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自分のために作る

もの作りの現場って、なぜか心惹かれます。手でひとつひとつ作り出すもの。それも熟練の手作業は、機械にはない何か魂のようなものが宿っているような気がして、その手から紡ぎ出されるものをひたすら見つめてしまいます。

わたしが子どもの頃はユニクロなんてものはなく、洋服はそんなにたくさん買ってもらえるものではありませんでした。もし何か欲しいなら、自分で作るという選択はありました。

しかし、家にある家庭用ミシンでは仕上げに限界があり、作って満足はしたものの、数回着用して放置…なんてことが多々ありました。それでも、自分が着たいものや持ちたいものを作るのは、子供心に心躍る時間でした。

食べたいものもそうです。体に良いからという理由もあることにはありますが、自分が食べたいものって、究極は自分で作るのが一番です。市販のものやレストランで、似たようなものを手に入れることはできますが、『ジャムパン食べたいな。ジャムはイチゴじゃなくてリンゴが良いなぁ』とか、そういう繊細な希望まで叶えるなら、自分で作るのが一番。

もの作りの現場には、そんな繊細な願いを叶える魔法があふれているような気がしてなりません。手仕事に惹かれるのは、きっと『繊細な自分の願いを満たすなにか』を感じるからなのです。

たくさんのボビンと糸たち。作業現場ってなぜかココロオドル。

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