増やしたい、そう思ったら決まり事が増えるのは避けられない
今までこれで回っていたから、は理由に決してならない

回らない!ってなって初めて対策するんじゃなく、
拡大していくと同時に、緩やかに丁寧に決まり事を作っていけるのが理想だよね


文書が全て、文章が全て!

どんなことでも、文書に残す

口で話したことは何の記録にもならないから!
音声入力でも殴り書きのメモでもいい、何でもいいからとにかく文書に残すこと

数ヶ月後の自分が、みんなが感謝するから!!

そして、書き残した情報がどこにあるか、管理しておくこと

「情報の何がどこにあるかわからない」

これが一番困る。
一回話したはずのことをもう一回話さなきゃいけなくて二度手間になってしまったり、Aさんは知っているけどBさんは知らなかったりするから…そんな事態は防ぎたい。

文書に残すのって正直面倒。
だから、そのためにルールがある
このフォーマットで記入していこう、と決めたテンプレートだったり
写真とかのデータは分類して管理しよう、と決めたフォルダ構成だったり

うまいこと使えば、AIが勝手に会議内容要約してくれるようなツールもあるけど、まあそれは金銭的に導入が厳しかったり、まだ精度低かったりなので必要に応じて。


最後に

こう言うことを書いちゃうと、私の仕事スタイル宣言、みたいになっちゃうかなと少々心配ではあるのですが、(こんなガッチガチじゃないですむしろ基本気分です)
本当に、仕事している中で気づいたメモをちょっと整えただけなので、新人の独り言程度に、受け取っていただけると嬉しいです

どんなスキルよりもマナーよりも、お互い気持ちよく働けるのが一番。

むしろここに書いたことが形骸化しないように、

一つ一つ丁寧に、向き合えたらいいなあと思います。


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