歩く姿は
『立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花』
美しい女性を花に例えた言葉だと言われていますが、もともとは漢方薬の使い方を表した言葉だそうです。
イライラと気が『立っている』人には、シャクヤク。
座ってばかりの人は血の巡りを改善するボタン。
風に揺れるユリのように足元がおぼつかない人には、ユリ(ヒャクゴウ)。
てっきり、これらの花の美しさから、美人を表現する言葉だと思っていました。
植物は動けないので、身を守るための手段として、わたし達哺乳類には毒になる何かしらの成分を持っているものが多くあります。中には死に至るほどの毒を持っているものもあって、それはみんな植物の自衛のためなのです。
そういうものをうまく使えば薬になることを、先人たちは知っていたのでしょう。もしくは、それを発見するに至るまでに犠牲になった方もいたかも知れません。経験が積み重ねられてひとつの結果となり、生活の中で生かされていることに、大きな驚きと感動を覚えます。
ヒャクゴウとして生薬に使われるのはオニユリですが、あの派手さが観葉植物として改良されたものではないということにも驚きです。