2020/11/7 紅葉ライブ@昭和記念公園(と、アロハスピリット)
もう2か月も経ってしまいました。でもいまだにアレは夢だったのではないかと信じがたく、脳がバグを起こすので整理するためにnoteに書こうと思います。
というか、そもそもこのnoteは、私のライフワークであるフラやレイメイキングを通して感じる、ハワイアンの叡智をご紹介したりアロハスピリットをお伝えしたい、と思って始めた場所なのですが…、ピアニスト角野隼斗さんのソロリサイタルであるサントリーホールのレポートを書いたことで、リミッターが外れてしまいました(笑)
でも私の中では同等なのです。両者とも、畏怖を感じるほど美しく、豊かで愛にあふれている。私が音楽を聴いて泣くアーティストは世界にただ2人、ロバート・カジメロ氏と、ピアニスト角野隼斗氏だけです。
ロバート・カジメロ氏はハワイアンミュージック界の大巨匠であり、カーネギーホールで演奏したこともある、ハワイの文化・アロハスピリットの権現のような方。ピアノを弾きながら唯一無二のヴェルベット・ヴォイスで歌うスタイルが基本で、音楽があふれだすような即興演奏も得意ですが、これまでいったい何百曲の名曲を生み出したのか? フラダンサーで、彼の曲を踊ったことのない人はいないと思います。なかでもこの"He Mana`o Aloha"の動画は、ハワイのダイナミックな自然を背景に、美しいフラと相まって、まさに神々の芸術…! ちなみに若干Sっ気もあり(笑)、フラの教え子でもあるイケメンダンサー・アラカイ君との動画もたまらんのでご紹介しておきます。
さて、話を本題に戻します。
2020年11月7日、立川の昭和記念公園で行われた「紅葉と音楽の夕べ」。前日の11月6日、Twitterを見ていたら、いつも情報を知らせてくれる雫さんが昭和記念公園で角野隼斗さんのライブがあると。明日?! 土曜日だけど、珍しく何も予定が入ってない…。これは、行かない理由が、ない。
その前の週の日曜日(10月25日)、京成バラ園でのライブは本当に行きたすぎて吐き気がしそうだったけど、予定があったため泣く泣く諦めて、SNSに上がったバラ王子の写真を見てさらに泣きました。たしかに予定はあったけど、変更できたんじゃないの、私?と後悔した。このバラ園ライブが、初リアルかてぃんさんだった人も多かったようで、曲名が出なかったのを教えたら「それ」とご本人が答えてくれた、とか、その場の雰囲気を伝えてくれたので、美しいバラ園の風景と相まって、想像の中で夢心地を味わわせていただいて、とても有難かった。その約2週間後に、紅葉ライブをやるの?
私が角野隼斗さんを知ったのは、2020年2月末でした。ドラマの主題歌をフルで聴いてみたくて、YouTubeを検索したのがきっかけでした(それまで日常的にYouTubeを見る習慣はありませんでした)。それが猫とbad guy。
ピアノ男子、いいじゃん。猫かわいい。ポチッ。
……え、ちょっと待ってちょっと待ってナニコレナニコレナニコレーーーーーー?! 同音連打が正確すぎて美しすぎるんだけど! 最高にグルーヴィーなジャズアレンジ、かっこよすぎるんだけど! 投稿者のコメント見ると、ピアノ弾いてるだけじゃなくて撮影編集も自分でやってるって、センスありすぎなんだけど! 猫がDuhhhって、耳ピクピクも、最後に彼を見上げるところまで、猫なのに完璧なんだけど! え、これスタインウェイだよね? え、これ自宅?このお城が?! いったいどうなっちゃってるの?! え、東大生?! えええええええ~~~~~~?! この3分足らずの動画に度肝を抜かれ、以来とりつかれたように動画や情報をあさり、今に至ります。
でも、ずっとPCのこちら側でひとりで興奮しているだけだった。ずっと彼は画面の中にいて、現実味はなかった。だけど、明日ライブに行ける、ということは、会える、てこと?! 彼は本当に存在しているの…?!
当日、会場に向かっていても半信半疑でした。西立川口エントランスでスタッフの方に聞いたら、たしかにそのイベントはあると。でも夜は今日から有料なんですよ~1000円ってちょっと高いと私たちも思うんですけどね、て。会場は日本庭園で、ここから歩いて30分くらいかかりますよ~と親切に教えていただいて、チラシをもらって一人で歩いていきました。
その日はとても天気がよく、汗ばむくらいでした。初めて来た昭和記念公園は、紅葉がキレイで、家族連れがたくさん。会場はたしかに思った以上に遠く、スニーカーで来て正解でした。途中、「このあと午後3時から、ピアニスト角野隼斗さんの演奏が日本庭園にて行われます」とのアナウンスが聞こえました。本当に、やるんだ。
会場である日本庭園の昌陽という建物は、紅葉の美しい池のほとりに建っていました。2時20分くらいにほとんど汗だくで到着すると、ローカル線の駅舎の待合所みたいな会場は、ほぼお客さんで埋まっていましたが、奥の席が空いていたのでそこに座りました(夜のライブで、まさに彼が座っていた場所だ! マジでいま気がついた(汗))。
ほどなく、右手方向にふわっと気配。そこに大天使がいました。
これが私が初めて遭遇した、リアル角野隼斗/かてぃんさん。えっと…白い大きな羽根、生えてるよね?
