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レスターの夏移籍を考察<前編>   ~スカッド判定~

 現在延期となっているプレミアリーグ。こんな時だからこそ、チームの現状を見つめなおし、来夏に誰を取ってほしいか。誰が来たら合うか。こんなことを妄想していきたいと思う。前編では現状のスカッドを見つめなおし、枚数的にどこが必要なのか、レギュラークラスの補強はどこにすべきかなどを探したいと思います。 最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

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<既に噂されている補強>

現在ベティスでプレーするウィリアンカルヴァーリョ。ポルトガル代表のレギュラーとしても活躍している大型ボランチ。何度かは見たことある選手で、いろいろな記事やその時の記憶を辿るとイメージとしてはカゼミロタイプかなと思う。自分の身体能力を活かした、パワフルなプレーが攻守両面に際立つ選手。中盤で幅広いスペースをカバーし、奪ってからは推進力を生かした持ち上がりが特徴の選手。

守備面ではエンディディと同じような働きが期待される。後は、アンカーとしてどれだけ機能的にスペースを埋める役割をできるかどうか。この辺りはきちんとプレーを見てみたいところだ。(エンディディもどちらかというとがつがつ出ていくタイプの選手だが、彼の場合はそこで取れる&スペースを埋める役割も最低限できるから崩れていない。)

ただし、攻撃面では見劣りするだろう。カルヴァーリョのプレーをたくさん見たわけではないが、エンディディほど攻撃の起点にはなれないだろう。エンディディは攻撃の面でさほど目立たないが、確実にパスを繋ぐことができる。パスのつけどころがよく、スムーズに前の選手に渡すことができるのでリズムができる。カルヴァーリョがボールをスムーズに繋げるかどうかでレスターでの評価が分かれるだろう。

コウチーニョの移籍も噂されているが、金額面も含めなかなか現実的ではないと個人的には思うので今回は触れません。

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それでは現状のレスターのスカッドについて。4-1-4-1をベースにしているが、4-4-2(ダイヤモンド型)や5-3-2などを使う試合もある。

<GK&DF>

ゴールキーパーは、ピッチ上のキャプテン、シュマイケルがレギュラー。フィード能力もあり、セーブ率も高く、頼れる守護神であることは言うまでもないだろう。サブにはウォードやヤクボウィッチが控えており、急いで補強する必要はない。2年後、3年後シュマイケルが衰えを見せたときに新たな守護神の獲得が必要だろう。

センターバックはジョニーエヴァンスとショユンジュがレギュラーを務めている。経験豊富のエヴァンスと急成長中の少し粗削りなショユンジュのコンビは補完性もよく、非常に見ていて楽しいコンビだ。

エヴァンスは決して足は速くないが、準備力の高さとシュートブロックのうまさが際立つ。また、統率力もあり、後ろからチームを的確な指示で支えている。ショユンジュはスピードとフィジカルの強さを兼ね備えている。時々あっさり交わされたり、無駄なファウルをしてしまうところは改善点だが、基本的には対人も強く頼りがいのある選手だ。二人ともプレス耐性が高く、ビルドアップ時のもたつき感はあまり感じられない。ロングパスの精度や、狭いスペースにくさびを通すパスの数・質、空中戦の強さはあまり良くないが、非常に質の高いCBコンビであることは間違いない。

しかし、控えCBは少し寂しい。モーガンは頼れるキャプテンであることは間違いないしチームにおいて重要な選手だろう。見た目通りのフィジカルの強さは今でも健在だ。ただ、36歳という年齢もあり俊敏性に欠け、スピードもない。相手FWの裏抜けへの準備力もあまり良くなく、身体的な面をカバーできていない。ビルドアップ時もボールを持てるタイプではないので、後ろではじき返すミラクルレスターの時は弱点が露呈しなかったが、今のレスターでは流石に厳しいだろう。                   

