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自筆証書遺言は、どうやって保管するの?
こんにちは。神奈川県秦野市のリーガルボンド行政書士事務所です。
自筆証書遺言を保管する2つの方法
前回、5分で書ける自筆証書遺言についての記事を書きました。
今回は、その保管方法についてご紹介したいと思います。
公正証書遺言は公証役場で遺言を保管してくれるため、保管方法について特に気にする必要はありません。一方、自筆証書遺言は自分の責任で保管する必要があります。せっかく遺言を書いたものの、発見されずに終わってしまう事を防ぐため、保管方法について慎重に考えていく必要があります。ここでは、2つの保管方法についてご紹介したいと思います。
封筒に入れて自宅で保管する
1つ目の方法は、封筒に入れて自宅で保管するというものです。
封筒の表面に「遺言書在中」と書き、裏面に日付と署名押印をしてから封印します。遺言書を見つけた家族がうっかり開封するのを防ぐため、裏面に「開封せずに家庭裁判所に提出して検認を受けること」とも書いておきましょう。
ポイントは次のとおりです。
①封筒への記載も遺言者がすべて自書する
②遺言書に押印したのと同じ印で封印する
③封筒の裏面記載の日付は遺言書と同じ日付を書く
遺言書を作成したなら、信頼できる家族の誰か、または信頼できる専門家に遺言書の写しを1通渡し、原本をどこに保管してあるか知らせておくことが出来ます。遺言書は「残す」ことが目的ではなく、遺言の内容を「実現」することが目的です。この点を踏まえて保管方法を考えていく必要がありますね。
自筆証書遺言書保管制度を利用する
自分で封筒に入れて自宅保管する方法はシンプルですが、幾つか問題点もあります。まず、この方法で保管すると、相続が発生した後、手続きが面倒くさくなります。家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人立ち会いのもとで遺言書を開封する作業(検認手続きといいます)をしなければなりません。「検認を行いますよ」という通知を相続人全員に行わなければならないので、相続人と音信不通になっている場合などは、かなり大変です...また、自宅で保管していると遺言書を紛失してしまったり、場合によっては改ざんされる可能性もゼロではないですよね。
そこで、2つ目の保管方法として、今年の7月から始まった自筆証書遺言書保管制度の利用を検討することが出来ます。この制度は簡単にいうと、手数料を払えば法務局が遺言書の原本を預かりますよというサービスです。国の機関が遺言書を預かってくれるので、紛失や改ざんを防ぐことが出来ます。そして、この制度を利用すると相続開始後の検認手続きが不要になります。これはかなり大きいです!手数料3,900円で利用できることを考えると、検討の価値は十分にあると思います。
この制度を利用するための5ステップを簡単に紹介します。
①遺言書を作成する(A4サイズ指定となっています)
②住民票(本籍地入り)を取得しておく
③申請書を作成する
④法務局に予約を入れる(全ての法務局でこの制度が利用できるわけではありません。神奈川県では、横浜の本局と各支局で利用可能です)
⑤当日は、遺言書、住民票、申請書、本人確認書類、手数料を持って法務局に出かけましょう
手続きが完了すると保管証が発行されます。原本は自分で保管し、コピーを信頼できる誰かに預けておくと良いかもしれませんね。
実際に遺言を預けてみた
私がいつもお世話になっている司法書士事務所の先生が、この制度を使って実際にご自分の遺言書を預けてみました。その時の動画が、You tubeにアップされています。先生の事務所の許可をいただいて、こちらの記事にも動画をアップしています。参考になると思いますので、是非、ご覧ください。こちらの「終活の窓口チャンネル」は、終活に関する役立つ動画が定期的に配信されています。良かったら、チャンネル登録もご検討ください♪
自筆証書遺言書保管制度が始まって、遺言書作成の幅がぐっと広がったように感じます。とはいえ、この制度では遺言書の中身が法的に有効がどうかという所まではチェックしてくれません。それで内容に不安がある時は、専門家に相談してみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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