イベント開始時間よりも20分ほど早く会場入りした彼は、会場外でしゃがみこんでスタッフの方となにやら機材を見ながら話している。スタッフは撮影関係とCASIOの人で10人弱。けっして広くはない空間だけど、本格的な撮影体制が組まれていました。カメラは3台。
15時からの公演は、入り口はいって右手の角に見慣れたプリヴィアちゃんが設置されており、そこで行われるようでした。時間になって、角野隼斗さんが登場。ワッという歓声に、どうもどうもと頭を下げながら、にこやかに入ってきて「あの、今日のこれは自由に撮影していただいて、SNSなどにUPして大丈夫ですから」とおっしゃる…。そんなことってアリ?! なんて懐の広い人なんだ!
こんにちは、ピアニストの角野隼斗と申します。今日は紅葉と…、紅葉と音楽の午後? 自信ないな(笑)、というイベントで40分間ピアノを弾かせていただきます。今日はどうぞよろしくお願いいたします
とのご挨拶のあと「おじちゃんだ!」と子どもの声。会場に笑いが起きて、角野さんもこの笑顔(じゅっちゃん、お写真お借りしました!ありがとうございます。「お兄さんだよ~」っていうフォローの声もじゅっちゃんだったんですね。この笑顔、大好きすぎます…!)。
そして演奏が始まりました。「もみじ」と「赤とんぼ」。Cateen′s Piano Liveで繰り広げられているのと同じ、美しいピアノの音が、おだやかな秋の日に、ときおり聴こえる鳥の声と混じりあいながら、目の前で紡ぎだされている…。いったいここはどこの天国? やっぱりにわかに信じられない。
CASIOさん開発の新映像技術であるミュージックタペストリーが、角野さんの後ろのスクリーンに映し出されています。ミュージックタペストリーは、ピアノの和声やリズムを解析して自動的に描き出される仕組みだそうで、続いて角野さんは、即興演奏でミュージックタペストリーを描き始めました。演奏が終わって完成したタペストリーを見て、角野さんも「おお~」と感心していました。
この時演奏されたワルツ、好きなんですよね…。アンニュイで繊細で。出だしの音のつながりが真珠のネックレスのように美しい…! そういえば夜のライブのオープニングで弾いていたのと同じですね! これもそのうちオリジナル曲としてきちんと発表されるのを期待します。
続いて演奏されたのは「炎」。鬼滅の刃の曲ということで、子どもが寄ってきたり、その子どもに「もっと前で見たら」とうながす方がいたり、演奏に涙する人がいたり。とても暖かな空気が流れていました。
「きらきら星変奏曲」。いつもよりはちょっとゆっくりで、午後ののんびりした雰囲気のきらきら星でした。途中から入ってきたおばあさまが、うんうんとうなずきながら気持ちよさそうに聴いていらしたのが印象的でした。
YouTubeかてぃんチャンネルの宣伝のあとはリクエストタイム。上原ひろみさんの「Dancando No Paraiso」のリクエストが上がりましたが「誰も知らなそうな曲ですね」とあっさり却下(笑)。「夜に駆ける」「Waltz for Debby」「Heal The World」が、いつものように魔法のように連なって展開されていきます。「Heal The World」が終わったあと、ミュージックタペストリーが美しいピンクのお花畑に…! この時、私は泣いていたと思います。なんという愛の魔法使い。こんな、女の子向きのアニメに出てきそうな、かなり恥ずかしいくらいの言葉すら、実感を伴って出てきてしまう…。
ラストは「千本桜」でした。最後は元気に終わりたい、いつもの角野隼斗さんらしい演奏でした。
15時からのライブが終わって、一般のお客さんが立ち去るなか、私はしばらく茫然とその場に立ち尽くしていました。…えっと、今のは何だった? 頭はまったく処理できていないけれど、初めて生で耳にした角野隼斗さんのピアノの音が、まだ体に響いていて、じーんと感動だけが残っていました。
ふと見ると、やはり骨抜きにされている女性が何名か。目が合った人に声をかけると、やっぱりかてぃんずさんでした。「夜の回はどうしますか?」と相談し、その後は4人で行動することになりました。
リアルかてぃんさんも初めてだったけれど、リアルかてぃんずさんにお会いするのも初めて! 初めて、この感動をリアルで共有できるファン仲間に会えて、それもとても嬉しかったです。
17時にいったん門がクローズされるとのことで、この場を離れなければならず、チケットを買いに行ったり移動したりしました。だんだん日が暮れて、紅葉がライトアップされていきます。本当にキレイ。
公園エントランスのスタッフの方は「1000円のチケットって高いですよね」とおっしゃっていたけれど、じゅうぶんその価値があります! とはいえ、気ばかり焦ってゆっくり景色を楽しんではいられなかったけれど…。
会場に戻るとセッティング替えが行われており、建物の奥にプリヴィアちゃんが移動されていました。開場になるまで並んでいる間、ようやく出会えたかてぃんずさんたちと、ひたすら推しトークをするのが楽しくて楽しくて! テンションも妙に上がりまくり、たぶんきゃあきゃあうるさかったのではないかと思われます(笑)。あとから知ったことですが、列の後ろにはyossyさんもいらしたんですね。ご本人もハケることなく、その場でリラックスして景色を楽しんだりピアノを触ったりしていました(考えてみれば、すぐそこにいる推しをそっちのけで、推しトークに夢中になってるってシュールすぎる(笑))。
そして、あの神回、ですよ。もう、本当にね。言葉がない。Cateen's Piano Live with 紅葉。
15時からの回も素晴らしかったですが、ライトアップされた紅葉は本当に美しくて、そして目の前3mで! 角野さんがピアノを弾いている…。私の目に映っているのは美しい紅葉とピアノを弾く角野さんしかいないんです…!
