Ⅱ-2章:古代の遺跡と封印された真実
遺跡の奥へと進む亮とエリスは、光る球体を囲むようにして古代の文字が刻まれた石碑を発見した。その文字は、かつての王国の言語で書かれており、魔法災害に関する記録が残されているようだった。
「これは…『男性消失の呪い』についての記録だわ!」とエリスが驚きの声を上げる。
亮はその言葉に反応し、石碑をじっと見つめた。刻まれていた内容は、呪いの発動の経緯や、その結果として生まれた女性だけの社会について述べていた。しかし、特に注目すべきは、アルドリックの名前が何度も登場していたことだ。
「彼は、魔法災害の中心にいた王子だったのか?」亮は疑問を口にする。
「そうみたい。彼が何らかの形でこの呪いに関与していることは間違いないわ。でも、どうして彼はその力を使ってしまったのか、理由がわからない」とエリスは答えた。
その瞬間、光る球体が一層輝きを増し、周囲がまばゆい光に包まれた。亮は思わず目を細める。すると、光の中から一人の女性の姿が浮かび上がった。彼女はアルドリックの側近だったとされる「セリーナ」と名乗った。
「私はセリーナ。王子アルドリックの忠実なる従者です。今、あなたたちに真実を伝えに来ました」とセリーナが言った。
亮は驚きながらも、その言葉に耳を傾けた。セリーナの口から語られる百年前の物語は、呪いの発動の背後にあった悲劇的な出来事だった。
「王子は、強大な魔法の力を持っていましたが、その力を制御できずにいました。彼は愛する者たちを守るため、力を使った結果、呪いを引き起こしてしまったのです」とセリーナは説明した。
「守るために…それが呪いを生んだのか?」亮は深い疑問を持った。
「そうです。彼は愛情から生まれた行動によって、全てを失ったのです。今、あなたがたがその真実を知り、解決策を見つけることができるかが、この世界の未来を左右します」とセリーナは続けた。
セリーナの言葉を受け、亮は決意を新たにした。「俺たちがこの呪いを解く方法を見つけなければならない。そして、アルドリックの無念を晴らすために。」
エリスも頷き、二人は再び光る球体に近づいた。セリーナは彼らに「この魔法の力を受け継いで、呪いの解除に向かって進んでください」と告げ、光の中に消えていった。
亮はその瞬間、何か新しい力を感じた。彼の中に眠っていた魔法が目覚めたのだ。
次回、亮とエリスは新たな力を手に入れ、過去の魔法災害を解決するための冒険に挑む。彼らの運命は、どのように変わっていくのか?新たな仲間や敵との出会いが待ち受けている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?