
黄色のガーベラを買う日
お花を自分で買うことはほとんどない。
でも、この日だけは自分でお花を買い
お花を見ながら自分を振り返る。
お花は、必ず黄色いガーベラを買う。
今年で、5年目になった。
階段のリハビリで
いつもニコニコしていて
みんなに可愛がられる子だった。
担任になった時
もう少しで歩けるようになるかも
という頃だった。
手をつないで歩けることが嬉しくて
毎日階段のリハビリをがんばった。
手をつなげば歩けるけれど
自分で立ち上がることは難しかった。
訪問支援員として
翌年、保育園で過ごすことになり
私が訪問支援員として、
月2回クラスに入って
ストレッチや歩行訓練を先生に伝えていた。
卒園の日
「おかあさんありがとう」
と書いたカードを先生が用意してくれた。
それを持って、ひとりで
お母さんの元に歩いた。
先生の心のこもった演出に
お母さんと泣いた。
突然のお別れ
その後、入学して元気にやっていると
聞いていた。
職場に電話がかかってきて
突然の事故で
お空に帰ったことを知った。
お別れの会は、ガーベラの花でいっぱいだった。
黄色いガーベラは
いつもニコニコしていた彼に
とてもお似合いだった。
それから、
この日は黄色いガーベラを買って
自分の一年をふりかえり
彼に「どうかなあ。これでいいのかなあ」
と話をする日になった。
お空に帰った翌年の同じ日には
一緒に過ごしたお友だちも
お空に旅立った。
きっと一緒にいるね。
だから安心。
第一号
あなたがいたから、
私は訪問支援員としての
仕事がはじまった。
私の訪問支援第一号。
今見ている子は何号になるんだろう
というくらい、
たくさんのお子さんたちを見守ってきた。
どんな障害があっても
クラスの一員として生活ができる。
楽しく遊んですごせる。
あなたが教えてくれたこと。
これからも、伝え続けるね。