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薬剤師歴25年の管理薬剤師が語る 〜「点数算定」に自信を持つために〜
はじめに
はじめまして。「薬剤師もーもーさん」です。薬剤師として25年のキャリアを持ち、現在は調剤薬局の管理薬剤師として勤務しています。このnoteでは、私自身の経験をもとに、薬剤師としての考え方や実務で役立つ情報を発信していきます。
今回は、私が新卒で薬局薬剤師として働き始めたときに直面した「点数算定」の悩みと、それをどう乗り越えたかについてお話ししたいと思います。
「特別指導加算」 特別すぎて算定できなかった日々
私が薬剤師になった当初、「特別指導加算」という点数がありました。
薬剤師が患者に対して特別な指導を行った際に算定できるものでした。当然会社としては、利益を出すためにこの特別指導加算を算定するように言ってくるのですが、新卒の薬剤師であった私は「特別」という言葉にこだわりすぎてしまい、「自分は特別な指導なんてできていない!」と感じ、全く算定できない状況でした。
「点数を算定する=保険者から評価される行為」と考えていたため、少しでも不安があると遠慮してしまっていたのです。結果として、必要な指導を行っていても、それに対する適正な報酬を受け取ることができていませんでした。
考え方の変化:「必要な指導には報酬が発生して当然」
いつしか特別指導加算が消えてしまいましたが、ハイリスク薬の特定薬剤管理指導など様々な点数が出来ました。ただ、何かしらの指導を行いそれに対して費用を請求するということに後ろめたい気持ちもあり、依然として点数は算定できないままでした。
しかし長く仕事を続けるうちに、経験が積み重なり、指導内容にも自信がついてきました。そして、あるとき気づいたのです。「患者さんに必要な指導をしているのだから、それに対して報酬が発生するのは当然だ」と。
例えば、
服薬アドヒアランスが低い患者に対して服薬管理を強化した場合
副作用リスクの高い薬剤を処方された患者に対し、継続的にモニタリングを行った場合
在宅で薬を服用する患者に対して、管理方法を詳細に説明し、フォローアップをした場合
こういった場面で適切な指導を行い、その内容を薬歴にしっかりと記録すれば、点数を算定することは問題ないのです。例えば報酬が10点だったとすると、患者さんの負担は10円~30円です。自分の健康のために必要な指導だとしたら、高いと感じるでしょうか?
なぜ点数算定に消極的な薬剤師が多いのか?
私自身の経験を振り返ると、「点数を算定していいのかわからない」「減点や返戻が怖い」「指導を受けたらどうしよう」という気持ちは非常によく理解できます。しかし、算定要件を満たしていれば、堂々と点数を算定すべきです。
実際、点数を算定した結果、算定要件を満たしていないとして減点や返戻になることもあります。しかし、それは最終決定ではありません。再審査請求を行い、適切なエビデンスを示せば、点数が復活することの方が多いのです。
今後noteで発信したいこと
これからのnoteでは、
「点数算定に自信を持つための考え方」
「具体的にどのような場面で点数を算定しているか」
「その際の薬歴の書き方」
「レセプトコメントの書き方」
「減点・返戻への対応方法」
など、実際の事例を交えながら紹介していきます。
点数算定に悩む薬剤師の方が、自信を持って業務を行えるようになる手助けができれば嬉しいです。
これからもどうぞよろしくお願いします!