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【りーぷら寄稿】勉強嫌いだった私が資格の学習に目覚めたわけ②

1. 法務部への転職、しかし…。

こんにちは。くしゅ (TwitterID:@OkuShu0307)と申します。
「勉強嫌いだった私が資格の学習に目覚めたわけ」②を続けます。よろしくお願いいたします。
①はこちら

新卒で保険会社の営業職として5年が経過しました。法務部の社内公募というチャンスに出くわすも善戦及ばず、最終面接で社内異動はお見送りという結果に。

いよいよ20代が終わってしまう、私のキャリアが営業で固定されてしまうのではないかと思い悩み、「もう転職しかない」と決心しました。

転職活動の当時は、金融庁が金融機関に対して法令遵守態勢の整備を強く働きかけており、法務の採用が活発な時期でもありました。転職活動の結果、営業経験者が欲しいという意向にも恵まれ、ある保険会社の法務部スタッフとして採用されることが決まりました。

2. 終わらないスキャン取り。スキャン業務からの離脱を決意

念願の法務部所属でしたが、予想外の展開となりました。
私の担当する主たる業務は、契約書のイメージ化(電子保管)業務だったのです。いわゆるスキャン取り要員ですね。

DXなんてことばは当時ありません、ひたすら地道に契約書の原本を一枚ずつスキャンしてPDFとして保存する作業です。「ウィーン、ウィーン、…」というスキャンスナップの機械音と、終わりのない紙の山で気が狂いそうでした。

このままではせっかく転職したのに、法務のプロになる前に、スキャン取りのプロになってしまう。早く一人前になって、この業務から逃れなければならない、と強く思うようになりました。

3.法務業務へのキャッチアップ

「一人前になるといっても、何をしたらいいのだろう…」
今でこそ、オンボーディング(企業が新たに 採用した人員を受け入れ 、組織の一員として活躍できるよう支援する活動をいいます)が充実している会社もありますが、私の時代にはありませんでした。

この時期、私が日々の業務を必死でこなすかたわら、取り組んでよかったことを一つあげると、法務部で作成された意見(リーガルチェック依頼への回答)を、同じような論理構成、知識の裏付けをもとに、自分で再現できるまでしっかりと理解するというものです。

法務意見を自分で読み込むことにより、必要となる関連法令や業務上の知識もビジュアルにイメージでき、ドラフトのスキルも身に付きました。

法務マネージャーの立場となったいま振り返れば、読み込みと並行して、所属会社の事業や組織、さらには自社を取り囲む規制環境の変遷を意識しながら取り組むとより一層効果的だと思います(金融業界は規制環境による外的要因の影響が強いように感じています)。

詳しく知りたい方は 法務 オンボーディング で検索してみてください。

4.キャッチアップを通じて見えてきた、私が取り組むべきこと(20代後半)

法務業務や事業への理解が進む中で、私は「この法務部には、法務でカバーできていないリーガルリスクがあるかもしれない」という疑念をいだくようになりました。私は、そのうちの一つと感じていた、知的財産権への理解を深めようと考えました。

(1)知財?…知的財産管理技能士試験!

未経験の分野で、どう勉強したらいいか悩んでいたときに、知的財産管理技能検定が存在することを知りました。試験の合格をモチベーションにすれば、勉強を習慣化できるかもしれないと考えるようになりました。

これが、私が今でも勉強を継続している、きっかけとなる出来事でした。

当時取った学習法は、知的財産管理技能協会の公式テキストを読んで、該当の問題を公式問題集を使って解くというシンプルなものでした。

分からないときは、特許庁や関連団体の刊行物を参考にしました。特許庁等が作成する教材には子供向けのものもあり、初学者の私にも安心でした。

大事なことは、3.でも書きましたが、自社の事業とどう関係するのかを強く意識したことです。「単に検定試験の合格では終わらせない、自社の業務で必ずこの知識を活かすのだ」という強い思いで勉強に取り組みました。

特許庁 2022年度知的財産権制度入門テキスト
    知財の教材・参考書

■ このときに合格した検定試験 ※()内はおよその学習時間
 ①知的財産管理技能検定3級(30時間)
 ②知的財産管理技能検定2級(120時間)
  → 一度目の受検は不合格でした、二度目で合格しています
 ③ビジネス著作権検定上級  (30時間)

(2)実践のとき

知財の学習を始めたころ、ふしぎなもので会社では、知的財産権に関する紛争や侵害事案が相次いで生じました。

当時の法務担当役員から「くしゅさん、昼休みに知的財産の勉強していますよね。まだ(ジュニアスタッフである)くしゅさんには難しいかもしれませんが、やってみますか。」と言われ、紛争や侵害事案への対応をアサインされました事をよく覚えています。

学習した知識をひっさげて紛争企業の経営陣や法務部に何社も足を運んで交渉し、いずれもどうにか解決することができました。億単位で賠償金をふっかけられたり、コワモテの方に囲まれたりしましたが、交渉力を鍛えるいい機会でした。

この経験を機に、私は、知的財産に関するリーガルリスクを検討する組織の窓口となり、社員の知財研修を担うようになります。知的財産管理技能検定の勉強が、法務部での居場所を確保するきっかけになったのです(昇進もしました)。

5.もう一つ、取り組むべきだと考えたこと

当時、知的財産権のほかに、もう一つ取り組むべきだと考えたことがあります。それは英語でした。英語は業務だけではなく転職でも大いに役立ちました。こちらについては、次回のnoteでお話したいと思います。

ご本人のTwitter投稿から。

■りーぷら事務局から

ご寄稿いただいた①は、記事公開後すぐ大好評でした。くしゅさんのTwitter投稿へのリプライからも、反響を強く感じました。

さて、転職1社目ではまさかのスキャン取り要員からのスタートです。ドキュメントのPDF化がはじまったころに同様の業務をすることになったかたも多かったのではないでしょうか。スキャン取りからなのに、なんで営業経験者を欲しがったのでしょうね(笑)。


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