また、ローン中のベンコビッチもあまりロジャースに信頼されていないため、第3CBの獲得は必須だろう。ヨーロッパのコンペティションを戦うことが濃厚なので、エヴァンスとショユンジュに並ぶ質の高いCBが求められるだろう。エヴァンスは32歳なのでいつ衰えが出てもおかしくない状況。エヴァンスの代わりとなってレギュラーを務められるくらい質の高いCBが望ましい。

サイドバックはプレミア屈指の二人だ。右のリカルドぺレイラは、スピードと運動量を兼ね備えるだけでなく、ドリブル、パス共に高いレベルでこなすことができる。タックル数はリーグトップなど守備面でも素晴らしいプレーヤーだ。クロスの精度を磨けば、世界最高のSBと評されてもおかしくないだろう。一方左のチルウェルも運動量が多く、的確にオーバーラップできる選手だ。ロジャース政権ではビルドアップに絡む時間が増え、少しスタイルが変わったがこちらも万能型の素晴らしいSBだ。対人とクロス対応は若干の不安があり、批判を受ける時もあるが、非常に器用でプレミアでもトップクラスのSBだ。二人ともプレス耐性が高く、レスターのスタイルを体現する選手だ。

控えのSBを見ると、伸び盛りのジャスティンは左右両方でのプレーが可能で、フックスも左SBと左CBを務めることが可能。サブにはもったいないくらい質の高い選手なので、この4人が退団しない限り補強する必要はないだろう。(アマーティも一応右SBできます。)

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<中盤>

アンカーのエンディディは、プレミア屈指の守備的MF。長い手足でボールを奪い取り、素早くボールを繋ぐことができる。空中戦も強く、守備範囲も広いので本当に何でも出来るプレーヤーだ。彼がここ1,2年で引き抜かれなかったことは疑問だ。(めちゃくちゃありがたいけど)

控えを見ると、アンカーを出来る選手はチョーダリーとメンディ。エンディディにも共通するが、彼らはスペースを埋めるアンカー的な役割よりもガツガツボールに食らいつく役割のほうが適している。そのため、チョーダリーとメンディが使われると、バイタルスペースを空けてしまいピンチに繋がる場面が増える。そのため、彼らはIHでの起用を勧めたい。では、なぜエンディディがアンカーで機能するのか。出て行ったときに奪い取ることができることや、スペースを埋める役割もこなせること、空中戦も強いのでCBの前で弾き返せること、ビルドアップ時のスムーズさなどが機能する理由だと考える。

今シーズンはエンディディがケガをしたときに急激に調子を崩した。エンディディの控えも必要な補強ポイントだろう。エンディディは恐らくビッグクラブが狙っているだろうから、来季は残ったとしてもいつ去るかわからない。彼の後釜的な存在でいうと、先ほど話したウィリアンカルヴァーリョが噂に上がるのは納得だし十分現実的だと思う。

左のIHはマディソンが使われている。技術はもちろん高いのだが、そこにミドルシュートやプレースキックなどのわかりやすい武器も兼ね備えている。パスの精度も高く、味方を生かすプレーも得意だ。守備にも精力的に走り、特に2月のシティ戦の守備の意識の高さには脱帽した。

右のIHは共にベルギー人のティーレマンスとプラートが争っている。ティーレマンスは、チーム全体のパス回しをスピーディーにする。特にスルーパスは非常に上手で、何度もキーパスを提供する。ミドルシュートも得意で、クラブ史上最高額でとってきたのも納得だ。              

プラートはティーレマンスほどのパス精度の高さは無いが、オフザボールでのポジショニングが良い。周りの選手に合わせたポジショニングを取り、高い位置のハーフスペースを使うこともある。チームが悪いときの問題点でもある、「バーディーの近くに誰もいない問題」は彼が少しは解消してくれるであろう。守備時もエンディディの脇のスペースを埋める意識も高く、運動量も多い。二人ともそれぞれ良さがあるので、周りの選手や相手のスタイルによって使い分けるのが理想だろう。

