PARANOIAって御存知?
PARANOIA TRPG(以下パラノイア)とは
ディストピア × ブラックユーモアな社会を舞台にした楽しいTRPG。
「パラノイアは楽しい。他のゲームは楽しくない。パラノイアを買いなさい。」 ──パラノイア 【トラブルシューティング】裏表紙より抜粋
という感じの、見るからに愉快なシステムです。
舞台は「アルファコンプレックス」という近未来地下都市。
サンフランシスコの地下シェルターに作った、という設定みたいです。
ぶっちゃけ、これを見てもらえれば凡そ全てを理解できる(はず)けど、今回は、「パラノイア触ったことないよ~!」という人にもなんとなくわかるように噛み砕いて説明しようと思います。
今回は、黒本の愛称でお馴染みのパラノイア 【トラブルシューターズ】を紹介します。(一番スタンダードなやつ!)
始める前に
「TRPGについて」は省略します。
TRPGについてある程度知識のある(サイコロ振るんだよね?とか、ロールプレイ(以下RP)をするんだよね?くらいは理解している)体で、話が進みます。ご了承ください。
どんなシステム?
「アルファコンプレックス」というディストピア都市を生きるプレイヤーキャラクター(以下PC)が、コンピューターや、上司から問題解決、いわゆる「トラブルシューティング」と呼ばれるミッションを受け、解決に向かう(一応)協力型TRPGです。
パラノイア(偏執病)に罹ってるのは、PC達ではなく、PC達に指令を出し、アルファコンプレックスを統治しているコンピューターの方。
いつ、コミュニストに襲われるか、(コンピューター的には)平和で幸福な日常を崩されてしまうか、と怯えている為、反逆の芽を摘むために目を光らせているのです。
PC達は、反逆者のレッテルを貼られないよう、懸命にトラブルシューティングに貢献し、チームで成果を挙げることが本来の目的です。
なんでコンピューターはイカレてるの?
なんでやろなあ。
ウルトラバイオレット(以下UV)のクリアランスの人間は、コンピューターをハッキングする事ができるそうで、一台のコンピューターを皆が好き好きに弄りまわした結果、プログラムの齟齬のせいでおかしくなってしまったようです。朝のテレビで言ってた!(パラノイア世界では噂話は反逆扱いされます。)
トラブルシューティングってなに?
毎日のお仕事とは別に、コンピューター直々に下されるお仕事です。
トラブルシューターであるPC達には、
1. コンピューターに奉仕する事
2. 反逆者を探し出して排除する事
3. 腐敗を捜査し根絶する事
4. アルファコンプレックス内の危険を取り除く事
という義務が課されます。
他にも色々な立派な気持ちで行われるべきお仕事ですが!
例えば、「ABCセクター(○○区的なもの)のXXショップの電球を取り替えてきてほしい!」というトラブルシューティングがあったとします。
電球を作る部署があり、電力を供給する部署があり、電線を通す部署があり・・・もしも電球が点かなかったら、どこの部署に責任を問えばいいのか分からなくなりませんか?
そこで、トラブルシューターの出番です。
全ての部署を代表して直々に命令が下っているのですから、必ずや電球を点けてきてくれるでしょう。 要するに責任を押し付けられているのですが。お仕事代理人という解釈でも、危険因子を排除する英雄達という認識でも問題ないような気はします。
大事なのは、コンピューター直々に命令されてるのだからミスは許されないよね?という事実のみです。(笑)
PvPがあるって聞いたんだけど・・・
無いとは言い切れませんが、その認識で臨むとパラノイアの世界観やシステムを楽しみたい人達からその機会を奪うことになるかもしれません。
パラノイアのPvPは、あっち向いてほい!で向けた指を相手の鼻に突っ込む程度のユーモアのあるものであるべきなのです。
でも、パラノイア 【トラブルシューターズ】のルールブック2ページ目に
「気を抜くな!誰も信じるな!レーザーガンを手放すな!」
と書かれていますね。大きく。中央揃えで。
次の見出しで突っ込んで説明しますが、PC達はミュータントパワー(反逆的な超能力)を所持し、秘密結社(反逆的な組織)に所属しています。
その証拠を掴まれて、告発された日には反逆者として処刑されることになるでしょう。(レーザーピストルで撃たれます。所謂ZAP!ZAP!ZAP!)
なので、自分が告発される前に、相手を告発し、コンピューターから信用を得ようと皆必死なのです。決して愉悦で殺し合いをするわけではありません。
口論もまた、ナンセンスです。ユーモアのある言葉でセッションを楽しくするべきです。「悪い知らせ」「他者を使ったジョーク」「噂話」はすべて反逆的な思想としてゲームマスター(以下GM)から反逆ポイントを贈呈されます。かなしいかな。
基本的に、協力しないと(あまりにも無理難題な)トラブルシューティングが解決しません。なので・・・悪いことはうまくやってください!(笑)
どんなキャラクターをつくるの?
初期作成ではクリアランスレッド(下から二番目の階級)で作成します。
サービスグループと呼ばれるお仕事に配属されており、普段はそちらのお仕事を毎日こなしてます。
パラノイア世界の住人は、全員クローン人間であり、バックアップクローンが5体も用意されています。つまり、5回は死ねる!PC達は、完璧で幸福な市民なので、反逆者ではないでしょうが、皮肉なことに、ほとんどの市民がミュータントパワーを持って生まれてきます。
ミュータントは反逆、秘密結社も反逆。(基本的には、そう。)
しかし、どちらも持っているのがPC達です。
なので、いかにバレないように振る舞い、反逆者を告発する忠誠心に満ちた市民であることをコンピューターに表明するか、がRPの肝になってきます。
(コンピューターは実は友人です。奉仕しなさい、って書いてあるけど。)
他の自由度の高いゲームと異なり、キャラクターに深みを持たせる設定を組むと、かえって動きにくくなるため、「得意分野」や「癖」を決める程度にとどめることを推奨されているゲームです。(家族なんていないし!)
なので、ダイスさえあれば5分くらいでキャラクターシートが完成します。
爆発オチなんてサイテー!
パラノイアでは爆発はよくある事です。
試作品とか、よく爆発します。しょうがないね。
他には専門用語なんかが多すぎて、システム紹介で語り切れるものではなかったので、いつか気が向いたら別途でnoteにしたいと思います。
アメリカンジョークや、ブラックユーモアが好きな方にはもちろん、SEさんなど、パソコンつよつよの人にこそ遊んでもらいたいシステムです。
途中登場した「ZAP!ZAP!ZAP!」なんて言葉は有名ですが、実際遊んでみると、言う機会なんて滅多にありません。(笑)
ZAPスタイルという、過激な設定で遊べば聞く機会もありますが、いかんせんルールブックには「パラノイアをぼんやりとしか知らないプレイヤーは、みんなこのスタイルで遊んでいるものだと思いがちです。(P.198)」と煽り文句が書いてあります。 マジ分かってらっしゃる。(笑)
昔、オンライン上に存在した、非公式違法パラノイアルールブック(不完全版)である「Paranoia- O」を過激に遊んでいたリプレイ動画のおかげで、パラノイアという名称が虚実を混ぜて有名になりました。
どうか、この記事でによって少しでも(比較的)正しい情報に触れる機会が増えますように!そして、あわよくばパラノイアプレイヤーも増えますように!(プロパガンダ)
卓すき非公式アドベントカレンダー2024に記載しております。
卓すき(takusuki.com)もよろしくね!