11月の夜ですが、まったく寒くもなく、心地よい夜風が吹いて、夜は虫の声とのコラボレーション。まさにめくるめく絵巻物の世界。
サイババは、空中からいろんなものを取り出す奇跡を起こしていたそうですが、それを見た人の反応ってこんな感じかなって思う。角野さんはピアノからつぎつぎと美しい宝石を取り出し、まばゆい奇跡のような世界を目の前に描き出す。そして、こんな贅沢すぎるプラチナすぎるチケットを、私はいったい何億の借金を背負って手に入れたのか? とそら恐ろしいくらいのシチュエーションでした。
反対に、角野さんから見える風景は相当滑稽だったと思われます(笑)電車の長いすに靴を脱いで反対向きに座って景色を眺める子どものように、いい年をした大人たちがガン首並べて座っていて、コロコロと泣いたり笑ったりしていたのですから…。
その中には古参のファンの方もいらして、「I Love…」は彼女のリクエストでした。きっと角野さんにとっては気心知れたファンからのリクエストなので「え~どうしよっかな~! I Love…ってコレ? 弾いちゃう~? しょうがないな~」と言いながら(いえ実際には声は出てないのですが、間違いなくそういう表情で)弾き始めたので、あの笑いが起きたりしていました。↓
「炎」の中盤、かてぃんチャンネルでアップした動画には Can you celeblate? が入っていましたが、この時は「Can you celeblateには行かないぞ~行かないぞ~、よし乗り切った、オレえらい」みたいな顔をしながら弾いていらっしゃいました(表情は残念ながらアーカイブスには残ってなかったですね)。本当に感情が豊かで、こんなにも饒舌なピアノを見たことがないです。
39:28あたりのココ ↑
10月はあまりYoutubeに動画を上げてなかったんですけれど、いろいろとやっていたことがありまして、近日中に発表できると思うので楽しみにしていてください
とおっしゃっていますが、いま改めて見ると、きっと絶賛アルバム制作中だったんですね…。「奏鳴」の響きがします。
そして、そのあとはコレですよ、「蛍の光」詐欺!
私たち、完全にこの手の平の上で転がされておりました。
リクエストをくれたら続けるかもしれません
と言われてもね、もう脳がウニなんですよ!!! あまりに怒涛の感動の渦に吞み込まれていて、足は痺れているし、心は揺さぶられまくって、涙はもちろん鼻水まで垂らしながら、全身全霊かけて聴いていたので、頭が働く訳もなく…。ようやく絞り出したのが「千と千尋」って、アホ丸出し!(汗)オープニングでさんざん弾いてくれたのに! でもそれをちゃんと汲んで「ふたたび」を弾いてくれました…。それです、それ! 私が言いたかったのは…。気絶。ああもう、一生この手の平の上から逃れられない、むしろこの手の平の上で「蛍の光」詐欺に騙されながら死んでいきたいと思いました。
アンコールが鳴りやまない中、笑顔で「YouTube止めちゃったよ~」と言うので、「じゃあ好き放題できますね」と言ったら「好き放題かぁ~、たしかに日本庭園なのに『Spain』で終わるのもな~、何かリクエストはありますか?」とおっしゃって、私の隣にいた彼女のリクエスト「白鳥の湖」を弾いてくれました。…あれ、いま私、普通に会話しちゃった??? 今さらながら、私の声がちゃんと聞こえてたんだ! とまた感動。もうず~っと、ひたすら泣き笑い。そしてさらに、今さっき理解しましたが(汗)、「白鳥の湖」がだんだん短調の「蛍の光」になり、「悲しい…」とつぶやく声に対して「人生楽ありゃ苦もあるさ!」とピアノで答えてくれていたんですね! すべてをピアノの音で語る、角野隼斗さんという人が、本当に生き生きと表現力豊かに、目の前に存在していました…。
ああ神様仏様かてぃん様! そしてこのイベントを開催してくださったスタッフの皆さま、教えてくださった雫さん、また当日お会いできたすべての方に感謝いたします。このような奇跡に立ち会わせていただきまして、本当にありがとうございました!!
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