控えを見ると、先ほど挙げたマディソンを含んだ3人より守備的なチョーダリー、メンディ、アマーティなどが務めることができるが、基本的にはマディソン、プラート、ティーレマンスの3人が誰も抜けないのであれば、急いで補強する必要はないだろう。

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<サイドハーフ>

右SHはペレス、オルブライトン、グレイがいるが、基本的にはペレスが使われている。ペレスは中に入って周りとコンビネーションしてゴールにも関与する。グレイ、オルブライトンは張ったところから突破し、クロスなどでチャンスメイクするタイプ。オルブライトンのほうがクロスの質は高いが、グレイのほうが突破力はある。守備の意識はオルブライトンが一番高いだろう。グレイは規律を守らない場面も多く、ペレスは単純に中に入るので被カウンターの場面では間に合わない場面が多い。

ただ、3人とも他のポジションと比べて質が低く、より上を目指すならより質の高い右SHを補強するべきだろう。マフレズが抜けて以降、右でハマった選手はいないので、中に切り込んでゴールも決めれて味方も使える左利きの選手がベストだろう。マグワイアの移籍金も含めて、多少金銭的に余裕があるだろうから、ここには少しお金をかけるべきだろう。(もしかしたらグレイを売るかもしれない)。

左SHはバーンズがレギュラーを張って最近は絶好調だ。左はオルブライトンやグレイもできるので、補強は必要ないかと。バーンズはドリブルで長い距離を運べて、最近はゴールにも絡めている。縦突破からの左足でのクロスもどんどん良くなっている。守備の意識も高くなっていて、今シーズンチームで最も成長したプレーヤーのうちの1人であるのは間違いないだろう。

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<FW>

圧倒的エース、ジェイミーバーディーがファーストチョイスだ。単純なスピードは若干衰えたものの、裏に抜けるタイミングの良さはピカイチ。左足やヘディングでのゴールもどんどん増えていて、ストライカーとしての総合力は4年前より上がっている。ロージャスが来てから、中央でプレーする時間が多くなっていて、より得点を取ることに専念できているのも好調の理由だろう。

控えFWのイヘアナチョの存在は非常に大きい。今年に入り、バーディーは2度ケガをしたがそれを埋めたのがイヘアナチョ。残念ながらバーディーほどチームへの影響は与えられなかったが、非常にいい選手であることは間違いない。

レスターに移籍してから早3年経つが、今まであまり力を発揮できず、高額な移籍金だっただけにこの補強は失敗だったと誰もが思っていた。しかし、今シーズンのエバートン戦で途中出場から1G1A。逆転勝利の立役者となると、そこから継続的に起用されバーディーがだめでもイヘアナチョがいるというムードがあった。

バーディーほどの点を取る巧みさはないが、バーディーの周りを動きながらバーディーを生かしつつ、開けたスペースに入って行って自らも点を取る。そのため、両者にとって1トップより2トップのほうが良さは生きる。点を取らなくてはいけない場面では今後2トップを使うことが多くなるかもしれない。

もう1人FWがいると理想的だが、現在スリマニがモナコへローン中。CLに出るのであれば、彼を戻してうまくローテーションすることも可能だ。レンタル先ではある程度結果を残しているので、万が一バーディーやイヘアナチョがケガをしても、彼がいれば心配いらないだろう。個人的には調子も上がってきた彼を戻して欲しいなという思いだ。仮に戻れば補強する必要はないのだから。

<まとめ>

ざっと振り返ったが、主な補強ポイントは3つ。

1、今後エヴァンスの後釜も担える第3CB。             2、エンディディが不在でも安心して任せられるアンカー。       3、右サイドから中でプレーする(できれば左利き)質の高い右SH。  (4、スリマニを戻す。)

中編・後編では実際に誰が適しているか、誰が来たら面白いか、噂とか関係なく妄想したいなと思います。こちらも読んでいただけるとありがたいです。

かなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました! 今後もお楽しみに!                  完        

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