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好きなことは?

と、聞かれた時に真っ先に思い浮かぶのは何だろう。
そして、ちょっと答えを考えてしまうのは何故だろう。

「好き」は沢山あって、同じジャンルでも、それぞれ種類が違うような気がする。

たとえば作家さんというくくりでも、「伊坂幸太郎さんが好き」と「カレー沢薫さんが好き」は、ちょっと種類が違う。蝉はもっと生きてて欲しかった派。
どっちがどう、とかではなくて、ただ単に「醤油ラーメンも好きだし、味噌バターラーメンも好き」みたいな。余計にわかりにくい。

「太宰治しか認めぬ!」といった確固たる「好き」も、有りだと思う。
そこまでの境地に至るほどハマれるものがある!というのは、純粋に羨ましい。なにせ、本人が楽しそうだから。自分で楽しみを見出すことができる人は強い。生きる力が強そうで憧れる。

「好きなものは?」と聞かれて考えてしまうのは、多分「これを好きと言ったら、相手からどんな人に思われるか」という点で引っかかるんだと思う。

自分を曝け出すことへの羞恥もあるだろうが、一番は「その人から見た私のイメージが定着してしまう。だから下手なことは言えないな」と思って、無難なところを答えることが多い。

大変に失礼が過ぎるが、初対面の相手に「怪談本が超好き。怪談社は神」と語るより、流行っていて映画化もするであろう作家さんの本が好きと答える方がハードルは低い。(もちろん後者も読んで、ちゃんと面白いと思ってるのですよ)

むしろ強印象を残すなら前者を選べばいいのだけど、どうにも自意識が邪魔をする。アラフォーになっても、だ。
子供の頃は二十歳って大人ー!と思っていたけれど、残念。あまり中身は変わらないことが判明した。アラフォーになったとて自意識は過剰だし、あがり症は治らない。

何故か逆に、苦手なことならササっと出てくる。

私が苦手なことは、ダイエットと掃除。
そして、きつい物言いをする人が苦手だ。

学生時代も、数学は好きな方だったけれど、立体的な図形問題が苦手だった。構造力学も赤点ギリギリであった。

そんな私は今、二級建築士になっている。
いま図形や力学が苦手な人も、建築士にはなれる。大丈夫。勢いで何とかなる。

そして今日も、ちょっとずつ論点はズレていく。

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