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【Audible】子どもの救済は大人の責任『僕が僕をやめる日』松村涼哉

先日聴いた松村涼哉著、『15歳のテロリスト』が良かったので、別の作品を聴きました。

こちらもミステリー仕立てでストーリーはサクサクすすんでいきますが、テーマは重いです。
無戸籍児童問題。
この国は、行政サービスは戸籍がもとになっています。
日本人の父母のもとに生まれたなら、戸籍に入るのは当たり前のことなんて思っていたら大間違い。
実際は、さまざまな事情により、戸籍を持たない子どもたちがいるのです。
戸籍がない、ってことは、存在していないということになってしまいます。
名前がないし、就学もできないし、医療も受けられません。
この作品のベースには、この戸籍がない=存在していない子どもたちの助けを求める声があるんです。

日本の国に、日本人の親の子どもとして生まれたのに、この現実はあまりにも残酷です。この子たちを救う手立てはないのかと、聴きながらずっと考えてしまいました。

この著者は、重いテーマをライトに書くのがとても上手いと思います。
日常生活上、今まであまり関心のなかったことに気持ちが向くようになります。

ストーリー展開も巧みですから、そこに繋がっていくのか!みたいな感覚も味わえました。
おすすめです。

#audible #松村涼哉 #僕が僕をやめる日 #ミステリ



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