法律事務所のDX〜はじめの一歩編〜
私達、弁護士法人PRESIDENTは、DX(=デジタルトランスフォーメーション)に特に力を入れています。
今回は、私達のDXの取り組みについて少しお話しさせてください。
1.取り組むテーマを決める
「DXに取り組む!」となったときに起きがちなこととして、細かすぎる粒度でDXに取り組んでしまうということがあります。
例えば、「●●というツールを導入する」「××を△△できるようにする」といった感じです。
業務は、様々な作業という点が繋がった「線」です。線を意識せずに点だけ改善すると、後々大きな不都合が生じたりします(余談ですが私達も何度も経験しました…)。
もっとも、はじめの一歩の段階から、線の全てを意識し、業務の未来を想像して、DXの設計図を描くことはほぼ不可能です。
そこで、PRESIDENTが、DXのはじめの一歩として行うことは、取り組むテーマを決めることです。
テーマの決め方
私達は、「法律事務所によくあるイシュー」をベースに決めています。
具体的には、以下の4つです。
① データの可視化
② 顧客接点
③ 書類
④ 書面作成
この大きなテーマをまず決めて、そこからある程度の具体度で理想の形を言語化します。
2.最初に取り組んだこと
PRESIDENTが最初に取り組んだことは、データの可視化です。
元々、顧客管理にはセールスフォースを使っていたのですが、各人が好き勝手にレポートを作ったり、オブジェクトを追加したりして、見ている数字がバラバラで、数字をベースに会話ができませんでした。
また、毎週のMTGでも、KPIの報告のために転記をしなければならず、報告者の作業負担も大きかったです。
そこで、データの集約と可視化についてのざっくりとした理想の形を言語化しました。
以下のような形です。
少しだけ解説すると、まず決めたことは、「データベースとデータ表示のツールは分ける」ということです。
もちろん、セールスフォース(に限らず多くのCRM)にもダッシュボードなどのデータ表示機能はあるのですが、色々な箇所からデータを引っ張ってくる場合に統合が中々難しいという問題があります。
次に、データベースとなるシステムを決めました。
私達は、大きく分けて2種類のデータを必要としています。
営業KPIや案件処理、報酬に関わるデータである業務系データと会計系データです。
PRESIDENTでは、業務系データはセールスフォース、会計データはfreeeをデータベースとすることにしました。
理由は、「連携の柔軟性」です。
今後、DXが進むにつれ、利用するツールも増え、⑴そのデータをデータベースにインプットする、⑵データベースからデータをアウトプットする、ということが必須なので、データベースとなるシステムは、様々なツールと連携できることが重要です。
会計システムの方は大きな差はありませんでしたが、業務データについてはやはりセールスフォースが1歩も2歩も連携の柔軟性が優れていると感じました。
最後に、各データベースとGoogleDataStudioを連携させ、各KPIが表示されれるようにしています。
現在は、業務系データのみの連係になっています。
このGoogleDataStudioの各種KPIは、誰でも見られるようになっています。
情報OPENは、私達が重要視している文化です。
3.実際の画面
少しだけ、GoogleDataStudioの実際の画面をお見せします。
※数字などは変えています。
各種KPIについての推移や期間を限定しての比較ができるのと、着手金や報酬金などの金額については、総額や平均単価などを表示できるようにしています。
他にも、DXに取り組んだ事例があるので、別の記事でお話ししたいと思います!
4.数値化の可否や是非
弁護士業務についてのKPI化の可否、是非については、いろいろな考え方があると思いますが、以下の観点から、PRESIDENTでは数値化を重視しています。
① 顧客視点
案件が適切に処理できているかを知る。
→数字を知ることで、案件処理期間についての異常値を検知したり、進んでいない案件の把握、結果についての善し悪しの把握などをすることができます。
知ることができれば対応することが可能ですし、今後に活かすことができます。
案件数が一定数(肌感覚では新件が月に30件)を超えてくると、一定の数値化をしないと滞留案件がでてくる印象です。
② 事業視点
集客や案件処理が属人化してしまうと、事業としての再現性に乏しく、必要な投資(採用など)の意思決定ができないと思っています。
そこで、PRESIDENTでは、集客についても、そのプロセスを言語化しKPI化することに注力をしています。
5.採用中!
PRESIDENTでは、一緒に働いていただける方を募集しています!
PRESIDENTで働くことに興味は無いけど、本記事のようなDXについて知りたいという方も是非お話ししたいです!
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