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Leica M-Eはたのしい(ひと月目のレビュー)

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Leica m-e typ220/240を使いはじめてひと月が過ぎた。
こんなに楽しく、使いこなせない日々を送ったのは、カメラをはじめて買った30年前のようだ。
レンジファインダーはライカを始め、マミヤやブロニカ、ニコンを使ってきたことがあるから、レンジファインダー自体がことさらに難しいということでもないはず。

なのに、こんなに難しいのはなぜだろう。m-eをぶらさげて散歩しながら考える。
ああ、ライカMデジタルの出来上がりが読めないことだ。露出、ホワイトバランスがじゃじゃ馬なことだ。つまり画作りの難しさなのだと気がつく。Lightroomをダウンロードしてしまうくらい、カメラ単体では良い結果が導き出せない。

一方で、レンジファインダーによって、ピント合わせの苦労から解放された。一眼レフのスクリーンにしろEVFにしろ、ピントの合う点は一つに過ぎない。その前後では解像感が落ちてしまうことも多い。
ライカm-eで撮ると、面倒だった遠景はむしろ簡単に合わせられる。一眼レフでは、広角レンズのピントに苦労させられる。レンジファインダーなら、広角レンズでの基調線の精度は十分過ぎる(望遠では精度が不十分になるけどね)。

「打率は高くないけれど、ときどきホームランが打てる」ライカM9シリーズへのそんな論評を見かける。言い得ている。むしろ当たらないときの凡打がひどすぎる。いや、からぶりだ。自分の腕を呪う。
ただし、ライカになったおかげで持ち出す機会は増えた。打席数の圧倒的な増加である。その結果、好きな写真が集まり、写真を眺める豊かな時間が生活の中に少しだけ忍び込んできた。m-eをいじる時間も…。

ライカが与えてくれるものはいくつかあると思う。そのひとつがライカが与えてくれた写真と過ごす時間だ。不思議。