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相続手続きに必要な戸籍謄本と取得する手順を解説!
相続手続きでは、戸籍謄本が必要です。戸籍謄本といっても、普段の生活ではあまり取る機会がありませんし、相続手続きでは、古い戸籍謄本が何通も必要になります。どの種類の戸籍をどのように取るのかよくわからないという方も多くおられると思います。この記事では、相続手続きに必要な戸籍謄本の種類や取得する手順について解説していきます。
戸籍と戸籍謄本の違い
相続手続きでは、戸籍謄本を提出します。戸籍謄本とは、戸籍の写しのことです。戸籍本体は本籍地の市区町村で保管されており、普通の人は閲覧できません。戸籍を確認するには戸籍謄本を取得する必要があります。
戸籍は大きく分けて3種類ある
相続手続きに必要となる戸籍謄本を取得するために、戸籍の種類についてある程度知っておく必要があります。戸籍には、次の3種類があります。
①戸籍:現在も有効な戸籍のことです。現在戸籍とも呼ばれます。
②除籍:戸籍に入っている人が死亡、結婚、離婚などの理由で1人もいなくなった場合には、その戸籍は除籍となります。法律により150年間保存されることになっています。
③改製原戸籍:戸籍法の改正により戸籍が新しい様式で作り直されることを戸籍の改製といいます。改正前の戸籍は有効ではなくなりますが、改製原戸籍という名称になって150年間保存されます。
相続手続きに必要な戸籍の範囲
相続手続きに必要な戸籍の範囲は、一般的に以下のようになります。
A:被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍
被相続人の戸籍は生まれてから亡くなるまでずっと同じではありません。結婚のタイミングで親の戸籍から新しい戸籍に移動します。他の市区町村に転籍すれば、新しい戸籍が作られます。戸籍の改製のタイミングでも戸籍は変わります。1人の人に、先ほど説明した①戸籍②除籍③改製原戸籍といった何通もの戸籍があるのが普通です。相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を揃える必要があります。
B:相続人の現在戸籍
相続人については、今でも生存中であることを確認するため、現在戸籍が必要となります。相続人が被相続人の戸籍に入っている場合は、被相続人の戸籍と兼ねることができます。
戸籍謄本を取得する手順
相続手続きで戸籍謄本を揃える手順については、次のようになります。
STEP1:被相続人の死亡時の戸籍(除籍)を取得する
まず、被相続人の本籍地に、死亡時の戸籍を請求します。もし、本籍地が分からない場合は、被相続人の最後の住所地で本籍が入った住民票の除票を取得することで、本籍地を調べることができます。
STEP2:1つ前の戸籍を取得していき、出生時まで戸籍を遡る
次に、死亡時の戸籍をもとに、1つ前の戸籍を取得します。戸籍が改製されている場合は、同じ本籍と氏名で改製原戸籍が存在するので、1つ前の改製原戸籍を取ります。もし、結婚などにより新たな戸籍が作られている場合は、被相続人の身分事項の欄に従前戸籍という項目がありますので、ここに載せられている従前戸籍を取ります。このようにして、1つ前の戸籍を順に取得していき、被相続人の出生まで戸籍を遡ります。
STEP3:相続人の現在戸籍を取得する
被相続人の出生から死亡までの戸籍が取得できると、相続人が誰であるかかが分かります。相続人確定後に、相続人の現在戸籍を取得していきます。
窓口や郵送での戸籍謄本の取り方
戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得することができます。窓口と郵送での取り方について、分けて解説していきます。
A:窓口での取得方法
窓口の場合には、次のような書類が必要になります。必要書類は役所によって異なる場合があるので、電話かホームページで事前に確認しておくことをお勧めします。
・戸籍謄本等交付請求書:用紙は役所に置いてありますので、必要事項を記入しましょう。書き方が分からない場合は、職員の方が教えてくれます。
・本人確認書類:運転免許証やパスポートが必要です。
・相続人であることの証明書類:自分が相続人であることを証明する戸籍謄本などが必要になります。ただし、被相続人と相続人が同じ戸籍に入っている場合などは、不要になります。
・委任状:相続人以外の代理人が請求する場合は委任状が必要になります。
【ひと言メモ】窓口で取得する場合は、相続手続きに使うので、その役所で取れる戸籍謄本が全て欲しいと職員にひと言伝えておくと、漏れなく戸籍謄本を取得することができることが多いです。
B:郵送での取得方法
郵送の場合の必要書類は、基本的に窓口で取得するときの必要書類と同じです。ただし、本人確認書類と相続人であることの証明書類は原本をつけるのではなく、コピーをとって同封するようにします。また、郵送の場合には、次のものもの必要となります。
・定額小為替:郵便局で手数料分の定額小為替を購入して同封します。定額小為替購入の際には1枚につき100円の手数料がかかります。手数料分の定額小為替を揃えられない場合は、少し多めの定額小為替を同封しましょう。差額分は定額小為替として返却してくれます。
・返信用封筒と返信用切手:返信用封筒に切手を貼って同封します。返信用封筒の住所は、本人確認書類と同じ住所を書きます。
郵送の場合は、請求してから取得するまで1週間~10日かかります。
取得を専門家に依頼すると良いケース
相続手続きで必要な戸籍謄本は、先ほど説明したように被相続人の出生から死亡までのものと相続人全員の現在戸籍謄本です。ただし、以下のケースでは、さらに必要な戸籍が増えますので、取得を専門家に依頼することも検討できるかもしれません。
Case1:相続人が兄弟姉妹の場合
被相続人に子どもがなく、両親も既に亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。このケースでは、被相続人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍謄本が必要となります。場合によっては、100年以上前の戸籍謄本を集めることも必要になってきますので、自力で取得するのはかなり大変です。
Case2:代襲相続がある場合
本来相続人となるべき人が既に亡くなっている場合、その相続人に子供がいれば、その子供が相続人となります。このことを代襲相続といいます。たとえば、被相続人の子供が既に亡くなっている場合は孫が代襲相続人となります。このケースでは、本来の相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と代襲相続する相続人の現在戸籍謄本が必要となります。
上記のケース以外でも、自分で戸籍謄本を集めるのが大変という場合は、専門家に依頼してみて下さい。自分で取れるところまで取って、後はお任せという方法にすると、費用を抑えつつ必要な範囲のものを確実に集めていくことができます。
まとめ
相続手続きでは、相続人を確定するために、まず戸籍謄本を揃える必要があります。いくつもの役所から沢山の戸籍を取り寄せる必要がありますので、相続が発生したら、できるだけ早めに戸籍取得に取りかかりましょう。
また、古い戸籍は手書きのものもあり、慣れない人には読みにくいこともあります。相続手続きをスムーズに進めるために、必要なときには戸籍集めの段階から専門家に依頼してみることもお勧めです。