舞台モンスターをモンスターが観劇した
舞台モンスターを観劇してきた。
風間くんが出てる舞台である。
今年頭になぜかスっと風間くんにハマり始め、地球ゴージャスの儚き光のラプソディが良かったので、今回も観ようと思い変化を楽しめそうな初日と最終日に近い日程のチケットを事前に取った。
実は中日あたりにもう1枚追加でチケット買って見る予定だったが出来なかった。
1回目でストーリーにパンチをくらいもう1回見る勇気が出なかったのだ。
ネタバレが好きじゃないので初日までほとんど前情報を入れていなかった。
風間くんが先生役で不良な生徒を対処していく話くらいに捉えていた。兼末健次郎が先生役になるんだ、としか考えていなかった。
いざ観劇してみると、発達障害にピンポイントで着目したストーリーだった。
正直きた、自分も発達障害を持ちながら学校に通っているからだ。
ダリルと一緒だ。良いとか悪いとかじゃない、ダリルと一緒。
違う点はこの特性が学校にバレているかバレていないかだろう。
全部のセリフがくる。ADHD/ASD。普通だとか普通じゃないとか。投薬治療だとか。将来の就職はどうするんだとか。全部が全部ここ数年で泣きながら過ごしてしたキーワードたちだった。
風間くん演じる教師のトムいわく、ダリルはADHDとASDのふたつを持ち合わせているようだ。対して私はASDオンリーのタイプだ。
(なんせ2回しか観劇出来てないのでセリフやニュアンスが曖昧だが)、トムはダリルの突発的な危険な行動や反社会的な思考はASDによるものだとリタに説明していた。
それがすごくきた、ぐさっと。
ASDとひとつに言っても色んなタイプがいる。そんなことはきっとトムもわかった上で言っているのも分かっている。
男女差も、特性の強弱も、性格によってもだいぶ違う。分かっている。それなのになんか悲しくなってしまった、仕方がない。
しかし、この思考もおかしいのだろう。わたしはダリルとは違う!とした所でなんなのだろうか。もし遺伝子がほんの少し違ったら?わたしもダリルのような学生だったのだろうか。全然遠くない世界のお話。
もう舞台モンスターがこわい。
トムがダリルに歴史の勉強を少ししようと言う、けどその「少し」が分からない。トムは少しは少しだ!と起こるけど、ダリルはパニック気味になる。その直後トムがじゃあ10分(だったっけな?)と数字で時間を区切ると以外にもあっさりと席に座った。
細かいな、思った。
2回目で気づいたが、あの開演前から流れてるアップテンポの一定のリズムの音楽。あれは全部ダリルの脳内だ、というよりあの舞台上全てがダリル中心に回っている。
発達児あるある。起床時から就寝するまで永遠に脳内に音楽が流れてるこの現象、ダリルの脳内があの環境なのかな。
そしてトムとのコミュニケーションで驚くことがおきるとBGMが止まる。投薬治療で脳みそが落ち着いている、ダリルの焦点がトム側の世界と合っている時も、あのBGMはなかった。ダリルが出てないシーンにもその音楽は無い。
舞台の両脇にあるあのトビラ、使えるのはダリルだけだった。空間がダリルの世界だったのかなと思う。
あとふと見たSNSで、トムと祖母のリタの愛をダリルに伝えることは出来るのか?みたいな感想が何個かあったが、また自分とは違った見方だなと驚いた。
きっとそんなものは最初の段階で伝わっているのだと思う、それとナイフを取り出してしまったり加害してしまうことはダリルの脳内において別ベクトルのお話なのではないだろうか、どうだろか、ダリル
さらにシビアな話になるが、最後トムがリタに向かって「あなたの娘のような人は子を持つべきではなかった、誰も幸せにならなかった、妊娠できないような体にするべきだった」とめちゃくちゃ言葉の刃物を投げつけてくる。こわい、悲しい、でもそれこそが自分が今2年くらいずっと夜中になると考えて続けていることでもある。
私は子を産んでいい存在なのだろうか?そもそも自分の子が欲しいのか?
どうやったらモンスターは生まれないのか、そんな議論はすごく危ないけど、大事である。
子供は、欲しいけど欲しくないを100億回繰り返してる。ダリルはどう思うのだろう。
そしてあの赤ちゃん。どうなのだろう。
ジュディが妊娠時にトムにやめろと言われていたのにワインを少し呑んでいたな。
出産後、泣き止まないということでジュディがだいぶ参っていたな、、、そりゃ赤ちゃんは泣くのが仕事とは言ってもわざわざ泣き止まなくてジュディが憔悴してる様子を演出するのは何かの暗示なのか、、、
まぁ、赤ちゃんが身近にいないので比較できないが
さて本題であるモンスターとはなんなのか
ストレートに考えればダリルだろう。学校と家庭での問題児。そして発達障害もち。
発達障害は白黒できまるものではない。
スペクトラムなのだ。
これは専門的なお話はなんも知らない当事者の完全に持論だか、全人類自閉スペクトラム症の種を持っていると思う。
例えば特性の濃さを0-100であらわしたときに20のひともいれば80の人もいるし50のひともいる。0も100もいる。
50で気になって医療機関受診した人もいれば、90で何も気にならず医療機関を受診しないひともいるだろう。
このとき考えられるのはトムはどうか、恐らくアメリカのお金持ちが住むところで白人夫妻に育てられた黒人の少年。家庭環境が少し複雑に感じるが向こうではあまり珍しくないのだろう。前の仕事が上手くいかなくジュディに当たっていたこと、そしてダリルに怒りのあまり蹴りを入れたこと。ダリルと同じく言ってはいけない言葉を自分の意思と反して発してしまうこと。トムも濃いめのモンスターなのでは無いのだろうか、ただ勉強に困ることがなく見つけられにくいタイプなのでは無いのだろうか。
リタ、これはモンスター。現代で言うとこの毒親になるのだろうか。ダリルを守りたいがあまり全てがダリルのためになっていない。
全部を普通で育てたいのは親のエゴ。でも気持ちは痛いほどにわかる。でもモンスターであることに変わりは無い。結果的にダリルは新しい環境に行っても幸せに離れなかったようだが。
ジュディ、仮定だが、もし彼女のお腹の中にいた男の子の新生児がモンスターなら彼女もモンスターになってしまうのかもしれない。
でも観れて良かった。
全キャストとスタッフの皆さん素敵だった。
良かった。
(初台のドトール行けばよかった笑)
((こちらは言語IQが80しかないオタクが書いた文です。表現がおかしかったら大目に見てケロ🐸))